Garmin Instinct 2Sのレビュー(総括)

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スマートウォッチデジタルガジェット

5回にわたって掲載してきましたが、本レビューはいったんここで完結してまとめたいと思います。今後も特別書いてみたいことが出てきたらまた追加するかもしれません。

今回は今まで触れてなかったバッテリー持ちと、率直な話スマートウォッチとしてどうなのか?について評価してまとめとしたいと思います。

バッテリー持ちは優秀

Instinctはもともとアウトドア用としてバッテリー駆動時間の長さを売りにしたモデルであり、Instinct 2Sではスマートウォッチとしての使用時で21日間、GPSを使用した場合で22時間の駆動時間を公称スペックとしています。消費電力を低減するために画面はあえてモノクロとし、解像度も低く抑えるなど見た目は犠牲にしたわけです。さて実際にはどのくらい持つのでしょうか?

スマートウォッチモード

スマートウォッチモードというのは、日常の健康管理やスマホからの通知受信など、一般的なスマートウォッチとしての利用を指します。使用条件によっても異なりますが、GPSを利用したワークアウトは一切行わないものとします。

Instinctのバッテリー残量は日数で表示されるのですが、必ずしも24時間で1日減るわけではありません。当然、いじっている時間が長いともっと早く減ります。しかし今まで眺めていたところ、だいたい1日ごとに減っていくのは間違いありません。したがって、GPSを全く使わなければ公称通り概ね21日持つと思ってよさそうです。

GPS+光学式心拍計モード

ワークアウトでGPSと心拍計を同時に使用すると駆動時間は一気に短くなり、公称では連続22時間となります。ただこれにも条件があって、GPS+みちびきのみを使用し、外部センサーも使わないという最もバッテリーを節約した場合の話です。GLONASSやGalileoを併用した場合や外部のセンサー類を使用した場合はもう少し短くなります。

自分はGPS+Galileo+みちびきを使用し、ケイデンスセンサーも使用しているので22時間は持たないと思われます。その条件でワークアウトを数回行って観察していましたが、5時間のライドでだいたい6日(30%)減るのが標準だとわかりました。したがって少し余裕を見て最大15時間は持つだろうと思われます。まあそんなもんでしょうね。ブルベやキャノンボールをやる人には全然足りないかもしれませんが、日帰りライドには十分な駆動時間です。できるだけライド前には充電しておいた方がいいでしょうね。

屋外での視認性は抜群

Instinctは消費電力を抑えるためバックライトの必要がない半透過型液晶を採用しています。それも画面を書き換える時だけ電力を消費するメモリインピクセル(MIP)という特殊な液晶です。このため外光が明るいほど見やすいというアウトドアには最適な仕様になっています。


直射日光下でもクッキリと非常によく見えます。モノクロということもあるのでしょうが、抜けが良く、同じ半透過型液晶のAmazfit Stratos 3よりも見やすいです。屋外だけでなく暗い室内でもハッキリ見えるので、真っ暗でない限りバックライトの必要もありません。常時表示型ですから、ワークアウト中でもいちいち手首を返して画面をONにする必要がなく、ノーストレスです。

スマートウォッチとしては微妙

アウトドアにおけるアクティビティートラッカーとしては絶大な信頼性を誇ることはわかりましたが、スマートウォッチとして見た場合はどうでしょうか? ここでネックとなるのは画面の解像度です。


これはTwitterの通知画面なんですが、いつの時代なんだ?と思わせるきったない日本語フォント(笑)。まるで初期のワープロみたいに潰れて読みづらいですね。しかもこの表示エリアが2センチ四方ですから、いかに細かい文字かおわかりでしょう。老眼にはとても読めないレベルです(笑)。

これが1万円くらいの商品だったらまあこんなものかで許せるんですよ。しかし3万5千円もするくせにこれはないだろ!と思うわけです。今どき数千円で売っている安物のスマートウォッチの方がはるかにきれいですからね。

スマートウォッチで一番便利な機能って、やっぱり通知だと思うんですが、それがこんな汚いフォントで表示されると幻滅させられるわけですよ。もう一度言いますが、これが3万5千円ですからね(笑)。

でもしばらく使ってるとだんだん慣れてきました(笑)。これが普通に思えてきます。別に読めればええやんってね。モノクロながらちゃんと絵文字にも対応しているところは褒めてあげましょう(笑)。

まあこれをただのスマートウォッチとして使いたい人はまずいないと思いますけど、ある程度覚悟はしておかないと幻滅すること間違いなしですね。

スマートウォッチとして使うだけなら他社製で十分

もし単なるスマートウォッチとして使いたいのなら、あえてGarminにこだわる必要はありません。Amazfit、Huawei、Xiaomiなど中華系の安価な製品がいくらでも出ています。画面だけ見れば超美麗でInstinctなど相手になりませんし、最近は血中酸素、ストレスレベルなど健康管理機能も遜色ないレベルで充実しています。

これらの安価な製品でも日常生活における心拍数は正確に取れるので、健康管理には問題なく使えます。唯一ダメなのが激しい運動をした場合なんです。こればっかりはGarminとそれ以外で大きな差が出てきます。したがって、運動のトラッキングには使わず単なるスマートウォッチとして使うならば、お好きなメーカーで気に入ったのを買えば、と言いたいのです。


これはAmazfit Stratos 3ですが、2万円くらいで買いました。画面は超きれい。もともとスポーツウォッチとしてワークアウト機能も充実しているんですが、ウォッチフェイスを変えて遊びたいという目的ならこういう製品の方が楽しいですよね。


