1996.4.13 美杉村お花見ツーリング

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自転車

実走日:1996年4月13日(土)
コース:伊勢奥津~上多気~下之川~君ヶ野ダム~八知~伊勢奥津

 今年になってからまだ2回しか自転車に乗っていないので、いきなり長距離のツーリングは不安である。それでウォーミングアップとお花見を兼ねて約40kmのツーリングに出かけた。それにしてもこの寒さはいったい何なんだ。桜が咲き、菜の花が咲いて景色はすっかり春なのに、北風がビュービュー吹いて天気は全然春らしくない。伊勢奥津へ向かう途中、名張ではまだ桜はちらほら咲きの状態であった。名張でこんな状態ではお花見はちょっと早すぎたかとも思われた。美杉村に入ると桜はまだつぼみの状態で、やっぱりだめかとあきらめかけていた。しかし行ってみないとわからないので、11時40分伊勢奥津駅を出発した。完全な冬装備での出発である。

 伊勢奥津駅から伊勢本街道に入り、最初に飼坂峠を越える。 この峠は標高差は100m少々なのだが、結構勾配がきつく、しかも一直線に上るのでなかなかつらい。それでもなんとかノンストップで上り切って、トンネルの手前で写真を撮る。飼坂トンネルを抜けると、向こうからMTBで上ってきた4人組がいたのでピースサイン。なぜか一人だけ原付で最後尾を走っている。峠の下りは非常にスピードが出て快適。下り切る手前で伊勢本街道の標識があり、左の細道に入る。ここの雰囲気がすごくいい。ちょうど梅が咲いていたのでその前で写真を撮る。ちょっと下ると古い家並みが残るところがあり、またそこで写真を撮る。ちなみにツーリング写真とは自転車が写っていなければならないのである。自転車の置き方にもこだわり、いろいろアングルを変えて何枚も撮る。こんなことをやっていたらなかなか進まない。やっと県道に出ると常夜燈があり、その前でまた写真を撮る。県道を左折して、少し先にある美杉村ふるさと郷土館前の公園で昼食をとる。しかし風が強くて寒いので、早々に退散する。

上多気付近

 北畠神社を通り過ぎ、比津峠への分岐を左に見てまもなく下多気に到着する。ここまで古い家並みが続き、いい雰囲気なのだが、止まることなく八手俣川沿いの道を突っ走る。少し追い風気味であるが、平均30km/h以上は出ている。快調に走っていると写真を撮るのがめんどくさいのである。八手俣川は河原の白く丸い岩が美しい渓流だ。しばらく人家のない道が続く。途中で工事中のため時間通行止めの看板が目に入ったが、こんなところで遠回りさせられてはたまらないと無視して通過する。だいぶ走ったところでトラックが道をふさいでいて工事をしていたが、自転車はフリーパス。迂回せずに工事箇所を通過できた。再び集落に出て、上村の橋のところでちょっと迷う。実はここは標識がなくて迷いやすく、どうしても直進したくなるのだが、橋を渡って左折するのが正解である。もう少し行った中町の分岐点で商店の店先に「右松阪」と刻まれた古い石標があり、写真を撮って少し休憩する。あとで確かめてみると、ここは清水峠への分岐であった。

 さらにもう少し先の山口には矢頭峠への分岐があり、ここは左の道に入る。この辺から進行方向が変わったせいか、強い向かい風になってきた。しかも君ヶ野ダムが近づくにつれて上り坂が多く、二重苦である。対岸へ渡る道との分岐まで来ると、やっとダム湖が見えてきた。ここの桜を見るのが目的だったのだが、気になっていた桜は五分咲きくらいには咲いており、まずまずの花見が楽しめそうだ。湖畔には桜並木が続き、満開になればさぞかし美しいだろう。ここでフィルムを交換し、桜の写真を撮る。木によってはすでに満開になっているものもある。

君ヶ野ダムのダム湖

 ここからダムの手前までかなり急な上りが続く。ダム手前の休憩所に自転車を置き、また桜の写真を撮りまくる。しかし桜はやはり日が当たっていないと映えない。今日は雲が多くてなかなか日が当たらないので、一瞬の晴れ間を狙ってシャッターを押す。わずか数回のシャッターチャンスのためにかなり待たされた。そこからもう少し行ってまた桜がきれいだったので自転車を止めて写真を撮る。どこでも止められるのが自転車の特権だ。こんなとき車だったら止められずに悔しい思いをすることになる。

君ヶ野ダムの桜

 やっとダムの堰堤に着き、下を見下ろすと満開の桜がきれいだった。大洞山、尼ヶ岳の優美な稜線をバックに桜の写真を撮る。堰堤からはヘアピンカーブの連続で一気に竹原まで下る。ここまで下りてくるともう桜は満開になっていた。わずか数十メートルの標高差でこんなにも違うのだろうか。伊勢竹原駅から名松線に沿った県道に入る。ゆるい上りだが、幸い追い風気味なので快調に進む。なぜか飼坂峠ですれ違った4人組とまたすれ違う。少々交通量が多いが、美杉村の中心地八知を過ぎると交通量もずいぶん少なくなる。八知には美杉村特産の木材市場がある。道は深い山間に入っていき、名松線と並んで上っていく。川沿いにしては結構勾配がきついように思うのだが、それでも線路はずっと同じ高さでついてくる。鉄道としてはかなりの急勾配だ。横を流れる雲出川は美しい渓流である。比津駅を過ぎると再び開けてのどかな田園風景になる。やがて奥津の町並みが見えてきた。再び伊勢本街道に入り、伊勢奥津駅にたどりついた。この駅にはたいてい列車が止まっているのだが、今は珍しく止まっていない。駅前の桜はまだちらほら咲きである。来週もお花見が楽しめそうだ。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
40.83km 2:04:11 19.7km/h 48.3km/h 400m
飼坂トンネル
320m
片雲の風に誘われて