マンネリを脱却せよ!

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写真

自転車専用ブログにするか悩んでいたところですが、やっぱり「ごちゃ混ぜ化」の方向へ持って行きたいと思います。これだけ自転車ブログ人口が増えてくると、ヘタレの書いた自転車日記など読んでも面白くも何ともないわけです。もうちょっと独自色を出していかないとねえ・・。自転車だけではネタがもたないというのもありますが(^^;、ここで新たな客層も掘り起こしたいという狙いから、写真も大々的にやっていきたいと思います。誰も見ない某所はもうアホらしくてやってられません・・

僕が写真をやめた理由には、デジカメの登場でアホらしくなったとか、ネイチャーを撮る人間のモラルが最低だとかいろいろありますが、直接的にはマンネリから抜け出せなくなったことが最大の要因だと思います。何を撮っても同じような気がして、もうこれ以上のものは撮れないと思ったとき、急速にやる気が失せていきました。まあ写真をやってれば誰もがぶつかる壁なんでしょうが、それを乗り越える前にあきらめてしまいました。ではマンネリを脱却するには具体的にどうすればよいのか・・?

先日、写真評論家の飯沢耕太郎さんの書かれたこんなコラムを読んでいて、なるほどと思わされました。マンネリを脱却するには「徹底的に誰かの真似をせよ」と言われております。好きな写真家がいるなら、その人の撮影スタイルや機材、ものの見方、そして考え方や生き方に至るまで、その人になり切ったつもりで徹底的に真似すべしということなんですね。真似というのはネガティブなイメージがありますが、決してそうではありません。別に写真に限らず、音楽でも文学でもすべては模倣から始まるのです。模倣が完璧にできるようになって初めて自分のオリジナルなものができるということなんでしょう。

では自分が気に入っている写真家はいるのか? 実は今、尾仲浩二さんにはまっています。3年ほど前に「GRASSHOPPER」という写真集を買って「これはいい!」と初めて感動したものです。写真集で感動するなどめったにないことですが、これは本当に感動しました。昨年は「DRAGONFLY」という続編も買って、また感動してしまいました。


地方へ行けばどこにでもあるようなごく平凡な風景なんですが、なぜか懐かしさを覚えずにはいられないのです。ネガフィルムで撮られた独特の色調とかもノスタルジーを強調しているのでしょうが、やはりものの見方が違うんだろうと思います。どれも普通の人なら「こんな場所で誰もシャッターを切らないだろうな」と思う風景ばっかりです。特に自分などはキレイなものだけを求めてそれ以外は素通り、何も見ていないに等しいですから・・。そこでシャッターを切ったということ自体がすごいことなのです。ただ古いものを撮ればよいというものではないでしょう。「古い」と「懐かしい」は違うのです。何百年も前からある神社仏閣はいくら古くても「懐かしい」とは思いません。「懐かしい」と感じるには自分の中の記憶と重ならなければならないのです。したがって、懐かしさとはきわめて個人的で微妙な感覚だともいえます。ある人は懐かしいと感じても、他の人は何も感じないかもしれません。自分にとっての「懐かしさ」とは何なのか・・?

そこから一つの目標が見えてきました。まず尾仲浩二さんのような作品を撮りたい。徹底的に真似したい。そしてそこから一歩進んで自分なりのノスタルジーを追求することを究極の目標とするのです。これでやっと写真のテーマが見つかりました。

何でも形から入れと言われますが、まずは撮影機材を真似ることでしょう(この辺がカメラバカの悲しい性ですが・・)。撮影データによると、尾仲さんの作品はほとんどすべてニコンF3に35mmF2のレンズで撮られています。フィルムはコニカミノルタ時代のセンチュリア200のようです。僕もF3は持ってますが、35mmは金策で売ってしまって今は手元にありません。そこで代わりにOM-4TiかCONTAX T3を使いたいと思います。そしてフィルムですが、コニカミノルタは写真から撤退してしまったので当然ながら今同じものは手に入りません。DNPのセンチュリアは今も売ってますが、実はコダックのOEMという噂で中身はまったく別物らしいです。しかも最近生産中止になってしまいました。でもまだキタムラで一本120円くらいで投げ売りしてますので当面の間はいけるでしょう。

機材を真似れば次は撮影スタイルです。尾仲さんはぶらっと旅に出て写真を撮るのを生業とされているようですが、自分もそういうスタイルに憧れます。地元を撮れなければどこへ行っても撮れないと言いますが、僕はどうも近所を撮るのが苦手です。あまりにも身近すぎて何も感じないからです。やはり旅に出なければ感性は刺激されないような気がします。ですからできるだけ旅をしなければなりません。それなりにお金もかかります。でもこれで旅に出る動機はできたわけですが・・

