2003.3.23 名張から曽爾・御杖村へ

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自転車

実走日:2003年3月23日(日)
コース:夏見~青蓮寺ダム~太良路~掛~菅野~神末~太郎生~比奈知ダム~夏見

 今日は暖かくなるということで、一日おいてまたリハビリツーリング。このコースは既に何度も走っている定番コースだが、名張市街に便利な駐車場を見つけたためいつもと逆回りで走ってみた。1994年にレポートしているのでわざわざレポートすることもないのだが、当時とは状況がかなり変わってしまっている。そこで最新の状況を伝えるため改めてレポートすることにした。

 駐車場は国道165号「夏見」の交差点から東へ入ってすぐのところにある「名張中央公園」を利用する。ここはグラウンドやテニスコート、プールなどが集合した総合運動公園で、数百台は入れそうな無料の大駐車場がある。よほど大きなイベントでもない限り、十分置ける余裕があるだろう。少し高台なのが難点だが、、市街地に近いので便利なのだ。今までは青蓮寺ダムの小さな駐車場を利用していたが、そこからだとダムまで上ってこなければならないので右回りのコースしか取りづらい。今回は駐車場を変更したことにより、初めて左回りのコースを取ってみた。

 名張中央公園を11:30に出発。県道名張曽爾線を青蓮寺ダムへ向かって上っていく。5%くらいのそれほどきつくない上りだが、ずーっと直線で続く上りはつらい。早くも汗が出てきた。標高差100mを一気に上って青蓮寺ダムに到着。いつも使っていた駐車場には新しいトイレができていてきれいになっていた。青蓮寺ダムを過ぎると弁天橋を渡り、ダム湖に沿って延々と走る。ここが結構長い。ほぼ平坦なためスピードが乗り、約30km/h平均で快調に進む。渓谷が狭くなってきて左に90度曲がる地点に河鹿橋がある。ここからいよいよ香落渓に入る。道の左側には青蓮寺川の清流がずっと寄り添っている。また両岸には柱状節理の切り立った岩肌が続く。何度見ても飽きない風景だ。川の上流に向かうわけだから、わずかながらも少しずつ上っている。といっても20km/h平均で走れるほどのごく緩い勾配である。今まではここを逆にすっ飛ばしていたのであまりゆっくり見たことがなかった。左回りコースなら川に近い側を走れるのでより景色を楽しむことができる。

青蓮寺川

 奈良県との境界近く、東屋のある休憩所で昼食にする。約20分ほど休憩して再出発。そこから間もなく県境を越え、奈良県曽爾村に入る。ここからは奥香落と呼ばれるエリアになる。やがて左手に最大級の露岩である小太郎岩が見えてくる。そして峡谷を抜けるとようやく民家が見えてきて伊賀見の集落に入る。そのままほぼ平坦に太良路の集落へと続き、郵便局のあたりから少し上りとなって小ピークを越え、葛の集落へと下る。嶽見橋のあたりから後ろを振り返れば異様な姿の鎧岳が立ちはだかっている。そして間もなく曽爾村の中心である今井地区に入る。ここから長野地区までは狭い道の両側に古い民家や商店がずっと続いている。曽爾村で一番賑やかな場所だ。といってもコンビニはない。やがて民家が少しまばらになってくると掛の信号で国道369号に合流する。

 ここを左折して御杖方面へ向かう。しばらく行くと採石場があり、御杖村に入る。桃俣を過ぎて土屋原の集落に入る手前で左に旧道が分岐している。「伊勢本街道」の標識が立っている。以前はこの旧道を通っていたのだが、新しいバイパスができているので今回はこちらを通ることにした。完全2車線、歩道まで付いた立派な道路である。旧道をやや下に見ながらじりじりと上っていく。以前来たときはこんなに坂があったようには思わなかったのだが、逆に走ってみると印象が全然違う。旧道は時々平坦、時々上りを繰り返しながら緩急に変化があるのだが、バイパスの方は緩いながらもずーっと一定の勾配で上り続けている。自転車にはこういう一定の勾配が一番つらいのだ。その上景色も単調で何も見るものはない。やがて土屋原トンネルという真新しいトンネルが現れた。銘板によると2002年3月に開通したばかりである。その上には三峰山の霧氷を描いたプレートがある。

