旅自転車としてのミニベロを考える

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ミニベロ自転車

3年前ロードバイク引退した時はIDIOM一台で行くはずだったんですが、なぜかその後ロードバイクを再購入してIDIOMはお買い物専用みたいになってました(笑)。ミニベロばかり乗ってると気付かないんですが、両方乗ってるとやっぱりロードバイクの方が速いし、乗り心地が良いってことがはっきりわかるんですよね。それでロードバイクしか乗らなくなっちゃったんです。

でもそれまでは主に旅自転車としてミニベロを積んで行ってたし、最長60kmは走ったことあるし、普通にヒルクライムもできてました。スピードを求めなければミニベロは旅自転車として十分に役割を果たしていたんですよね。それどころか旅自転車としてはロードバイクより有利な点がいくつかあります。そこで再び旅自転車として復活させるべく、ミニベロの適性について考えてみました。

ミニベロはロードバイクより遅いか?

一番気になるのはミニベロの走行性能がロードバイクよりだいぶ劣ってしまうのではないか?ということですね。もちろん理論的に考えてロードバイクより良くなるはずがないのですが、そんなに差がないのであればロードバイクにこだわらなくてもいいということになります。

そこで一度きっちり検証してみようと思って、ヒルクライムでタイム計測しました。いつものように天理ダムのヒルクライムですが、stravaのセグメントを利用して過去のデータと比較しました。これならロードバイクでの記録がたくさん残っているので客観的に比較できます。セグメントは距離4.25km、標高差224m、平均勾配5.3%というヒルクライムになります。

こういう場合、いつもより頑張っちゃうと正しい評価ができないので、心拍数が155を超えないようにセーブしながらいつもと同じ強度で走ってみました。その結果、23:25というタイムが出ました。

今までロードバイクではどのくらいだったかというと、だいたい22:30~27:30の範囲に入っています。ということはかなり速い方のタイムなんですよね。平均心拍数を見てもいつもと同じくらいなので、特別頑張ったということはないと思います。それでこのタイムが出るならロードバイクと互角だと思っていいわけです。

おそらくミニベロの方がタイヤが小さい分、相対的にギア比が小さくなっているため、回転数を保ちやすいのが原因ではないかと思います。ロードバイクだとどうしても無理して重いギアを踏んでトルクで登ってしまいがちなんですよね。自分は超貧脚なので、トルクより回転型の方が向いているんだろうと思います。

あと激坂での登坂性能ですが、天理ダムにちょうどいい激坂があるので登れるか試してみました。写真で見ると大したことないように見えますが、勾配15~20%はあると思います。ロードバイクのギア比だともう登れないので、今まで登ったことはないです(笑)。

IDIOMの最小ギア比はフロント39Tでリア30Tとなっています。ギア比だけ見ればロードバイクより大きいですが、タイヤが小さいため実質的にはさらに低いギア比になります。

これで登ってみたら難なく登れちゃいましたね。フラットハンドルなのでポジション的には不利になると思いますが、それでもギア比の違いが大きいんですよ。これだけ坂が登れれば、むしろロードバイクより行動範囲が広がるなと思いました。

ミニベロが旅に向いている理由

荷物の積載能力が大きい

ミニベロにもいろいろあって、本格的なキャリアを装着できるものから、ロードバイクと同様キャリアは付けられないものまであります。IDIOMも残念ながらキャリアは付けられないのですが、それでもロードバイクに比べるとはるかに積載能力は高いです。

なぜかと言うと、タイヤが小さい分、ハンドルやサドルの下の空間に余裕があり、大きなバッグを付けられるからです。これはすべてのミニベロについて言えることです。旅ではどうしても荷物が増えるため、できるだけ背負わずに荷物を積載できることは大きな利点になります。

スタンドが付いている

すべてのミニベロに付いているわけではありませんが、多くの人はキックスタンドを付けていると思います。ロードバイクと違って重量や見た目を気にしないので、利便性を考慮して付けているわけです。

実際乗ってみると、スタンドがあるとないとでは大違いです。ロードバイクだとちょっと写真を撮りたいと思っても、なかなか立てかける場所がなくて困ることがありますよね。街中の食堂とかでも意外と停める場所がなくて困ったりします。そんな時、スタンドがあるとめちゃくちゃ楽なんですよ。一度スタンド付きの自転車に乗っちゃうと、もう無しではいられなくなりますね。

