フィルム 写真

DNPセンチュリア200を使ってみた

投稿日:2009 年 7 月 28 日 更新日:

撮影の機材選定にはいつも悩みます。できるだけ枚数を撮りたいのでメインにはE-520を持つとしても、もう一つフィルムカメラを持っておきたい。しかし荷物はできるだけ減らしたいので、一眼レフではなくコンパクトなCONTAX T3だけを持って行きました。いつもならフィルムはリバーサルを使うところですが、リバーサルで撮るとデジカメとあまり変わらない写りになってしまうので、あえてネガを選択。鮮やかさが要求される自然風景なら絶対にリバーサルが適していますが、レトロ感を演出するにはネガのくすんだ発色が好適なのです。ちょうどセンチュリア200の買い置きが2本あったので、それをフルに使い切りました。以前センチュリア100は使ったことがあるのですが、200は初めてなのでどんな写りをするのかちょっと楽しみです。

ネガは即日仕上げが可能なので便利ですが、ポジと違って基準となる色がわからないのでスキャンはかなり苦労します。ほとんど記憶に頼るしかありません。しかし自分のイメージに合った色に作り込んでいくのもまた楽しみでしょう。ポジなら良いコマだけを選んでスキャンすれば済むのですが、ネガはとりあえず全部スキャンしないとわからないのでまた大変。ちなみにセンチュリア200はキタムラで24EXが1本128円、フィルム現像は630円でした。

とりあえずスキャンしてみたので、E-520で撮ったものと比較してみます。両方ともほぼ同じ画角(換算35mm)で撮っています。フィルムはスキャナーの最高性能を使って約1000万画素相当でスキャンしています。E-520はRAWで撮影してPhotoshop CS4で現像しています。

まずは全体像から。まあ発色などは調整でどのようにでも変わりますので、あまり比較しても意味はないですね。それより階調性とか全体から感じられる雰囲気を比べた方が適切です。なおフィルムは左端の方が少し暗くなってますが、これはカメラのせいではなく、フィルムがカールしているためにうまくスキャンできていないためです。ちゃんとホルダーに挟めばうまくできるんですが、面倒なので・・

n2009070115
CONTAX T3/DNP CENTURIA200

20090722_092206
E-520

E-520の方はいかにもクッキリハッキリした写りで、発色も自然ですね。まったく見たままに写るといっていいでしょう。その反面、あまりに写りすぎて情感が感じられないような気もします。一方センチュリア200の方はいかにもネガらしく、コントラストが柔らかめで発色もやや落ち着いたトーンになっています。不思議なものでポジとは違って、どのように調整しても全くニュートラルになることはなくて、必ず何らかのクセが出るものです。そのクセによって同じ風景でも少しノスタルジックに見えてきませんか?

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次に中央右のあたりを等倍で切り抜いて細部を比較してみます。切り抜き以外は一切修正を加えず、できるだけ品質を落とさずにJPEG圧縮したものです。

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CONTAX T3/DNP CENTURIA200

20090722_092206e
E-520

もともとネガはポジに比べると粒子が目立つ傾向がありますが、やはり感度が上がった分、センチュリア100よりは粒子が粗いような気がします。ただこれはスキャナーにもよるのかもしれません。

一見するとデジタルの画像は非常に滑らかできれいに見えます。一方、ネガの画像は粒子が目立ち、ざらついて見えます。見た目の美しさで言えばこれはもうデジタルの圧勝といえるでしょう。しかしよく見るとトタンや木の質感はフィルムの方がより現実感があるように見えませんか? デジタルは何となくツルツルしていて作り物っぽく見えてしまうのです。非常に微妙な感覚ですが、確かにそのように感じられます。

これにはちゃんとした科学的根拠があって、デジタルは細部を切り捨てていることがその要因なのだと思います。もともと撮像素子は色を感じることができないので、単層型の撮像素子でカラー画像を得るにはいくつかの画素を組み合わせて演算する必要があります。このとき実際には存在しない画素の情報を「補間」によって作り出すわけですが、これを完全に行うためにはある程度より細かい情報を捨ててしまわなければならないという定理が存在します。そのため撮像素子の前にローパスフィルターというものを入れて、画像を「ちょっと」ぼかしているのです。この「ぼかし」が入ることによって細部の情報が失われ、滑らかだけど何となく質感がなくなるような感じになってくるのでしょう。一方、フィルムにはローパスフィルターは入ってませんので、粒状感はあっても細部の質感は失われないように見えるのでしょう。

まあ写真をそんなに細かく見ることは普通ないので、別にどっちがいいというわけでもありませんが、必ずしも良く写ることが絶対ではないということは言えるでしょう。要は表現意図に合った手段を選べばいいのですから、最近のトイカメブームも「写りすぎる」デジカメに対するアンチテーゼとして自然発生的に生まれてきたものかもしれません。

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