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2004.3.27 度会山地横断~藤越と鴻坂峠~

投稿日:2004 年 3 月 27 日 更新日:

実走日:2004年3月27日(土)
コース:多気~栃原~野添~木屋~藤越~南中村~鴻坂峠~斎田~五ヶ所浦~迫間~穴川

 宮川の南側に広がる度会山地と呼ばれる山域には数々の魅力的な峠が控えている。いずれも標高こそ低いが海抜0mから立ち上がるため結構急峻な峠が多い。その中で県道度会大宮線にある藤越と呼ばれる峠へ行ってみたいと思い、七保峠と合わせて周回するコースを計画した。折しも3月28日にleonarhodoさんのサイトで「伊勢うどん赤福ツアー」が企画され、それに合流するため前日に現地入りして単独で藤越を走ってみることにした。天気予報は土日とも快晴、文句なしの日和である。

 天理発8:22のJRで桜井まで行き、タイミング良く8:54の宇治山田行き急行に乗り換えて松阪には10:13に到着。本来ならば10:40の三瀬谷行きに乗り換えて川添駅で降りる予定だったのだが、この列車は平日のみ運転の臨時列車であることを見落としていた。紀勢本線の普通列車は極端に本数が少なく、次は何と13時台までない。それで仕方なく10:35の鳥羽行き快速に乗って多気で降りることになった。少々遅れて10:45頃多気駅に到着。この計画ミスのおかげで約17km余分に走る羽目になったのだが、これが後々響いてくるとはこのとき知る由もなかった。

 自転車を組み立てて11時過ぎに多気駅を出発。駅前の県道を直進し、佐奈川に突き当たったところで左折、五佐奈を経て四神田で県道13号に合流する。ここを右折して旧道の方を直進すると国道42号に出て、その先になおも旧道が続いている。この旧道を行けば伊勢自動車道の手前まで国道を走らずに済む。ゆるやかな上りでのんびりしたいい道である。ところがこのあたりから既に左膝に異常を感じ始めていた。今月10日の四国歩き遍路で膝を痛め、それが14日の広橋梅林ツーリングでぶり返してひどい目に遭った。しばらく自粛していたが、一週間後には痛みが消え、それからさらに一週間経っているからもう大丈夫だろうと思っていたのだ。しかし膝は後を引くもので、表面上治ったように見えてもまだ完治してなかったのだ。今のところ痛みはわずかなものだが、このまま行くと間違いなくひどくなってくるだろう。広橋梅林で痛い目に遭ったので、できるだけ足に負担をかけないよう軽いギヤでだましだまし走ることを心がける。何とかこのままもってくれるといいのだが・・。勢和多気ICの手前で自然に国道に合流し、ゆるい下りに入る。栃原駅を過ぎて新田の交差点を左折し、すぐまた右折する。ゆるい坂を上っていけば宮川を渡って野原で県道38号に合流する。その手前に野原公園というのがあって、ちょうど12時だったので東屋の下で昼食にする。

 心なしか膝の痛みが増しているようだが、今のところ走りに支障を来すほどではない。12:20頃、野原公園を出発し、県道38号を野添へ向かう。やはり左足をかばっているため右足中心のペダリングになってしまう。向かい風が少々つらい。打見で七保大橋への道を右に見て直進し、藤川沿いの県道38号をゆるやかに上っていく。のんびりしたいい風景である。藤の集落は七洞岳の登山口になっていて駐車場がある。ここまで来ると七洞岳の姿が川越しに望めるようになる。藤川の美しい渓谷を眺めながらさらにさかのぼっていくと、最後の集落となる木屋に到着する。

藤川と七洞岳

 ここから県道38号と別れて県道151号に入る。一かたまりの民家がある木屋を過ぎるとすぐ山の中の細道となる。ここは旧林道だったところだから、そんな雰囲気が残っている。舗装はされているものの、轍に落ち葉が降り積もり、いい感じになっている。交通量は全くなく、静寂に包まれている。しかし、ここへ来ていよいよ膝の痛みが増してきた。これは広橋梅林の再現ではないかと嫌な予感がよぎる。しかし、ここまで来たらもう行くしかないのだ。引き返しても紀勢本線などいつ来るかわからない。初めのうちはゆるやかな上りで何とか乗って行けたが、大きなヘアピンにさしかかるところからとうとうあきらめて押しが入る。普通なら乗って上れないような坂ではないだろうが、左足に全く力が入らなくなっているのですぐ失速してしまう。これでは歩いているのと大差ない。観念して急なところは押し、少しゆるくなったら乗ることを繰り返してゆっくりと上っていく。

藤越の上り

 距離にして大したことはないのだが、最後の1kmほどは本当に長く感じられた。峠の手前は結構な急坂で、もう乗る気力も失せてずっと押しっぱなしであった。やっとたどり着いた藤越は切り通し状になっており、展望はない。時間はすでに2時を回っているのに距離はまだ半分も来ていない。大幅な予定オーバーだ。しかし6時までに着けばよいのであとは無理せずゆっくり行くことにしよう。

