2003.9.15 ツール・ド・愛媛~四国遍路の旅~(1日目)

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自転車

実走日:2003年9月15日(月)
コース:窪川~大正~十川~江川崎~松野~広見~宇和島

 四国遍路第1日目は遍路とは関係なく、ただ走るだけの日。前回は御荘町の40番観自在寺で終わったので、宇和島から再スタートするのが目的である。宇和島は関西からは最も遠い位置にあり、アプローチが結構大変である。最も近いルートは高知までフェリーで行き、窪川まで輪行して四万十川沿いの国道381号を走るルートである。もちろん予土線で宇和島まで輪行してもよいのだが、せっかくここまで来たなら四万十川を走りたいし、遍路の意義からも自力で宇和島までつなげたい。

 6:30に大阪南港からのフェリーで高知港に着き、高知駅まで走る。自転車を畳んで8:19発の「あしずり1号」で輪行し、窪川には9:23到着。まず駅からすぐのところにある37番岩本寺にもう一度お参りし、再開の報告をする。本来ならば前回終わったところにもう一度お参りして再開するのが習わしであるが、コース上やむを得ないので変則的な形となった。コンビニで昼食を仕入れて国道381号を走り始める。

37番岩本寺

 ここからは完全に遍路道からは外れ、純粋なツーリングとなる。窪川から江川崎までは以前走ったことがあるので道はよくわかっている。ほぼ平坦だから非常に速いペースで進む。2車線の広い道を淡々と流して1時間あまりで大正町の道の駅に到着。ここまでの平均速度は22km/hを超えていた。道の駅で昼食にする。残念ながらグレ電はないが、ここから気になっていた明日の宿を早めに予約する。久万高原アタックには不可欠な「民宿来楽苦」がうまく取れた。

国道381号下岡付近

 道の駅を出発してさらに国道381号を快調に走る。ここから江川崎までは川の眺めが一番美しい部分。田野々トンネルを抜けたところからは大きく蛇行する四万十川の青い流れが眺められた。

田野々付近の四万十川

 昭和の手前、都賀付近には屋敷峠と呼ばれる小さな峠があるが、それ以外はほぼ平坦である。屋敷峠付近からは蛇行する四万十川と芽吹手の沈下橋が眺められる。屋敷峠を越えると中州を利用した三島キャンプ場が見えてくる。

屋敷峠から見た四万十川

 土佐昭和駅前は14年ほど前に訪れたときと何ら変わらない佇まい。標識は未だに「国鉄」のまま残っている。そして十川を過ぎると1車線幅の狭い道となる。この状態は江川トンネル手前まで続き、これがあるために車では通行に時間がかかる。しかし木陰の気持ちよい道で、自転車にはこの上なく楽しい道である。ここもいつかは拡幅されて2車線の味気ない道になってしまうのだろうか。

土佐昭和駅付近

 半家からは再び2車線の広い道となるが、やや向かい風になってきた。あと4kmほどでR441との分岐点・江川崎に着く。

江川崎交差点

 江川崎で四万十川は中村方面へ方向を変え、今度は吉野川に沿って国道381号を走る。ここで二つの川が合流するということは、当然ここが一番低いはずなのだ。しかしそれに気付いていなかった。川の流れを見るとさっきまでとは逆になり、上流に向かって進んでいる。ということはわずかながらも上っていることになるのだ。走行距離も50kmを超えており、急に足取りが重くなった。20km/hまでペースが落ちる。それだけではなく、尻が痛い。ロードレーサーに乗っているときは全く問題ないのだが、MR-4Fに乗ると必ず痛くなる。サドルが合っていないとしか思えない。標準で付いていたサドルはすぐ痛くなるのでスペシャライズドのボディージオメトリーに交換したが、これも良くない。人によっては良いそうだが、自分には全く合わないようだ。またサドル交換を考えるしかない。江川崎から5kmほどで愛媛県との県境を通過し、これより松野町となる。さらに数km進んだ吉野付近では川の蛇行部分を越えるため、予期せぬ上り坂が待っていた。そこを越えると間もなく松野町の市街に入り、道の駅に到着する。グレ電があったので、ここでリアルタイム日記を更新する。

これより伊予路

 道の駅を過ぎて広見町出目に出る手前には出目峠という峠があり、かなり苦しめられる。標高的には大したことはないのだが、すでに足が売り切れているため思うように上れない。そしてやっと峠を越えたところにはまた道の駅があるが、そこへは寄らず国道320号に入る。ところがこの道は長い長いダラダラ上り。水分というところまで数km続く。おまけにここへ来て風向きが西風になり、まともに向かい風になった。上り坂に向かい風、まさに二重苦である。いつも最後はなぜこうなるのだろうか。完全に足が売り切れており、まったく回らない。標高差にして100m程度だから大したことはないだろうと思っていたのだが、ここまでの疲労は計算に入っていなかった。どこまでも続くダラダラ坂と強烈な向かい風に痛めつけられ、ペースは一気に6km/hを下回った。もう押したい気分になる。奈良・今在家・成川と標識が出てくるが、1kmが本当に長い。やっとの思いで水分に着いたときにはもうヘロヘロだった。

 水分からはその名の通り川の流れる方向が変わり、下り坂となる。こちらはかなり急な坂だ。ダムまで一気に下っていく。そしてダムを過ぎて少し行くと旧道との分岐がある。バイパスはトンネルが嫌なので、信号を右折して旧道の方へ入っていく。まもなく宇和島の市街地に入り、国道56号に出る。宇和島の市街は城下町特有の構造で複雑に入り組んでおり、国道は何度も曲がってわかりにくい。標識に導かれて宇和島駅に至る。ここへ来るのは久しぶりのような気がするが、駅はずいぶん立派になっていた。そしてここからYHまであと2kmほどあるのだが、場所がよくわからない。以前歩いて訪れたことはあるのだが、山の上にあるということだけで、道筋までは記憶にない。確かこの辺だったと見当をつけながらうろうろしていると、親切な方に声をかけられて道を教えていただいた。ゆるい坂をまっすぐ上っていくと突き当たりにYHの看板があり、左へ曲がる。ここから徒歩専用の道を上っていくが、とても自転車で上る気にはならない激坂なので迷わず押し上げる。もう歩くことすらままならない。標高わずか80mとはいえ、最後の最後で大変な上りだった。YHに着いたときにはもう倒れ込みそうだった。今日の宿泊者は一人だけの寂しい夜だった。ここまで疲労したのは最近走っておらず、近年にない長距離をいきなり走ったためであった。結局この日の疲労が最も大きく、最後まで尾を引いたのだった。

宇和島YH

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
87.37km 4:37:40 18.9km/h 48.5km/h 245m
水分
240m

■ノート

大阪南港には有料駐車場があり、駐車料金は1回1,000円。何日置いても同じ。ただしスペースが少ないので連休中などは満車で入れない可能性がある。実際、今回は到着があと2分遅かったら入れないところだった。万一満車だったら旅そのものをあきらめざるを得ないので、電車で行った方が確実。

大阪南港へ電車で行く場合、ニュートラムのフェリーターミナル駅とフェリーまで連絡通路で直結されている。高知行きのフェリーまでは数百メートル歩かなければならないので少々辛いが、輪行袋のまま船室へ持ち込めば自転車料金が不要になる。

大阪高知特急フェリーは大阪~高知間・二等5,000円。自転車900円。
高知港から高知駅までは自転車で15~20分かかる。

高知~窪川間はJR運賃1,410円、自由席特急料金1,150円。

宇和島YHは1泊2食税込5,040円(YH会員の場合)。

片雲の風に誘われて