唐沢鉱泉から天狗岳・中山峠周回

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登山

八ヶ岳の中では比較的登りやすいとされる天狗岳。正確には西天狗岳と東天狗岳からなる双耳峰ですが、中山峠を絡めた周回コースが可能なのでかなり人気があります。北八ヶ岳なのか南八ヶ岳なのか微妙なところですが、夏沢峠が境界となっているようですので、一応分類上は北八ヶ岳の一角ということになるのでしょう。しかしここはアルペン的な要素もあり、両方の特徴を兼ね備えた山だと思います。

前から一度登ってみたかったのですが、膝に爆弾を抱えてますのでなかなか自信を持てませんでした。今回は3日前に守屋山に登って軽い膝痛が出た後、回復しましたので今なら行けると判断しました。前日は小淵沢の道の駅で車中泊し、朝6時に出発して登山口の唐沢鉱泉には7時過ぎに到着しました。

登山コース図

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唐沢鉱泉へは茅野市街からほぼ一本道ですのでわかりやすいと思います。ただ三井の森を過ぎてからは3.5kmのダート道となります。比較的フラットな路面ですが、非常に勾配がきつい! 滑りやすいので4WDじゃないとしんどいやろなぁ・・。唐沢鉱泉の手前に公共駐車場がありますが、平日なのにかなり埋まっています。土日は絶対置けないというのも納得できます。夜中のうちに来て車中泊してますのでね、朝来てもすでに一杯なんですよ。ちなみにここでの車中泊は駐車場が傾いている上にアブが大量にいますのでおすすめしません。

この時点では快晴を予感させる良い天気だったのですが・・

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唐沢鉱泉のポストに登山者カードを提出した後、西尾根登山口から登り始めます。周回コースなので別にどちらからも登っても良いのですが、勾配のきつい方から登って緩い方へ下るのがセオリーでしょう。その方が膝に優しいですので・・

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初めのうちは山腹をジグザグに登っていきます。木の根が張り出していてなかなか歩きにくい感じです。

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小一時間登って西尾根に合流しました。ここから尾根上の登りが延々と続きます。まだ登り始めたばかりなんですが、ここまでいったい何組追い抜いたことでしょうか。大人数で前を塞がれると前に出るのも一苦労。概してこういう団体は異様にペースが遅いです。今日中に下山できるのか心配になるくらいに・・。平日でもこんな状態ですから、これが土日だとどうなるのか想像すると恐ろしいです。

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北八ヶ岳らしい苔生した原生林が素敵です。

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1時間45分くらいで第一展望台と呼ばれる場所に着きました。標高2320m。それまでずっと原生林の中でまったく展望は効かなかったのですが、ここで初めて周りが開けるはずです。しかしガスが出始めていて、まったく展望はありませんでした。

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うっすらと霧に包まれて幻想的な雰囲気ですね。

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2時間で第二展望台と呼ばれる場所に着きました。相変わらずガスの中で展望はありませんが、少し待つと一瞬ガスが晴れて初めて西天狗岳の山頂が姿を現しました。ここで標高2480mですが、まだかなりの高度差があるように見えます。

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第二展望台からわずかに下った後、西天狗岳への急登が始まります。大きな岩をよじ登っていかなければならない大変な急斜面です。岩に書かれたペンキを頼りに登っていきますが、足を上げるのもなかなか大変。こんなこともあろうかと今日はトレッキングポールを持ってこなかったのですが、これが大正解。こんな場所では邪魔にしかなりません。2本持ってる人が多いですが、あれって楽なんですかね? ポール持ってる人は難儀してはりましたよ。

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そして登り始めて3時間弱、ついに西天狗岳の山頂に飛び出しました。標高はこちらの方がわずかに高く2646mあり、三角点も設置されています。頂上は広いので大人数でも余裕で休憩できそうですが、なぜかこちらはあまり人気がありません。着いたときは自分以外誰もいませんでした。相変わらず展望なしですが、数分単位で晴れたり曇ったり忙しい天気です。

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山頂で20分ばかり休憩しまして、東天狗岳へ向かいます。やや下ってまた同じだけ上り返し。西天狗岳からはこんな感じで東天狗岳が見えます。

