奥福本から三峰山へ

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登山

■コースタイム
奥福本登山口=1:05=八丁平=0:15=三峰山=0:05=八丁平=0:55=奥福本登山口【total 2:20】


 素晴らしい秋晴れのもと、八丁平のススキが見たくて三峰山に行ってみた。御杖側からは一度登ったことがあるので、今度は三重県側から登ることにする。当初は月出から新道峠経由のコースをとる予定だったが、林道が工事中で通れなくなっており、引き返して国道166号線の富永から奥福本登山口へ入る。なお工事は平成10年2月までの予定となっている。富永付近からは八丁平がくっきりと見え、実に登高意欲をそそられる。奥福本登山口には3台くらい駐車できるスペースがある。先客が1台いて、4人組のグループが出発の準備をしていた。ここは標高が約700mあり、山頂への最短コースである。月出から引き返したため約1時間のロスとなり、10時10分に出発する。


飯高北奥林道より三峰山を望む

 登山口にはコースの案内板があり、山頂まで1時間30分と書かれている。鹿よけネットの横を通って植林の中を斜めに登っていく。いきなりかなりきつい上りである。少し登って、先に出発した4人組を追い抜く。あとは変わり映えのしない植林の中を何度もジグザグを繰り返しながら黙々と登っていく。非常に単調な上りである。やがて植林の中に自然林が混じるようになる。赤や黄色に色づいた葉、それに緑の葉が入り混じって大変美しい色彩を作り出している。木の間越しに向かいの山肌には赤く紅葉した木がたくさん見える。そして山頂付近は茶色く枯れ始めており、冬の近いことを感じさせる。自然林の割合が多くなってくればもう八丁平は近い。やがて完全な自然林となり、落ち葉をサクサクと踏みしめながら快適に歩く。少しガレた場所を渡ってイバラなどが混じったちょっとうっとうしい藪を抜けると、息をのむ大展望が広がり、八丁平に飛び出す。正面には迷岳が圧倒的なボリュームでそびえ、その後ろに台高の山並みが累々と連なる。眼下には飯高の町並みが小さく見える。そして一面ススキの銀の波。この辺のススキはもう枯れ始めている。最後は生い茂るササやススキをかき分けて進まなければならない。笹藪を抜ければ三峰山への分岐点に着く。


ススキがなびく八丁平


八丁平より迷岳を望む


八丁平より三峰山山頂を望む

 そこから直接三峰山には登らずに、いったん新道峠への分岐点までトラバースする。ススキの穂が風にゆれながら逆光の中に大きく波打っている。こんなに気持ちのいい場所はなかなかないだろう。何度来てもいいところだ。緑色の笹原の中にシロヤシオの紅葉がポツポツと散らばっている。やがて新道峠への分岐に出て尾根道を登る。まわりの木々は少し葉を落としていて、幾分明るくなっている。落ち葉の打ち敷かれた絶好のプロムナードだ。少し登って三峰山山頂に着く。先客は中年の夫婦が一組。意外と人は少ない。山頂は低木が茂っていて南側は見えないが、北側は開けている。大洞山から倶留尊山、古光山、住塚山、国見山、そして高城山、三郎ヶ岳までを確認できる。眼下には神末の集落が細長く続いている。


山頂付近の尾根道

 山頂で食事をとっていると、次々と人が登ってきて、にわかににぎやかになった。やはりほとんどの人は御杖側から登ってくるようだ。山頂には40分ほど滞在し、今度は直接八丁平へ下る。ほんの5分もかからずに八丁平の分岐点に着いた。逆光に輝くススキを撮りたくて、次々とシャッターを切る。雲の流れが早くてたびたび太陽をさえぎられ、雲が切れるのを待たなければならない。足下をよく見ると青いリンドウがポツポツと咲いている。それも超接写で撮っておく。思う存分写真を撮ってから13時ちょうどに下山開始する。下りは思ったほどつらくはなく、55分で登山口まで戻った。

片雲の風に誘われて