2004.9.2 能登半島ツーリング(1日目)

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自転車

実走日:2004年9月2日(木)
コース:羽咋駅~高浜~福浦~厳門~里本江(泊)

 この夏はまだ泊まりのツーリングに出かけていなかったのでどこか行きたいと思っていたが、8月後半は天気が悪く結局出られなかった。行き先は一応能登半島と決めた上で週間予報と睨めっこの毎日が続く。9月に入って久しぶりに晴れマークが続いたので2日前に出発を決め、富来町のサイクリングターミナルを予約する。ところが翌日になってみると天気予報は一転し、明日は曇りで朝のうち雨が残るとのこと。まったくあてにならない最近の天気予報、見事に騙されてしまった。しかし宿は予約したし、切符も買ってしまったので行くしかない。悪いことに日曜日は雨マークまで出ている。この分だと3泊すると帰りに雨に降られそうなので、1泊短縮して2泊3日の予定で行くことになった。

 当日の朝は小雨模様、止みそうで止まない。前日の予報では曇りのち晴れになっていたが、今朝見てみると曇り、昼過ぎまで雨に変わっているではないか。ええ加減にせい! 結局出発時刻になっても雨は止まず、小雨の中を駅まで走ることになった。波乱の幕開けである。とはいうものの駅まではものの3分もかからず、しかも輪行作業は屋根の下で行えるので特に問題はなかった。天理7:43発の近鉄に乗ったらすでに通勤通学客でいっぱい。京都行き急行は超混雑が予想されるので500円奮発して西大寺から特急に乗る。京都から9:08発のサンダーバード7号和倉温泉行きに乗るが、指定席が取れなかったので自由席の空いているところに座る。しかしこの車両は輪行袋を置く場所に苦労させられる。車両一番後ろの席はちょうど運転席の後ろにあたり、スペースが狭くて入らないのだ。デッキに置こうとしてもドア横の出っ張りが邪魔になって通路にはみ出してしまう。結局デッキに置くことになったが、車内販売の邪魔にならないか気がかりだった。羽咋まではわずか2時間半、しかも乗り換えなしだから便利なものだ。11:44に羽咋に到着。こちらは雨は上がり、薄日が射してきている。自転車を組み立ててまず食事処を探すが、駅前にはコンビニの一軒すらない。意外と駅前は閑散としているので、国道まで出てみるとやっとお好み焼き屋が見つかった。そこで豚玉定食を注文し、その間にザウルスでブログに書き込みを入れる。

 本格的に出発したのは12:50となり、羽咋駅のすぐ裏側から羽咋健民自転車道に入る。自転車道と言えば街から遠く離れているところが多いが、ここは何と駅の真裏からスタートするのだ。そのおかげで一般道を全く走ることなく市街地を抜けられる。これが自転車道のあるべき姿ではないだろうか。能登有料道路と交差すると一般道との並走区間となり、道が右側に移って滝港からは単独の自転車道となる。今日は西風がかなり強く、滝港に向かっては強い向かい風となった。

羽咋健民自転車道・滝崎付近

 そして滝崎を回り込むとやっと向かい風から解放され、やや追い風気味の横風に変わる。このあたり海を間近に見ながら快適に走れる区間だ。ただ難点を一つだけ挙げれば、松原の中を走る部分では松の葉や実が大量に積もっており、非常に走りにくい。ロードでは松の実を踏んでパンクしないかが心配だ。柴垣、大島と集落を通過していくと間もなく高浜で県道志賀富来線に出る。

 自転車道はこの先内陸の国道249号と並行して走っているが、海岸線を走りたかったのでここで自転車道と別れて県道志賀富来線に入る。川尻できれいなバス停小屋を見つけて入り、ザウルスでメールチェック。ここを過ぎればH”圏外なので今日はもう通信できない。ここから先はできるだけ海沿いの旧道を選んで走る。こちらの方が起伏も少なくて走りやすい。川尻から上野までは旧道経由、その後いったん新道に戻って百浦から赤住までまた旧道を走る。再び新道に合流してすぐのところに志賀原子力発電所がある。いかにも物々しい建物だ。発電所を過ぎると富来町に入り、間もなく福浦の集落に着く。このあたり地図に載っていない新しい道ができていて少し迷ってしまった。ここは新道ではなく、福浦港を経由する旧道を走る。福浦港は小さな入り江になっていて天然の良港である。いっぱいランプのついたイカ釣り漁船が停泊していた。後で知ったことだが、ここに日本最古の木造灯台があったらしい。情報不足で見逃してしまった。

