登山

中奥大鯛林道から白鬚岳

投稿日:1998 年 11 月 3 日 更新日:

■コースタイム
駐車地点=0:20=林道終点=0:30=1193m独標=1:00=白鬚岳=1:00=1193m独標=0:30=林道終点=0:20=駐車地点【total 3:40】

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 二日ほど前の天気予報では今日は雨のはずだったが、何と朝から快晴になっていた。さすがは文化の日。このところ朝からすっきり晴れることがなく、しばらく山から遠ざかっていたので久しぶりの山行である。行き先はこの季節のためにとっておいた白鬚岳にすぐ決定。午前7時半に出発し、R169を離れて中奥までは順調に行くが、ここからの林道が難関で予想以上に時間を喰った。川沿いに上っている間は舗装されているのだが、途中の駐車場のような場所から180度折り返してすさまじい急勾配となり、しばらく行くと舗装が途切れて地道となる。この道が凹凸だらけの超悪路で苦戦させられる。あまりにひどいのでこれ以上進むことは不可能と判断し、Uターンできそうな場所で折り返して何とか路肩に駐車する。地図を見ると終点までは1kmくらいと思われるので、ここから歩くことにする。

 午前9時45分に林道を歩き始める。石が多くて歩くのも嫌な道だ。しかし皮肉なことに少し行くと道は良くなっていた。こんなことなら苦労してUターンしなくても終点まで行けばよかった。向かい側に見える岩肌を露出した山は登尾だろうか。なかなか迫力のある山である。この辺の山腹はちょうど紅葉の盛りで、赤やオレンジが多くて美しい。今年最高の紅葉にようやく出会えた。帰りに気づいたのだが、この林道から大鯛滝という立派な滝を眼下に見ることができる。これは歩かなければ見られない収穫だった。上へ行くほど道は平坦となり、歩いてもさほど苦にはならない。しかし距離は結構長く、カーブをいくつ曲がってもなかなか終点に着かない。20分ほどでやっと終点の広場に着いた。10台くらいは駐車できそうなスペースがあり、軽ワゴンが1台だけ停まっていた。

 林道終点に道標があって、川を渡って左へ行くように小さく書かれている。その通り行くと赤テープがあり、すぐ立派な道標があった。植林の中を斜めに横切って登っていくと、すぐ自然林となる。この辺はブナが多く、まさに黄色く色づいているところだった。標高で言えば今は 1000m前後が見頃になっているようだ。自然林の中をジグザグに登っていくが、林道歩きでウォーミングアップされているせいか、あまりしんどくはない。 10分ほどで自然林を抜けて再び植林帯となり、また道標がある。ここから尾根上の登りとなり、相当な急登が延々と続く。上を見上げれば何度もこれで終わりかと思わせる場所があるが、そのたびに期待を裏切られる。容赦なく続く急登にさすがに息が上がってきた。少し止まって息を整えてから登る。やがて植林が切れて今度こそ本当に終わりだと確信するが、そこからがまた長く、なかなか進まなかった。最後のとどめの急坂を登ると明るいピークに飛び出し、そこが 1193m独標(高尾)であった。


黄葉が美しい稜線

 この稜線が植林の境界になっており、東側は植林、西側は自然林となっている。独標の付近には美しいヒメシャラの林が広がり、シロヤシオが赤やオレンジ色に色づいていた。目指す白鬚岳のピークも見える。小休止してから気持ちの良い稜線を歩き始める。少し行くと小ピークを迂回して東側をトラヴァースするようになるが、この道が狭くて歩きづらい。小ピークを過ぎて植林を抜け、再び稜線に合流する。やはり紅葉が美しい。ここからはまさにヤセ尾根という感じの切り立った道が続き、なかなか迫力がある。もう一つくらい小ピークを乗り越えて、一旦鞍部に下る。ここからまた登り返しになるが、木の根などをつかみながらの猛烈な急登である。道がやや不明瞭で、赤テープや赤ペンキを拾いながら登っていく。なかなか大変な登りだったが、それがやっと終わったところで追い打ちをかけるようにとんでもない事態が待ち受けていた。何と桧の木が何十本も将棋倒しになって道をふさいでいるのである。台風7号で倒れたことは間違いない。やはり植林された木は弱い。これで万事休すかと思われたが、すでに先人の残した赤テープが倒木に付けられている。これは何とかして通り抜けるしかない。赤テープをたどりながら倒木をまたいだりくぐったりして強引に登っていく。これが平坦な場所ならまだいいが、ものすごい急斜面に加えて、下は濡れていて大変滑りやすい。かなり慎重に登ったのでわずかの間を抜けるのに10分ほどを要した。やっとのことで倒木帯を抜けると幸いそれ以上の倒木はなかった。相変わらず狭くて歩きにくい尾根道が続く。もう一つ小ピークを越えて、いよいよ白鬚岳との鞍部へ下っていく。目の前に見えているものの、標高差はかなりありそうだ。鞍部からしばらく植林の中を登り、それを抜けるとカエデの林へと入っていく。残念ながらカエデはもう葉を落としていて、わずかに黄色い葉を残しているのみである。ブナも完全に落葉してしまっている。今はシロヤシオだけが紅葉しているようだ。落ち葉の打ち敷かれた道をサクサクと踏みしめながら登る。もう少しで頂上というところで、軽ワゴンの主と思われる単独男性が下りてきた。結局、今日人に出会ったのはこの人だけだった。頂上はすぐ上に見えているのだが、また大変な急登でなかなか近づいてこない。やはり鋭峰だけのことはある。落ち葉に埋もれて不明瞭な道を赤テープをたどりながらジグザグに登り、午前11時45分やっと白鬚岳の山頂に到着した。


白鬚岳山頂


小白鬚を望む

 山頂に登ると今までの苦労を吹き飛ばすかのように素晴らしい展望が広がっていた。鋭峰にふさわしく、大変狭い山頂である。大峰山脈の展望が素晴らしく、大普賢岳の威容がひときわ大きく見え、その左に八経ヶ岳、さらに奥には釈迦ヶ岳も望まれる。ちょうど太陽の方向には大台ヶ原の大きな広がりがあった。すぐ下には小白鬚を見下ろし、その向こうには白屋岳やジョウブツ山も見える。東の方を見れば薊岳と木ノ実ヤ塚が仲良く並び、国見山から明神岳も見える。木の間越しには奥ノ迷峰や赤嵓山も何とか確認できた。素晴らしい展望を独り占めしながら誰もいない山頂で昼食をとる。さっきの単独男性が下りていったのでおそらくもう誰も登ってこないだろう。山頂には今西錦司先生の1500山目登頂記念碑があり、「一山一峯に偏せず、一党一派に偏せず」の文字が刻まれている。この石碑はちょうど一年前の1997年11月3日に建立されたものである。


薊岳・木ノ実ヤ塚を望む

 誰もいない山頂を楽しんだ後、12時40分に下山を開始する。また倒木帯とものすごい急坂に難儀しながら慎重に下る。帰りは太陽の向きが変わったせいか、行きには気づかなかった目の覚めるような黄葉が目に付いた。林道終点に下る頃にはもう膝がガクガクになっていた。それにしてもいつも下りも登りと同じだけ時間がかかるのはなぜだろう。午後2時50分に駐車地点まで戻り、渋滞もなく順調に5時に帰れた。

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