これはAmazfit Bip Sですが、3200円で買いました(笑)。それでもInstinctよりはるかにきれいな画面。スマートウォッチとして使うにはこっちの方が便利だったりします。小さくて軽いので普段使いにはこっちの方がお気に入りです。

これは業務用機器である

レビューの最初に買うまで4ヶ月悩んだって書きましたが、迷う理由はやっぱりこの画面の貧弱さだったんですよね。見た目の高級感が全くないですよね。数千円で売っているカ○オのデジタル腕時計と見分けが付かないレベルでしょう(笑)。これが3万5千円もするなんてとても信じられないんですよ。

それが中華製なら2万円も出せば超カッコいい時計が手に入るわけですよ。そのことを考えると一時はまたAmazfitを買おうかなと気持ちが傾いていました。前に買ってからだいぶ時間が経っているし、さすがに心拍計の精度も改良されているだろうと勝手に期待していたのです。何度かAmazonのタイムセールで値引きされていたのでポチる寸前まで行きましたよ(笑)。

でも信頼できる筋から最新型でも心拍計はダメっていう情報が入ったので思いとどまりました。結果的には良かったと思います。肝心の心拍計精度が良くなってなければ買った意味がないからです。いくら安くても結局満足できなければお金の無駄でしかありません。それを何度も繰り返すことを「安物買いの銭失い」と言います。そういえば昔、中華アクションカメラを何台も買うくらいなら初めからGoProを買った方が安いって書いてましたよね(笑)。

Instinctが高いと感じる理由、それは普通のスマートウォッチだと考えるからいけないんですよね。どうしてもコストパフォーマンスで比較してしまいます。しかし、これは業務用機器なんだと考えればすべてが納得できます。マニュアル一つをとっても超難解で初心者を寄せ付けない敷居の高さですが(笑)、これは完全に家電と対極の位置にある製品なんです。見た目の豪華さや高級感は全くないですが、恐ろしく多機能で底が深い。しかも性能は超一流。まさに地味でもしっかり仕事をこなす業務用機器のイメージです。業務用機器が高いのは当たり前ですよね。

最初はGarminって大したことないくせに名前だけでボッタクリしてるメーカーでしょ?と思ってました(笑)。だからGarmin製品にはあまりいいイメージがなかったんですよね。あえてGarminを避けていたようなところがあります。でもInstinctを買ってみてイメージが180度変わりました。やっぱりいいものはいいんです(笑)。そしていいものは高い。これも真理です。

サイコンの世界でも、いろんなメーカーを試してみても最終的にはGarminに行き着くって言われますよね(笑)。やっぱりGarminはオンリーワンなんですよ。中華物を何台も買うくらいなら最初からGarminを買った方が安い、これは真実だと思います(笑)。

買うか買わないかで何ヶ月も迷ってる暇があったらもっと早く買っておけばよかった。それが率直な感想です(笑)。

片雲の風に誘われて

コメント

  1. romi より:

    おはようございます。
    一連の解説ありがとうございました。

    道具なんで最後はユーザーが選ぶ・・に付きますよね。
    一般的な使用方法「これも定義付けが難しいですが」に於いては、リッチな人はアップルにして・・取り合えず 綺麗・案内がきて・健康志向が満たされて・できるだけコスパがいいものとなればAmazfitで十分でしょうね。

    Garmi製品は昔からマニュアルを理解するのに難しいし、階層が深すぎて「何をしていたのか忘れてしまう」的な製品が多いような気がします。

    経営者はそうは思っていないでしょうが?コンシューマーには向かない「ブランディング時点であるていど足切りしているのか?理系のスタッフが多すぎてそうなるのか?」製品群なのかもしれませんね。

    アマゾンなんかのユーザー評価も振れ幅が広くて「わからんかったんやうな?」的な人はぼろくそ書いていますよね。

    でも 刺さる人には これ以上のガジェットは無くて唯一無二の存在になるのでしょう
    この手のユーザはたいがい「エバンジェリスト」になりそうですよね。

    Garmin Instinct 2S一週間ほどつかった僕の感想は、eTrex 30x と同じように 信頼できる相棒 と同じような感じがしています。

    ライドはガーミン、普段使いはAmazfit Bip S「安かったし・電池持ちいいし」でいいかな・・って所に落ち着きそうですわ。

  2. SORA より:

    Garminのマニュアルは明らかに技術者が書いたような文書ですね。初めから一般コンシューマー層を切り捨てる戦略なのかもしれません。それで「Garminいいよ」とそそのかされて買っちゃった初心者は「何じゃこれは?」となるわけです(笑)。

    Amazonレビューで低評価付けてる人は結局わかってないんだろうなと思いますね。解像度の粗さに文句付けてる人もいますが、お前ちゃんとスペック見たのかよ?と言いたいです(笑)。

    確かにInstinctはeTrexと性格が似ているんですよね。ガチのアスリート向けというよりツーリング、ファンライド向けの製品かなと思います。Bip Sは電池持ちよくて普段使いには最高ですよね。

  3. romi より:

    結局は購入者が自分で使用用途に応じた最良の選択をしてくださいネ。に尽きるんですが、まぁメーカーはいい所を拡大して宣伝しますし、よく知らない(調べない)ユーザーが使用者目線でレポートするプロユーチューバーの使用者目線風宣伝に踊らされてしまうと、ちと可愛そうな気がしますが、ガーミンはユーザーを選ぶけれども尖ったいい製品を出す会社だなと思いますわ。

  4. SORA より:

    世の中、自分の使用用途さえわからない、誰かに選んでもらわないと決められないっていう主体性のない人間が多いですね。
    自分で調べないユーザー多すぎです。だから商業ユーチューバーが成り立つのか(笑)。
    ま、Garminがユーザー選ぶのは昔からですね(笑)。