時短対策はデジタルツールの放棄が鍵

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自転車自転車趣味

昔のツーリングレポートをせっせとアップしていて気付いたんですけど、昔は70~80kmくらい普通に走ってたんですよね。それより短いと物足りないと思ってました。たまには100km超えもやりました。ところが最近は50~60kmがせいぜいになり、70kmを超えるとロングライドと言われるようになります(笑)。

なぜ距離がどんどん短くなっていくのかと言いますと、もちろん体力低下もありますが(笑)、一番大きいのは所要時間の飛躍的な増加が原因です。つまり一回のライドに要する時間が長くなってしまったため、時間的に長距離を走ることが困難になってしまったからです。特に今頃のように日の短い時期だとなおさらです。

平均速度にはネットとグロスがある

よくネットとグロスという言い方をしますよね。これはもともと経済用語らしいですが、自転車の平均速度に当てはめますとネットとはサイコンなどで計測される停止時間を除いた正味の平均速度であるのに対し、グロスとは停止時間も含めたトータルの平均速度を意味します。つまりグロスの平均速度とは単純に走行距離をトータルの所要時間で割ったものとなります。

純粋に走力を評価する上ではネットの平均速度を用いるのが適当ですが、ライドの計画を立てる上では一日の行動時間を把握するためにグロスの平均速度で考える必要が出てきます。ネットの平均速度が20km/hだからと言って100kmを5時間で走れるかといえば、そんなことは絶対にありません。もちろんレースのように止まることがほとんどない場合は基本的にネットとグロスはイコールとなります。しかしツーリングを含め、普段のライドでは信号待ちはもちろん休憩や補給で止まらないわけにはいかないので、一般的にはグロスはネットより低くなります。

平均速度の変遷

自分の場合、過去のデータを分析するとネットの平均速度は20代から30代前半の頃はコンスタントに20km/hを超えてました。それが今はどうかと言うと、良くて18km/h台、普通は16~17km/h台がほとんどです。20km/hなんて相当無理しないと出せない気がします。つまりこれは純粋に体力の衰えを表していると見ることができます(笑)。同じ年代でもトレーニングを積んでいる人なら25km/h以上は普通に出せると思いますが、ネットの平均速度を上げるにはパワーを上げる必要があり、相応のトレーニングを必要とします。ですからネットの平均速度を大きく改善するということは一朝一夕には困難なのですね。

一方でグロスの平均速度を見積もりますと、20代から30代前半の頃は18km/hは普通にありました。ですから80kmのライドなら約4時間半で行って帰れるという予測ができたのですね。ところが今はあらゆるデータを分析しても10km/h台が普通です。時には10km/hを下回ることすらあります。つまり50kmのライドならしっかり5時間はかかってしまいます。現地への移動時間も含めますと、今のように日が短い時期だと行動時間としては5時間しか取れなくなり、距離としては50kmが限界になってしまうのです。

ネットの平均速度は純粋に体力の衰えを表しているとしても、それはせいぜい3km/h程度です。したがって今でもグロスの平均速度としては15km/hを維持できていなければおかしいのですね。なぜこれほどまでにネットとグロスの差が開いてしまうのか?

諸悪の根源はデジカメとスマホ!

それは言うまでもなく停止時間が飛躍的に増えたことにあります。勘の良い方はもうお気づきでしょうが、一番大きな元凶はデジカメとスマホです。自分が20代の頃にはスマホはもちろんデジカメもありませんでした。その頃から写真が趣味だったのでツーリングには必ずカメラを持って行きましたが、今みたいに大量の写真は撮りませんでした。その頃は重たい一眼レフをバックパックに入れて担いでましたが、フィルムですから撮るか撮らないか迷ったらまず撮りません。撮ったとしても1枚で終わりです。しかも背中に担いでるとカメラを出すのが面倒ですから、よほどの景色でない限り止まりません。だからカメラを持ってても写真なんて数枚撮る程度で、補給以外ではほとんど止まることがなかったんですね。ところがデジカメ時代になってから劇的に変わりました。デジカメだと撮るか撮らないか迷ったら必ず撮ります。しかも1枚では終わらず何枚も。取り出しやすい場所にカメラを忍ばせているので、それこそ10メートル進むたびに撮ったりします。これじゃいくら時間があっても足りません。

でもデジカメだけならまだ良かったんですよ。それに輪をかけて時間を食うようになったのがスマホです。スマホは時間泥棒とはよく言ったものですね。スマホを触ってるといくらでも時間を奪われます。特にいけないのがSNS。自分はTwitter中毒なので(笑)、ちょっと走っては写真を撮って今いる場所をツイートしたりします。そしてタイムラインをチェックしたり、レスにリプライしたり、それだけでどんどん時間を奪われます。しかもSNSにアップするためにはスマホで写真を撮らなければなりませんが、スマホの画質には満足できないのでデジカメでもう一度撮ることになります。同じ写真を二度撮る、この手間が大変なのです。最近のデジカメはWiFiでスマホに転送することもできますから、デジカメだけで撮れば良さそうなものですが、転送する方が手間なので結局二度撮った方が早いのです。SNSなんてものができたばっかりに、とんでもなく時間を食われることになったのですね。これで1時間に10キロしか進まない理由がおわかりになったでしょう。