福浦港

 福浦港から短いトンネルを抜け谷筋に入ると本日唯一の上りとなる。ここから鷹ノ巣岩の展望所手前まで60mほどの上りだ。上りきったところで立派な県道バイパスと交差し、道を渡ったところに鷹ノ巣岩の展望所がある。鷹ノ巣岩は海面から直立する巨大な一枚岩で、頂上には鷹が巣を作っていたのでこの名があると言われている。ここで写真など撮りながらしばし休憩。

能登金剛・鷹ノ巣岩

 次は旧県道を少し下って厳門へ向かう。途中で厳門洞窟を上から見下ろせる場所がある。厳門は能登へ来た観光客が必ず一度は立ち寄るところであり、観光バスの入れる大きな駐車場や土産物屋が建ち並ぶれっきとした観光地だ。休日なら観光客でごった返すところだろうが、今日は車もまばらで観光客は少ない。駐車場の片隅に自転車を置いて遊歩道を下っていく。厳門洞窟は貫通していて上から中に入ることができる。海面まで下ると大きな口が海に向かって開いている。波の力とは凄いものだ。ここから外の海岸へ出ることもできるが、今日は非常に波が高く、遊歩道が浸水しており、うっかりすると波をかぶってしまうのでやめておいた。それにしても今日は風が強い。遊歩道の橋に立っていると帽子を飛ばされそうである。これが向かい風だったらと思うとぞっとする。

厳門洞窟より

 帰りは上り返すのがなかなか大変だ。駐車場から急坂を押し上げて県道に戻る。羽咋健民自転車道も山を越えてここへ合流してきている。ここからは随所に展望所が設けられており、能登金剛の美しい眺めを楽しめる。道はほぼ水平を保ちながら海岸線を走り、生神でやや下って国道249号に合流する。そこから長いトンネルに入るが、これは失敗だった。海側の旧道を行けば能登二見や機具岩などの絶景が楽しめる。結局トンネルを抜けたところで少し戻って能登二見を鑑賞した。下部が貫通した大きな岩ともう一つ小さめの岩が注連縄で結ばれ、夫婦岩をなしている。近すぎて35mmレンズでは収まらない。

能登二見

 七海の集落を過ぎて少し海岸線を上ると縄文真脇の遺跡を模したモニュメントのある公園に着く。自動販売機もあり、4時前でまだ時間が早いのでしばらく休憩していく。ここへ来てようやく雲が切れ、太陽が顔をのぞかせた。夕日に輝く海を眺めながら富来町の中心へラストスパート。町に入ると広い道の駅があり、「魚のいない水族館」というわけのわからない施設がある。増穂浦に沿ってまっすぐに走っていくと、Y字型に分岐する交差点があり、その右角に富来町サイクリングターミナルがある。16時半頃にチェックインする。サイクリングターミナルとは競輪の補助金を受けて市町村などが運営する公共の施設。たいていは自転車道の近くにあって貸自転車を用意している。しかし実際にサイクリングで利用する人がどれほどいるのだろうか。自分もツーリングでサイクリングターミナルを利用するのは初めてだ。ここは主要な観光地から近く、国道と県道の分岐点という絶好のロケーションにある。空いていれば利用しない手はないだろう。今日は平日とあって宿泊客は3人だけ。もちろんYHと違って個室である。値段の割には良い施設で食事もおいしい。当然ながら今日の疲労感はほとんどない。こんな距離で疲れてたら先が思いやられる。今夜は満天の星空。明日はいい天気になりそうだ。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
37.33km 2.00.16 18.6km/h 45.5km/h 60m
厳門付近
60m

■ノート

京都~羽咋間はJR運賃4,620円、自由席特急料金2,310円。

羽咋健民自転車道へは羽咋駅出口から地下通路を通って裏側へ回る。

富来町サイクリングターミナルは1泊2食付税込6,825円。

片雲の風に誘われて