1994.8.16 佐渡夏紀行(1日目)

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自転車

実走日:1994年8月16日(火)
コース:直江津~小木

 今年の夏休みはツーリングに行きたいと思っていた。行き先をいろいろ考えたが、宿泊を伴うツーリングはほとんど経験がなく、近年にない猛暑の中長距離を走れる自信もない。そこで思いついたのが佐渡への旅だった。佐渡はまだ一度も訪れたことのない土地であったし、一周200km程度と自転車で走るには適度な距離である。しかも島内にYH(ユースホステル)が6軒もあって、一日の走行距離を短くすることができる。

 自転車はロードレーサーで荷物が積めないので、極限まで荷物を切り詰めてデイパック一個とした。また盆休みとあって宿が取れない可能性もあるので、あらかじめYHの予約を入れておいた。予定では4泊5日で佐渡を一周することになっている。

 出発の日は朝から雲一つない快晴だ。あらかじめ詰めておいた輪行袋を担いで、京都7時33分発の特急スーパー雷鳥1号で直江津に向かう。富山を過ぎると車内もガラガラになり、直江津には11時42分に到着。この駅には何度か来たことがあるが、意外なほど昔と変わっていない。フェリーの出航時間までまだ2時間以上もあるが、とりあえず駅前で自転車を組み立てる。

 冷房の効いた待合室でしばらく休憩し、12時半頃とりあえず切符を確保するためフェリー乗り場に向かう。駅前の通りをまっすぐ行って、あとは標識に従って行けば迷うことはない。乗船場までは約2kmで自転車なら10分とかからない距離だ。

 フェリーターミナルに着き、航送申込書に記入して窓口で切符を買う。自転車の航送料金込みで2等2990円。出航30分前になってやっと車両積み込みの案内が入る。車両甲板は凹凸が多く、700Cの細いタイヤでは非常に走りにくい。車両甲板の隅に自転車を置いて客室に上がる。2等客室は絨毯席で寝ながら行けるので楽である。今日は乗客も少なく、十分な余裕がある。

 2時間30分の航海で16時30分、ようやく小木港に到着する。車の熱気で余計に暑い車両甲板から早く降りたいが、順番がありなかなか降りられない。5分ほど待ってようやく佐渡への第一歩を印す。初めて訪れる土地への期待感が高まる。すでに日は傾いているが、まだちょっと早いので1kmほど離れた小木の景勝地、矢島・経島を見に行く。しかし結構アップダウンが多く、海岸に出る直前は急な下り坂になっていて、帰りのつらさを考えながら下って行く。

 矢島・経島へは橋を渡って陸伝いに行けるようになっていて、歩いて渡ってみる。この辺は、おそらく何十年も前から変わらないであろうひなびた漁村の雰囲気が残っている。民家に挟まれた狭い道で井戸端会議に花を咲かせる老婆たち。そんな風景が佐渡の第一印象として心に刻まれた。

矢島・経島

 帰りはやっぱりきつかった。ここですでに汗だくになってしまい、明日からの走行が思いやられる。これから小木佐久間荘YHに向かうことにするが、YHの地図が不親切で場所がよくわからない。行ったり来たりしたあげく、やっとYHへの看板を見つけるが、いきなりの急坂だ。だいたいYHというのは坂の上にあるのが常であり、サイクリスト泣かせである。かなり長い急坂を息を切らしながら上り、やっと着いた頃には滝のような汗が流れている。今日はほとんど走っていないのに相当疲れたような気がする。明日からのことがますます不安になる。

 小木佐久間荘YHは民宿風のYHである。受付を済ませ部屋に入るが、冷房がなく汗が止まらない。風通しが悪いので、外にいるよりずっと暑い。あるのは扇風機だけで、今晩は寝苦しい夜になりそうだ。今日の宿泊者は10名程度と少なく、しかも半分は外国人。長旅で疲れているので午後10時前にさっさと布団を敷いて寝る。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
7.67km 0:33:46 13.5km/h 42.0km/h 50m
小木町
50m
片雲の風に誘われて