時短への提案

グロスの平均速度を大きく下げている原因はデジカメとスマホであることがはっきりしました。ならばこの二つを持たないことが最大の解決策であることは言うまでもありません(笑)。しかしこれがないとモチベーションが大きく下がることも否定できません。今の時代、デジタルツールなしのライドって考えられないでしょ? サイコンやGPSもデジタルツールですからね・・。ならば、なるべくモチベーションを落とさずに時短を実現する方法について考えてみました。

デジカメを持たない

デジカメは持たず、スマホで代用するという案です。もちろんほとんどの人にとってはスマホで十分なので初めからデジカメなど持たない人が多いでしょう。しかし写真が趣味だとスマホの劣悪な画質に満足できるわけがない。これが悲しい性なのです。だからスマホで撮った後にもう一度デジカメで撮らなければなりません。写真を撮る時間が2倍になってしまいます。

しかし、あえてデジカメを持たないという選択もありだと思います。少なくとも普段走り慣れているコースなら画質にこだわる必要もないので、デジカメは持たなくていいでしょう。そうすれば写真を撮るのは一度で済みます。しかも軽量化になります。いつも使っているカメラを量ってみますと、375gの軽量化になることがわかりました(笑)。これってものすごく大きいですよね。100グラム1万円の法則に当てはめると37,500円の節約効果ですよ(笑)。それで軽量ホイールでも買えますね(爆)。

あえて一眼レフを背負う

昔やっていたように、コンデジではなく一眼レフをバックパックで背負うスタイルに戻すのです。そうすればいちいち止まってカメラを取り出すのがめんどくさくなるので、確実に写真を撮る回数が減ります。これなら写真を撮りたい欲求も満たせるし、時短にもつながります。しかも荷物の収納場所の問題も一気に解決。バックパックを背負うのは意外と合理的なんですよ。一石二鳥ですね。難点は夏の蒸れかなぁ・・

SNSにアップする回数を減らす

理想を言えばスマホを持たないのが一番です。何と言っても最大の時間泥棒ですからね。でもスマホは気象状況のチェックや地図を見るのに欠かせないので、今どきスマホなしのライドは考えられませんね。そこでなるべくスマホに時間を奪われない方法を考えましょう。

一番時間を食っているのは何と言ってもTwitterです(笑)。でもこれをなくしちゃうとモチベーションが大きく低下するんですよね。要は現在地報告代わりにパシャパシャ写真を撮ってアップしているから悪いんですよね。それをやめて、写真はある程度溜めておいて、休憩したついでとかに一気にまとめてアップというのはどうでしょう? 電波状況が悪いとそうせざるを得ないこともありますが、リアルタイム性にこだわらなければそんな方法でも十分だと思いますね。一日に2~3回のツイートに絞れればそんなに時間を食われることもないと思いますよ。

スマートウォッチを活用する

最近スマートウォッチを買いましたが、通知機能を使うといちいちスマホを出さずにメールの着信やTwitterのリプライなども手元で確認することができます。今までメールの着信音が鳴ると止まって確認してましたが、しょーもない営業メールだったりすると腹立つんですよね(笑)。通知機能を使えば、そんなしょーもないメールはスルーできるので止まらずに済みます。ただスマートウォッチもデジタルツールなので、それ自体が時間を食う可能性もなきにしもあらずですね(笑)。

目標はグロス15km/h!

要はデジカメで写真を撮る時間とスマホをいじっている時間さえ削れればグロスの平均速度は大幅に向上できます。もちろんそれらがなかった時代のようには行きませんが、必要最低限に抑えることで無駄な時間を削ることはある程度可能でしょう。そこで目標をどこに置くか?ですが、ここではグロス15km/hというのを一つの目安にしたいと思います。これは体力低下を考慮しても実現可能な数字と思われます。ネットが18km/hとすれば、そこから3km/hマイナスで15km/hというわけです。無駄な時間を徹底的に削ればそのくらいはいけるでしょう。これはちょうどブルベの制限時間にほぼ等しい数字なのですね。200km走ってグロス15km/hというのは、よほど時間管理を厳しくしないと難しいと思いますが、100kmで15km/hならそれほど難しい数字ではないでしょう。

ただ、これも一度やってみたんですが、15km/hは到底達成できず、14km/hにも届きませんでした。自分ではかなり急いでいるつもりなんですが、やはりスマホが邪魔をしているのですね。15km/hを叩き出すにはスマホに一切触らないくらいの覚悟が必要です。そしてネットの平均速度をあと1km/h引き上げて19km/h台に乗せる必要もありそうです。ということで、ある程度のトレーニングも必要です。

でも何の目標もなくだらだら走ってるよりは、明確な目標を持った方がマンネリ脱却という意味でははるかに良いのですね。今の状況では15km/hもかなり高い目標ですが、決して不可能な数字ではありません。削れる余地はまだまだあるのですから、無理に速く走らなくても達成可能なはずです。15km/hが達成できれば90kmを6時間で走れるわけですから、ロングライドへの道も見えてきます。そこから先はネットの平均速度を上げるしかありません。そうやって一つの目標を達成したらさらに高い目標に向かって挑戦を続けていくことで成長があるのですね。目標なきサイクリングはただのマンネリに過ぎません。

ああ、デジカメもスマホもなかった時代に戻りたいよ・・(笑)

片雲の風に誘われて