1994.4.10 奥伊勢のお花見ツーリング

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自転車

実走日:1994年4月10日(日)
コース:朝柄~粥見~富永~栗谷口~三瀬谷~野原~栃原~朝柄

 午前8時30分、車で天理を出発し、名張から伊勢奥津を経て国道368号線のとんでもなくボロい道を走ってやっと出発地点の勢和村に着いたのは午前11時であった。はっきり言って着くまでにくたびれてしまった。国道368号線沿いの勢和村の朝柄というところにある村役場の駐車場に車をデポする。今日は日曜日で役場は休みだから差し支えはないであろう。わざわざここを出発地点にしたのは一番標高の低い地点に戻ってくるのが鉄則だからである。

 準備を整えて午前11時20分に役場前を出発する。まずは国道368号線を西に向かって桜峠を目指す。国道368号線は交通量の少ない2車線道路である。桜峠までは標高差100mくらいでゆるやかな上りが続き、誰でも楽に上れるだろう。桜峠までの所要時間は13分であった。どうでもいいことだが桜峠という名前はこのあたりに多く、知っているだけでも3ヶ所ある。

 桜峠を越えると飯南町となり、ちょっと下ってすぐ赤い鉄橋を渡ると道が狭くなる。民家の間をゆるやかに上って行くとまもなく粥見神社の前に出る。この交差点は少し変則的だが、標識の通りに一旦右折してすぐに左折すると国道166号線に入れる。

 国道166号線は国道368号線よりは交通量が多いが、奥へ行くほど少なくなる。粥見からは櫛田川に沿ってどんどんさかのぼって行く。川沿いの割には結構アップダウンが多く、なかなか標高が上がらない。飯高町に入ると右手に高くそびえる局ヶ岳の尖峰を望める。ここで左手に道の駅飯高を発見。ちゃんと「飯高駅」と書かれているところが面白い。最近国道沿いにこのような道の駅をよく見かけるようになった。

 田引あたりまで来るとだんだん山深くなり、真新しい田引トンネルを通過する。かなり長いトンネルだが、最近できたトンネルはいずれも明るく広くて走りやすい。トンネルを抜けたあたりから櫛田川は次第に渓谷の様相を見せ始め、満開の桜とのコントラストが実に美しい。

 道が1車線に狭くなり、対岸に白いガードレールが見えてくるとまもなく富永に着く。ここで湯谷峠6kmの標識を見て左折し、橋を渡る。ここから今日一番の難所、湯谷峠にさしかかる。この道は古い地図では県道となっているが、最近国道に昇格して国道422号線となった。それにしてもこの国道422号線は何とも不思議な国道である。国道422号線はもともと琵琶湖南端の瀬田を起点として、信楽、上野を経て名張に至る国道である。それがなぜこんな離れたところに続いているのか実に不思議である。他の国道との共用区間を通じてつながっている例は多いが、こんなに離れているのは珍しい。

 富永から湯谷峠までの標高差は200m弱である。最初はゆるやかなアプローチで始まり、調子良く距離を稼ぐことができる。道が巻き出すと少し勾配がきつくなって峠道らしくなるが、苦しいところはほとんどない。右手を振り返れば三峰山の八丁平を望むことができる。最後ちょっときつい上りがあって、いつまで続くのかなと思っていたらすぐ峠のトンネルが見えてあっけなく峠に着いた。以前だったらこのくらいの峠でも休んでばかりだったが、今日は一度も休むことなく上ることができた。最近はかなり上りに強くなったみたいだ。

湯谷峠

 湯谷トンネルは出口は見えているが、照明がなく真っ暗なのでライトは必携である。バッテリーライトでは何とも心細いが、ないよりはましである。トンネルを抜けると宮川村となり、観光案内板がある。ここでトンネルの上に上がって昼食をとる。ここに上がるとなかなか眺めが良い。時折り車が通るだけの静かな峠である。

 地図でこれからの道のりを確認して峠を一気に下り始める。スピードが出るのは初めのうちだけで、栗谷の集落に入るとほとんど平坦となり、県道に出るまでかなり長いように感じた。栗谷口では自然に県道31号線に入る。ちなみに右折して宮川ダムに向かう道が国道422号線である。

 ここからは宮川に沿って国道42号線に向かって下るが、実際はかなりアップダウンがあり、しかもやや向かい風のため国道42号線に出るまでずいぶん長く感じた。途中の休憩所では川岸の満開の桜がとてもきれいだったので写真を撮る。

宮川堤の桜

 三瀬谷ダムを右に見てJR紀勢本線を渡るとまもなく国道42号線との交差点に出る。ここは交通量の多い国道を避けて宮川右岸の道を走るのがよい。交差点を右折して国道42号線の橋を渡ってすぐの道を左折する。この道はほとんど交通量のない感じの良い小径で、サイクリングには最適である。川よりかなり高い所を走るため、眺めが良い。道は2車線になったり1車線になったりしながら小さなアップダウンを繰り返し、時には杉林の木漏れ日の中を行く。

 かなり走った頃、打見で突き当たりの三差路となる。左折して七保大橋を渡り、国道42号線を走ってもよいが、右折してここでも右岸の県道を走ることにする。この道も多少アップダウンがあるが、のんびり走れる。国道42号線に出るには野原の集落で左折しなければならないが、標識がないためうっかりすると行き過ぎてしまいそうでややわかりにくい。ここは右側にある農協が目印となる。注意していれば「栃原に至る」と書かれた小さな看板を見つけることができる。

 左折して橋を渡り、ちょっと上れば国道42号線に出る。交差点を右折して国道を500mほど走り、ちょっとでも近道するために栃原の標識のあるところで左の細い道に入り、JR栃原駅前を通って線路を渡る。小さなアップダウンを繰り返し、やがて色太で国道368号線に出て左折する。

 国道368号線をゆるやかに上って行き、小さな峠を越えるとまもなく出発地点の役場に戻る。今日は久しぶりに70km以上走ったが、帰ってきてもほとんど疲れを感じなかった。この分だと何とか100kmは行けそうな気がしてきた。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
74.45km 3:21:32 22.3km/h 52.0km/h 370m
湯谷峠
310m
片雲の風に誘われて