ビンディングを使わない

これは個人の好みでミニベロにもビンディングペダルを使っている人はいると思いますが、個人的にはミニベロというのは気軽に乗れる自転車なのでフラットペダルにすべきと思っています。フラットペダルだといちいち専用のシューズを持って行く必要がないし、自転車を降りて歩くにも苦になりません。それに乗り降りがとても楽です。やっぱり一度フラットペダルの便利さを味わったらビンディングなんか使いたくないですね。

服装を選ばない

ロードバイクだとどうしても上から下までピチピチのサイクルウェアで固めないといけないような雰囲気があります。もちろんそんな規則は何もないのですが、普段着で乗るのは様にならなくてどうしても憚られるのです。機能性を考えるとサイクルウェアが良いのですが、荷物が増えたり着替える手間が増えるのが問題です。しかしミニベロならそんなことは気にせず普段着で乗っても全く違和感がありません。ということは余計な荷物を減らせるわけで、旅には非常に好都合ということです。

カメラと相性が良い

自転車とカメラは相性が悪いとしつこいほど言ってますが(笑)、それはロードバイクの話です。ロードバイクには大きなバッグが付けられないのでカメラを携帯するのに向いてないからです。しかしミニベロなら大きなフロントバッグを付けることもでき、ある程度大きなカメラを携帯できます。本格的なカメラを使えばスマホでは撮れないような写真も可能になるわけです。しかもスタンドが付いてますから、どこでも停めてすぐ撮ることができます。ミニベロに限って言えば、自転車とカメラは相性が良いです(笑)。

車中泊との相性が良い

今のロードを購入する3年前まではずっとIDIOMを積んで車中泊してました。その頃からロードバイクもありましたが、やっぱり邪魔だから持って行かなかったんですね。

正直に言いますと、ミニベロであろうと1台分占有されることには違いないので邪魔なことには変わりありません。できることなら自転車など持って行かないのがベストです。しかし旅先での機動性を考えると、どうしても自転車が欲しいこともあるんですよね。そういう時にロードバイクはオーバースペックです。

その点ミニベロならタイヤが小さい分、車内に積んでも圧迫感はロードバイクより少ないんです。大したことないと思われるでしょうが、この差は結構大きいですよ。

輪行と相性が良い

輪行といえばすぐ折り畳み自転車を思い浮かべる人が多いと思いますけど、たためないミニベロでももちろん輪行は可能です。その場合、普通に前後輪外してもいいんですけど、一般的なフレームとサイズが違うので普通の輪行袋には収まりが悪いのです。そこでミニベロ専用の輪行袋というのがあって、それなら前輪を外すだけで収納できます。タイヤサイズが小さいミニベロだからこそできる技です。ロードバイクに比べると短時間で輪行できるため有利と言えますね。

走れるミニベロを選ぶ

スピードを出すことが目的ではなく、旅を楽しむことが目的であればミニベロには利点が多いということがおわかりでしょうか。ただしそこには「ある程度走れる」ということが前提になることをお忘れなく。

ミニベロと言ってもいろんな種類があります。タイヤ径の違いはもちろん、折り畳み機構の有無もあります。IDIOMはタイヤ径が451と呼ばれる20インチの中でも大きい方で、折り畳み機構はありません。たためないんじゃ意味がないと思われる方も多いでしょうが、その代わり軽いんです。だからロードバイク並みの走行性能が得られます。

一般的に言って折り畳み自転車は同じ価格なら重いです。昔乗ってたことがありましたが、重くて全然走らないのですぐ嫌になりました。ちょっと乗るだけならいいですが、長距離走るには向いてません。折り畳み自転車って便利そうに見えて結局たたまないんですよね。それなら軽くて良く走るミニベロの方が旅には向いていると思います。

もちろんタイヤ径が小さく折りたためる方が携帯性には優れています。その代わり走行性能は劣ります。走行性能と携帯性は二律背反なので両立させることは不可能です。走りをとるか、携帯性をとるか、自分の使用スタイルに合わせて選ぶことが何より重要でしょう。

片雲の風に誘われて