登山

明神平から桧塚奥峰へ

投稿日:1998 年 5 月 23 日 更新日:

■コースタイム
大又林道終点=0:20=あしび山荘=0:20=明神滝=0:35=明神平=0:10=三ツ塚分岐=0:10=明神岳=0:40=桧塚奥峰=0:15=桧塚=0:15=桧塚奥峰=0:45=明神岳=0:10=三ツ塚分岐=0:10=明神平=0:50=あしび山荘=0:15=大又林道終点【total 4:55】

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 かねてよりの念願であった桧塚奥峰へようやく行ってきた。天気がいまいちであるが、梅雨入りも近いので今のうちに行っておかなければ機会を失するであろう。午前6時半に出発して大又林道終点にはちょうど8時に到着するが、すでに5台が停まっていていっぱい。これ以上は置けない。そのままバックで引き返して少し下の道が広くなったところに駐車する。ここならまだ近いが、時間が遅くなればなるほど出発点が下に下がるのである。

 午前8時20分に出発。林道を少し歩いて終点まではほんの2~3分くらい。美しい渓谷を眺めながら20分ほどであしび山荘に到着。小さな滝もいくつかあって写真に撮ってみたいが、この暗さでは三脚がないと撮れそうにない。何回か渡渉するところがあるが、このところの雨続きで水量はかなり多い。あしび山荘を過ぎて左の山腹を上っていく天高ルートへの道を発見。二度通っている道だが今まで気づかなかった。そこを過ぎて小さなトタンの小屋がもう一つあるが、ドラム缶のゴミ箱からあふれたゴミが大量に散乱しているのが気になる。もうこれ以上入らないのがわかっているのになぜまだ上へ捨てていくのか。ゴミは持ち帰るのが基本で、ゴミ箱があれば捨ててよいというものではない。

 ここから明神滝までが一番苦しい登りである。体力を残すためにゆっくりしたペースで登る。あしび山荘から約20分で明神滝に到着。滝の高巻き道は大きく崩壊していてかなり危うくなっている。現在はロープが張られているが、段差を乗り越えなければならない箇所があり、もろくて崩れやすく危険だ。今まで事故が起こらないのが不思議なくらいである。崩壊地点を抜けるとベンチがあり、木の橋を二つ渡ってジグザグ道が始まる。ここまで来ればあとは楽チン。どんどんピッチが上がる。林道終点で出会った親子連れに追いつく。先週は薊岳から明神平を回ってきたばかりとのことだった。いつもの年なら今頃の季節は新緑が青々としていてきれいなのだが、今年はもうだいぶ緑が濃くなってしまっている。薊岳がほぼ水平に見えるようになると、やがて水場のあるところに着いた。ここで水筒の水を補給する。こんな山の上で冷たい水にありつけるのは実にありがたい。あとは10分ほどで明神平に到着した。ここまで1時間15分と意外に早く着いた。

 意外にも明神平には誰もいなかった。あずま屋で少し休憩するが、今日は非常に風が強く、ザックまで飛ばされそうな猛烈な強風が吹き荒れている。どんどん体温を奪われて居ても立ってもいられないくらい寒いので足早に立ち去る。ここでバイケイソウの異変に気づいた。いつもの年なら今頃はバイケイソウが青々としているのに、今年は葉が茶色く枯れていて、いつもより少ないような気がする。これも異常気象の現れであろう。三ツ塚への上りにさしかかると風もおさまった。明神平は風の通り道になっているようだ。10分ほどで三ツ塚の分岐に到着し、薊岳への道を右に見て、初めて通る明神岳への道を左にとる。


明神岳付近のヤマツツジ

 三ツ塚から少し行ったところに山ツツジが咲いているのを見つけ、写真を撮る。緑の中にある赤いツツジはひときわ鮮やかである。ブナ林の中の快適な尾根道がずっと続く。これほど美しいブナ林は台高の中でも一二を争うものであろう。道が少し上りになったかと思えば明神岳の山頂に着いた。縦走路の途中という感じで、山名板がなければ頂上だとは全く気づかないような場所である。ここで写真を撮っているとまた先の親子連れが追いついてきた。今日はここまでで、池木屋山への縦走の下見に来たということである。