昨年開通したばかりの土屋原トンネル

 300m足らずの短いトンネルを抜けると土屋原地区に出る。ここから先は数年前に開通していた部分である。あと1km足らずで左から旧道が合流してくる。最終的に同じ場所に出るわけだからエネルギー的には等価であるが、明らかにバイパスの方がしんどい感じがする。ここは旧街道の趣が残る旧道の方が断然おすすめである。

 広域農道への分岐を左に見て、桜峠への上りにさしかかる。こちら側からの上りは標高差にして約30m、距離も短く大したことはない。少し北側には旧伊勢本街道の桜峠があるが、国道の桜峠は何の変哲もない殺風景なところ。

国道369号桜峠

 峠を越えると少し長い下りが続き、菅野で御杖村役場前に出る。ここで国道を一旦離れ、左折して菅野川に沿った旧道に入る。すぐ中学校と郵便局がある。こちらの旧道は川沿いだからずっとゆるい下り、一方国道の方は牛峠という急な峠を越えなければならない。距離的には少し長くなるが、いつもこちらを通るのがお決まりである。川沿いの集落をいくつか通り過ぎていくと、川合で再び国道に出る。

 ここでも国道には入らずに直進して旧道を進む。やはりわずかながら上りが少ないからだ。前を見ると山頂にたっぷり雪を被った三峰山の姿が飛び込んできた。今頃の時期でもこれだけの雪が残っているのだ。

今なお雪を残す三峰山

 最初の標識を左折すれば佐田峠への上りとなる。この上りが結構長く、桜峠よりしんどかった。いつもは逆に下っているのであまり気づかなかったところである。

佐田峠

 峠から少し下ったところに伊勢本街道の古い石標がある。そこからは大洞山の優美な姿が大きく見える。こちら側の下りは短い。再び国道に出て、信号のある敷津の交差点に至る。

 ここからは国道368号を名張までひたすら下るだけだ。何度も走っているので特に言うことはないが、太郎生の集落内は現在バイパスが開通していて2車線の立派な道路になっている。そこから見る倶留尊山の姿は雄大で素晴らしい。集落内にある酒屋の自販機で缶コーヒーを飲み、ちょっと休憩。時間は午後2時を少し回ったところ。あとは名張まで一気に下ってしまおう。

 太郎生を過ぎると昔ながらの狭い道となる。ところどころ乗用車どうしの離合が困難な場所もある。新しい道を造っている様子も見られない。余談ながら、三重県は奈良県に比べて道路整備が遅れているように思われる。奈良県ではどんな山奥でも新しい道やトンネルが次々と造られ、急速に姿を変えている。サイクルツーリストにとっては実につまらない。それも一時間に数台しか車が通らないような道でさえそうなのである。そんな道を拡幅する意味などあるのか? 願わくばこの道はいつまでもこのままであることを望む。

 さてこのまま名張川に沿ってずっと下って行くわけだが、下りとは言ってもペダルを回さずに進むほどではなく、おまけに向かい風ときている。しかもところどころで短い上り返しがある。これも逆向きに走っているときには気づかなかった。下りにしては結構疲れる。長瀬を過ぎたところで2車線の広い道となり、比奈知ダムのダム湖へと入っていく。ここも意外とアップダウンがあって、赤岩大橋の上まで結構上らされた。ここから先は広大なダム湖を左に眺めながら、随所に休憩所も設けられた快適な道となる。そして上比奈知トンネルに入るが、わずかに上っていてペダルが重い。これも今まで気づかなかった。トンネルを抜ければようやく下り。下比奈知トンネル手前の信号まで下って左折する。富貴ヶ丘の方へだらだらと上っていき、信号のところでどっちへ行くかちょっと考えた。なるべくこの標高を維持したまま名張中央公園へ帰りたいのである。一応地図を見て信号を右折し、一旦国道165号に出て工業団地の方へ入っていく。ところが結局ずいぶん上らされたあげく、駐車場までまたかなり下ったのであった。後で新しい地図を見ると信号のもう一本先を右折するのが近道だったようだ。午後3時過ぎ、名張中央公園に到着。

 結論としてはこのコースは今まで通り右回りにした方が良さそうである。確かに青蓮寺川は見えにくくなるが、一番のハイライトとも言える香落渓を最後にとっておいた方が楽しみも増えるだろう。それに鎧岳が正面に現れたときの感動も大きい。また右回りの方が後半での上り返しが少なく、桜峠を越えてからの下りも長い。というわけで、平均速度としては右回りの方が若干上がると思われる。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
57.91km 2:51:49 20.1km/h 43.8km/h 560m
桜峠
360m
片雲の風に誘われて