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リアルタイムでパワーを計測する簡易的な方法

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パワーメーターというのは非常に高価なものです。ガチで乗ってる人は当然持ってたりするのでしょうが、エントリーロードバイクが買えるほどの値段がしますので、ただのヘタレが持つのは贅沢すぎます。そこで以前、ヒルクライムに限ってはパワーメーターがなくても簡易的に平均パワーを計測する方法について紹介しました。

ただ、この方法ではスタートからゴールまでの平均パワーしかわかりません。パワーというのはペダリングの力加減で時々刻々と変化しているわけですが、そこまでは知ることはできません。一応GPSでログを取っておけば後からパワーを時系列で解析することは可能ですが、その場でパワーを確認することは不可能です。

しかしヒルクライムの練習中にはその場でパワーを計測したいわけですから、やっぱりパワーメーターがないとダメかということになりますね。ところが偶然にもGPSを利用してパワーをリアルタイムで計測する方法を発見してしまったのです(笑)。といっても別に画期的な方法でも何でもありません。上の記事で紹介した方法をちょっと応用しただけです。非常に単純な話なんですが、何で今まで気づかなかったのか?ということですね(笑)。

この方法はヒルクライム限定なので、平地では使えません。でもほとんどのロード乗りが持っているであろう?GarminのGPSを利用してできますので、自分が今どのくらいのパワーを出しているのかリアルタイムで確認できるのは結構面白いんじゃないでしょうか?

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もう一度、前の記事をおさらいしておきますと、2点間の標高差h(m)がわかっているとき、自転車と体重を合わせた全重量をm(kg)、重力加速度をg(m/s2)、かかった時間をt(秒)とすると、2点間の平均パワーPは次の式で求められます。

ここで0.95で割る理由は駆動系の伝達損失を5%とするためです。正確にはわかりませんが、おおよそそのくらいだろうと仮定しています。どんな機械であろうと伝達損失がゼロということはあり得ません。また重力加速度はg=9.81m/s2です。

この式をよく眺めますと、パワーというのはh/t、すなわち上昇速度に比例していることがわかります。要するに1秒間に何メートル上るかという垂直方向の速さです。

したがって、この上昇速度がわかればリアルタイムでパワーを計測することが可能になるわけです。実はGarminのほとんどの機種では、この上昇速度を表示させることができます。通常は表示されていないかもしれませんが、設定で表示させるようにすることができます。

eTrex 30xの場合は赤で囲ったVertical Speedがそれになります。日本語版の場合は「上昇速度」となっていると思います。この値がプラスなら上り、マイナスなら下りを表します。また端末上での単位はm/分となります。すなわち1分あたり何メートル上ったかを表します。

この値を常時表示させておけば、上の式を使ってリアルタイムでパワーを求めることができます。といっても瞬時に計算できる超人?はいないでしょうから、あらかじめ換算表を作っておくと便利だと思います。

例として、自分の場合で計算してみましょう。まず自転車と体重を合わせた全重量は68kgとします。これはいつもの装備で自転車を持って体重計に乗るのが最も正確に測定できます。

たとえば上昇速度が10m/分だったとします。そのときのパワーは次のようにして求められます。

P=68kg×9.81m/s2×10m/分/0.95=68kg×9.81m/s2×10m/60秒/0.95=117W

となります。ここで上昇速度の単位をm/秒に合わせるため、60で割ることに注意して下さい。他の方が使うには、全重量だけを自分のものに置き換えて下さい。

ヒルクライム中に上昇速度を眺めていると、だいたい5~15m/分くらいを示していましたので、最大で175Wくらい出していたのかなということがわかりました。自分のFTPは140Wくらいであることがわかっていますので、かなり限界に近いところで走ってるんだなということもわかります。

もちろんトレーニングを積んで力が付いてくれば上昇速度も速くなり、パワーが上がったことが実感できます。それをパワーメーターなしでリアルタイムで計測できるなんて素晴らしいと思いませんか? 自分の場合、パワー200Wを達成するには上昇速度17.1m/分を出さなければならないことがわかりました。これはかなりキツいと思いますね。

単純な比例計算ですから、パワー10Wごとに換算表を作っておけば瞬時に計算できるでしょう。慣れてくれば上昇速度を見ただけでパワーに換算できるはずです。

ヒルクライムでは空気抵抗の影響をほぼ無視できますので、こんな簡易的な方法でもパワーメーターの計測値にかなり近い数字が出るはずです。この方法で一つだけ注意しなければならないのは、GPSは必ず気圧高度計を内蔵したタイプを使う必要があるということです。GPS計測の場合は高度自体が激しく暴れるため、上昇速度は全く当てになりません。また上昇速度は多少タイムラグがありますので、必ずしもペダリングに追従するわけではありません。若干遅れると思って下さい。

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