藤越

 少し休憩した後、藤越を後にする。最初は急な下りなのでスピードが出せず慎重に下る。やっとゆるくなってきたところからは一之瀬川沿いの快適な下りとなり、ペースを上げていく。こちら側の道もすごく雰囲気がよい。やがて川上で久しぶりに集落に出て、南中村で県道22号に合流する。下りとはいえ、ここまで結構長かった。

 県道22号は2車線でそこそこ交通量がある。それにしても強い向かい風には閉口させられる。わずかの距離なのにやたらと長く感じられる。脇出で小学校のある角を右折して鴻坂峠への県道721号に入る。和井野の集落を抜けると大型車通行不可の標識があり、すぐ道が狭くなる。やはり藤越と同じような雰囲気の寂れた道である。こちらの方が勾配はゆるやかで、しばらくは乗ったまま行ける。心なしか膝の痛みが和らいだようなので調子よく上っていく。しかし道が大きく右へ折り返す地点の手前からははるか頭上にガードレールが見え、戦意喪失。また押しと乗車を繰り返しながら上る。折り返してからは一気に展望が開け、眼下に先ほど通った脇出あたりの集落が見える。大した標高差ではないのにこうやって見るとずいぶん上っているように見える。ここからもう少しで峠なのだが、また結構きつい坂となって押しが始まる。やっとたどり着いた鴻坂峠は薄暗く、展望はない。古びた開通記念碑だけが建っていた。

鴻坂峠

 時間はもう3時を回っている。この調子では6時までに着けるだろうか。これで山場は越えたが、海岸線に出るとまたアップダウンが待っているので心配だ。休憩もそこそこに下り始める。南勢町側の下りは結構長く、標高差250mにおよぶ。川沿いに出るまでは急カーブが多くて気を抜けない。ようやく川沿いに出た頃、はるか上にガードレールが見えて、あそこから下ってきたのかと思う。標高が低い割にはすごい高度感だ。斎田の集落を抜けると国道260号に出て左折する。

鴻坂峠の下り

 国道をしばらく行くと内瀬で五ヶ所湾に出る。ここに東屋の休憩所があったので少し休んでいく。しかし一時は持ち直したかに見えた膝がいよいよ悪化してきたようだ。もう階段の上り下りができなくなってきている。これはまずい。まだ先は長いがここまで来たらもう行くしか方法はない。風光明媚な五ヶ所湾を写真に撮りたかったが、もうそんな余裕もなくなってきた。よって以後の写真はない。早速アップダウンが始まった。標高差30mほどのものであるが、これが結構こたえる。もはや上りでは5km/hほどしか出ない。岬を一つ越えて船越、もう一つ越えて五ヶ所浦に着く。ここが南勢町の中心で、かなり賑やかである。交通量も多い。そこからまた岬を二つ越えてやっと神津佐で県道16号との分岐に出る。

 ここまで来れば磯部までもう少しだが、町の境界に標高差50mの峠が控えている。普通なら何でもないようなゆるい坂だが、これがものすごく大変だった。最後の数百mは少し急になっていて、インナーローまで落とし5km/h以下の超スロー走行。右足だけのペダリングももう限界だ。全く力が入らない。果てしなく長い数百mであった。峠を越えて磯部町に入るとしばらくは下りだが、ところどころアップダウンがあってまた苦しめられる。バイパスを越えて木場で国道167号に出る。あとはYHのある穴川まで国道を走るだけだが、交通量が多く道幅が狭い。ここまで来ると平地でも10km/h前後しか出ない。もうヘロヘロで今にも倒れそうである。やっと穴川まで来て県道61号に入るとすぐ穴川駅前を通過、伊勢志摩YHの看板が見えてきたが、よりによってYHはとんでもない山の上にある。もう乗って上れるはずもなく、最初から押して歩く。最後の最後まで苦しめてくれた。やっとYHにたどり着いたのは17:45頃。眼下には伊雑ノ浦と対岸にスペイン村が見えていた。

 予定では明日伊勢道路を経由して内宮に入りオフ隊と合流する予定であったが、この状態では山越えなど到底考えられない。明日も走ることは無理だろうから合流はあきらめて直行で帰るしかないと思われた。しかしこのまま帰るのはあまりにも悔しすぎる。その執念が通じてか、翌日は膝の痛みが少し和らぎ、平地なら何とか乗れるまでに回復していた。そこで山越えを回避して穴川駅から五十鈴川駅まで近鉄で輪行するという裏技に出た。これもMR-4だからこそできる技である。そして内宮のおかげ横町で一行と合流し、無事松阪まで走り切ることができた。しかし膝は完治するまでいつ再発するかわからないので自転車は当分自粛だ。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
73.43km 5:03:32 14.5km/h 41.5km/h 385m
藤越
385m

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