さて、これでどこまで尾仲さんに近づけるのかは今後の努力しだいです。

片雲の風に誘われて

コメント

  1. Indigo より:

    ご無沙汰しております。

    写真集は買ったことがないのですが、以前買った写真のテクニック本みたいなやつの写真で見た瞬間に「これいいな!!」と思った写真があり(いたって平凡な風景写真なのですが)、で思わず本屋で見た瞬間に買ってしまいました。

    未だにロードかカメラ+ランドナーかで悩んでいますが、カメラならD90が欲しくてたまりません。

    D5000のほうが安いのでちょっと迷ったこともあるのですが、なんか5000はイマイチなもので・・・

    また素敵な写真を拝見できるのを楽しみにしています(^^)

  2. チャリ太 より:

    こんばんは 尾仲浩二さんの名前を見て、とても懐かしく思いコメントしました。昔、東京四谷まで写真展を見に行って、「遠い町ディスタンス」という写真集も買いました。当時、私は人の入った街写真、ストリートスナップが好きで、大阪の沿海地域を撮り歩いていました。肖像権云々でトラブり、撮る気が萎えてしまったのですが…。大西みつぐ、妹尾豊孝、豊原康久、そして森山大道がお気に入りでした。サイクリングで走りながら写真談義もいいですね。

  3. SORA より:

    @Indigo さん

    写真集というものは自分が撮りたい写真のヒントとして見ています。

    ランドナーは安くないですよ。いいものはロードより高くつきます。安いのを買えば結局いいのが欲しくなるので同じことです。

    D5000は店頭で触ってみましたが、なんかしょぼいです。AFが異様に遅いような気がします。基本的にD90より下のクラスはダメですね。

    カメラですが、思い切ってフィルムカメラはどうですか? ニコンFM10あたりのマニュアルカメラなら超安いですよ。それに単焦点レンズを一本だけ。安くてもちゃんとした写真が撮れます。そして一生ものです。ランニングコストが高いと言ってはいけません。たとえD90を買っても3年後にはどうしようもなく古くなります。3年ごとに買い換えることを思えばフィルムの方が絶対安いです。最近の若い人はフィルムカメラを持つことをカッコイイと思ってるようですよ。

  4. SORA より:

    @チャリ太 さん

    意外な人が尾仲浩二さんの名前を知ってるものですね。(笑)
    昔の作品はまだ見てないのですが、機会があれば東京まで見に行きたいものです。

    僕も最近人間を撮りたいと思うようになりました。ネイチャーはジジババだけで十分です。(^^;
    でも今は肖像権とかイヤな時代になりましたね・・
    ただでさえ写真撮ってると不審者に見られそうで・・(^^;

  5. Indigo より:

    実は父の所有物ですがフィルムカメラもあることにはあるのです(ニコンのF601だったはず)

    ただ、最近は父も僕もめっきり使わなくなってしまいましたが・・・(^^;)

    でも、確かにフィルムカメラにも憧れはあったりしますし、父もこないだちょっとだけ601を触って「オーバーホールしよかな?」という感じだったので復活の可能性もあるかもしれません。

    ちなみにフィルム時代の単焦点レンズは今でも使ったりします。

    あと、ランドナーは現在深谷のダボスしか考えていません。
    本来丸石のものが欲しかったのですが生産終了してしまったので(汗)

    確かにTOEIやグランボアのランドナーは憧れですが、今の僕にはもったいない代物である気がしてたまりません。

  6. SORA より:

    @Indigo さん

    本気で写真を勉強したいならオートフォーカスも自動露出もないマニュアルカメラがおすすめですよ。レンズもズームはだめで単焦点に限ります。
    デジカメは無駄打ちが多すぎて何を撮ってるのかわからなくなってきます。撮れる枚数が限られているからこそ、一枚一枚考えて撮るのですから・・
    それにデジカメは一台で満足と言うことは絶対にありません。新製品が出たらすぐに欲しくなります。きりがありません。

    ランドナーも最終的にはTOEIやグランボアに行き着くんでしょうが、それは社会人になってからでも遅くはないし、それまでのつなぎとしてはダボスもいいんじゃないですか?
    でも選ぶのは値段じゃないですよ。あくまでもどういうスタイルで楽しみたいかで決めないと・・