明神岳山頂

 明神岳から30mほど行ったところに「桧塚奥峰」と書かれた道標があり、縦走路から直角に左折して下っていく。カエデを主体とした原生林が大変美しく、いよいよ秘境に入ったことを感じる。下り切るとあとはほぼ平坦となり、広々としたブナの原生林の中の快適な道となる。この気持ちのいい道はすっかりお気に入りになった。道はしっかりついており、「登山道」の黄色いテープも巻かれているので全く心配はない。ただ明神岳から20 分ほど歩いたところの「いせ一貫堂」のプレートがある広場ではテープの巻かれた道が二つあり、どちらに行くか少し迷った。地図とコンパスで桧塚奥峰の方向を確認したところ、右が正しいようなのでそちらへ行く。すぐに「登山道」の黄色いテープが現れて合っていることがわかった。もう一ヶ所は桧塚奥峰の手前のピークで道が鋭角で左に折れ曲がる箇所がある。ここもテープがあるので間違えることはないが、逆に桧塚奥峰から来る場合はガスが出たときなど直進しそうになるかもしれない。その地点を過ぎると明るい笹原に出て、国見山から高見山までの展望が一気に広がった。そして満開のシロヤシオが出迎えてくれた。写真は帰りに撮ることにしよう。ゆるやかな笹の斜面を登っていくと、そこが桧塚奥峰だった。もっと遠いと思っていたのに実にあっけなく着いた感じがする。


ブナの原生林を行く


シロヤシオ

 山頂にはまだ誰もいない。山名板には1441mと書かれているが、地図には1420mと書かれている。どっちが正しいのだろうか。しかしいずれにせよ三重県内の最高峰であることには違いない。しばらく写真を撮っていると桧塚の方から男性二人組が登ってきた。標石の少し南側の方へ出ると展望が大きく開ける。思いのほか素晴らしい展望に感動した。北は高見山から南は大台ヶ原まで台高のすべてを見ることができる最高の展望台である。とりわけ明神岳から笹ヶ峰、千石山、赤嵓山を経て池木屋山へと続く稜線が手に取るように眺められるところは他にないだろう。空気が澄んでいて遠くには大普賢岳から弥山、そして釈迦ヶ岳までをくっきりと望める。池木屋山から迷岳へ続く険しい支稜が印象的だ。江股ノ頭の少し右、稜線の向こうに見える美しい台形をした山はおそらく仙千代ヶ峰であろう。かなり登高意欲をそそられる山容だ。北の方には大洞山など室生の山々をはじめ、三峰山から局ヶ岳もくっきり見える。ここもかなり風が強く、じっとしているとだんだん冷えてくる。さすがに標高1400mだけのことはあって、下界のクソ暑さからは想像もできない涼しさだ。山頂で昼食をとり、指呼の間に見える桧塚へ往復することにした。


桧塚奥峰から見た桧塚


美しい笹原を行く

 山上公園のような美しい笹原の中を下っていくと左手に国見山から高見山までの大展望が開ける。その向こうにははるか中和の山々まで見えている。相対する山腹には千秋林道がはい上がっていくのがよく見える。「三重県の山」によるとこのあたりに千秋林道からの登山道が出てくるはずだが、それらしき道は発見できなかった。鞍部まで下り、桧塚の登りにさしかかるとまたシロヤシオがたくさんある。そして着いた桧塚山頂は山名板と三角点があるだけで、展望は何もない。見過ごしてしまいそうな山頂であった。再び桧塚奥峰へ戻ってみるとずいぶん人が増えてにぎやかになっていた。この山もかなり人気があるようだ。またこのころから薄雲がとれて青空が広がってきた。実に清々しい気分である。もう少し山頂で休憩して12時40分、桧塚奥峰をあとにした。

 帰りは明神岳直下の登りがかなりつらいが、あとは下るだけである。明神平はずいぶんにぎわっていた。ここはまさに人間交差点という感じである。朝方の強い風はかなりおさまっている。そして午後3時10分に林道終点到着。もう車は一台しかいない。すっかり快晴となり、大満足の山行であった。これで桧塚奥峰がすっかり気に入ってしまった。何とか三重県側からも登ってみたいものである。

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