2003.5.4 高野山から有田へ~有田川に沿って~

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自転車

実走日:2003年5月4日(日)
コース:高野山~相ノ浦~中南~梁瀬~井谷~清水~二川~川口~松原~金屋~宮原

 高野山から有田川に沿って下る国道480号は前から走りたいと思っていたが、アクセスが遠いのでなかなかチャンスがなかった。しかし輪行を利用すれば十分日帰りできることがわかったので、三連休の中日に早速実行。6:43の桜井線に乗り、橋本で接続の悪い南海高野線に乗り換える。この線に乗るのは初めてだが、すごい急勾配を登る電車にわくわくする。9:49に極楽橋に到着するが、ゴールデンウィークのせいでケーブルは超満員。ドアが狭くて輪行袋を持って乗るのも大変だ。入口のステップの上に何とか輪行袋を置き、体で支えながら辛うじて乗ることができた。5分間我慢して10時ちょうどに高野山駅到着。いきなり標高870mだ。思いっきりズルである。(^^;

 高野山駅の左側の道はバス専用道のため、右側の道を行く。この道は駅で終点だから当然交通量はほとんどない。しばらく上りが続き、弁天岳の西肩でトンネルをくぐる。ここが最高地点930mだ。そこから一気に下ると西から来る国道370号に合流し、高野山大門に出る。先ほどまでとは打って変わって非常に交通量が多い。この先金剛峯寺まで渋滞が続く。道には観光客があふれ、聖地高野山もただの観光地と化していた。金剛峯寺を過ぎたところで国道371号へ右折するはずなのだが、入口がわからず行きすぎてしまったようだ。もう一度引き返してみると、小さな標識があった。反対側からは見えなかったのだ。

高野山大門

 国道371号に入ると先ほどまでの喧噪が嘘のように遠のき、静かな山道となる。しかしかなりの急勾配だ。すぐに短いトンネルをくぐると全くの別世界。わずか数百メートル先にあの騒々しい高野山があるとは信じられない。全く何もない深い谷間を下っていく。道幅は完全一車線しかなく、路面がかなり悪い。途中少し上り返しもあったが、ほとんどペダルを漕ぐことなく相ノ浦に到着。

国道371号高野山~相ノ浦間

 相ノ浦からまた少し下ると、大門から直接下る道と合流する。この道の方が幅が広く、メインの道のようだ。ここを左折して橋を渡る。ここから久木までは約100m上らなければならない。まぁ、あまり下りばかりでも申し訳ないので仕方ないだろう。それほどきつくはないが、ダラダラした上りが長く続く。右手には御殿川が深く切れ込んでいる。ようやく久木に着くと廃校の小さなプールがあった。ここからは少し下った後、ほぼ水平を保ちながら中南の集落に至る。

久木付近より御殿川を見下ろす

 ここから国道480号に合流し、御殿川は有田川と名前を変える。新子付近では杉林が美しい。少しずつ高度を下げながら花園村役場のある梁瀬に着く。そろそろ昼食にしたいところだが、良い場所がないので先を急ぐ。

花園村新子付近

 ほどなくして清水町に入り、押手の集落に着く。ここから山の尾根を乗り越えるため約60m上らなければならない。あらかじめわかっていたが、なかなか辛い上りだ。鬱蒼とした樹林の中を上っていくとはるか眼下に有田川が見える。

清水町押手付近

 押手で山を越えた後は淡々とした道が長く続く。久野原を過ぎたところに道の駅があるが、対岸に渡ってかなり戻らなければならないのでパス。そして間もなく清水町役場に到着する。このあたりはかなり賑やかだ。大きく蛇行する川に沿って北上すると小峠口のバス停があり、さらにその先に小峠バス停がある。もう昼をかなり過ぎてしまったので、バス停の小屋の中で昼食にする。予定の時間よりかなり遅れているようだ。休憩もそこそこに20分ほどで再出発。

清水町井谷付近

 小峠バス停から坂を上っていくと眼下に丸い形をした棚田が現れる。これが有名な蘭島(あらぎじま)の棚田だ。風景写真の題材にもよく登場する場所で、これを見るのがツーリングの目的の一つであった。大きく蛇行する川に沿ってきれいな円弧を描いている。こんな場所に棚田を作った先人の苦労が偲ばれる。カメラマンが2名ほどいたが、車道からは直接見えないので気づかないことが多い。

蘭島の棚田

 棚田を見た後、また少し下って3kmほど行くと川幅が急に広くなってくる。二川ダムのダム湖に入ったからだ。このあたりは小刻みなアップダウンが多くて疲れる。やがて二川ダムの堰堤に着き、坂を一気に下ると二川の集落だ。ここで2本目の500mlポカリを調達。

二川ダム

 ここからもまた淡々とした道が続く。左手を流れる有田川の流れはゆったりとして美しい。すでに標高は100m近くまで下がっており、重力の助けを受けることはできない。しかも向かい風だ。だんだんペースが落ちてくる。

粟生付近の有田川

 やがて金屋町に入り、川口の集落に着く。この先数百メートルのところで国道480号と別れ、左側の町道に入る。この道は5万図では黒線道になっており、果たして通れるのか心配ではあったが、入口は立派な2車線道に改良されていた。

金屋町川口付近

 しかし少し行ったところで2車線道は終わり、軽四輪が通れる程度のコンクリート舗装の狭い道となった。路面状態はかなり悪い。道端には青白いシャガの花が咲き乱れていた。

咲き乱れるシャガ

 かなり走りにくい道だが、樹林に包まれた雰囲気は大変良い。松原に近づく頃には工事中の箇所が現れ、反対側から改良が進んでいるようである。松原で橋を渡って対岸の国道424号に移る。

有田川沿いの町道

 ここから結構アップダウンが多く、疲れる。対岸を見ると先ほどの町道は立派な2車線になってずっと続いている。吉原に出ると山間を抜け、平野部に入っていく。しかし吉備町の中心まで丘陵地帯が続き、アップダウンに悩まされる。有田川を渡り、金屋町の役場前を通って再び国道480号に入る。この道は国道とはいえ道幅が狭く、大変交通量が少ない。いよいよ幅が広くなった有田川に沿って中央大橋、吉備橋、田殿橋と続いていく。このあたりからまともに向かい風でいよいよペースが落ちる。

吉備町出付近

 そして海南湯浅道路の下をくぐると左からJR紀勢本線が近づいてくる。紀伊宮原駅までもう少しだが、向かい風でなかなか進まない。この分だと15:59の電車に乗るのは無理だ。1本遅らせて16:34の電車にしよう。ようやく紀伊宮原駅に着いたときには15:59の電車が出るところだった。

 ゆっくりと輪行の準備をするが、自転車を立てかける場所がなく、場所探しに苦労する。何とか駐輪場のフェンスを利用して立てかけたが、やはり不安定でやりにくかった。16:34の和歌山行き普通電車に乗るともう一つ輪行袋が置いてあった。この後、和歌山・天王寺・奈良で乗り換えて約3時間で天理に到着。長い一日だった。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
85.00km 4:25:17 19.2km/h 44.0km/h 930m
高野山
925m
片雲の風に誘われて