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鞍部のあたりから南側を見ると、あれが根石岳でその傍らに根石山荘も確認できます。

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これを登れば東天狗岳ですよ。

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西天狗岳からはほんの15分ほどで東天狗岳に着きました。この頂上は狭いですけど大人気で次から次へと人が上がってきます。座る場所にも困るくらい。隅っこの方に陣取ってお昼を頂きます。

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山頂で1時間粘りましたので、だんだん晴れてきて、それまでまったく見えなかった下界が急に見え始めました。やっぱり山は下界が見えないとね・・。あれは原村のあたりでしょうか?

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ずっとガスの中で見えなかった赤岳が一瞬ですが姿を現しました。感動!

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東天狗岳からは西天狗岳がこんな感じで見えます。

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霧ヶ峰もきれいに見えてきましたね。こうやって見るとまるで低山みたいですね。

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こちらは根石岳へと続く主稜線です。佐久側はずっとガスが湧いていて晴れません。

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これは硫黄岳へと続く主稜線です。片側が鋭く切れ落ちているのがわかりますね。

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山頂には登ったものの、まだ半分道ですからのんびりもしていられません。3時に下山するためにはそろそろ出なければならないので、12時ちょうどに山頂を出発します。

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東天狗岳を振り返るとこんな感じです。

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稜線上から、ついに蓼科山が見えました。

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諏訪湖もきれいに見えてきましたよ。

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この稜線上は岩場が多く、団体のすれ違いがあるとなかなか時間がかかります。

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少し下ると、すりばち池を通って黒百合ヒュッテに直接出るルートと、主稜線上を通って中山峠を経由するルートに分かれます。どちらも大差はないですが、コースタイムでは主稜線ルートの方が若干短いので、そちらを行きます。

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眼下にこれから向かう黒百合ヒュッテが見えています。その後ろには縞枯れが目立つ中山が控えています。あそこには昔登りましたよ・・

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中山峠まで意外と距離があって、なかなか着きません。こんな岩場を通過しますので、結構時間を要します。

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その岩場の下あたりから、東天狗岳と西天狗岳が並んで見えます。こうやって見ると双耳峰であることがよくわかりますね。

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そしてやっと中山峠に着きました。東天狗岳から1時間強。まだ標高2410mもあります。ここで麦草峠からの道が合流してくるわけですが、標高差は少ないもののアップダウンがありますから、かえってしんどいでしょうね。

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中山峠からはほぼ平坦な木道を5分ほど歩くと黒百合ヒュッテに到着します。

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黒百合ヒュッテの前は広場になっていて、休憩に最適です。

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黒百合ヒュッテからは鬱蒼とした原生林の中を下りますが、こんな岩がゴロゴロしていて大変歩きづらい。ここでもやはりトレッキングポールを持ってこなくて正解でした。岩から岩へ飛び移るときに両手が空いている方がバランスを取りやすいんですね。下りのスピードも上がるようです。今まで下りで荷重を分散させるためにポールがある方が膝への負担が少ないと思ってましたが、それは間違いだということがわかりました。ない方が明らかに楽です。この日、トレッキングポールは百害あって一利なしということを確信しました。

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コースタイム通り、約35分で渋ノ湯との分岐に着きました。ここはもちろんまっすぐ下ります。

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ここからの道も木の根や岩が多くて相変わらず歩きづらい。でも北八ヶ岳特有の苔生した原生林が素敵です。

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コースタイムでは渋ノ湯分岐から40分のはずでしたが、実際には1時間かかりました。やっぱり下りは苦手や・・。そして午後3時ちょうど、唐沢鉱泉に戻ってきました。

この日のコースは予想以上に距離が長く、10km近く歩いたようですが、まったく膝痛が出なかったのが不思議でした。やはり3日前のウォーミングアップが効いたのでしょうか? 日頃トレーニングしてないとダメなんですよね・・。とりあえず、これで念願の天狗岳に登れたし、少しくらいの山は耐えられるという自信が付きました。

片雲の風に誘われて