登山

洞川温泉から稲村ヶ岳へ

投稿日:1997 年 10 月 12 日 更新日:

■コースタイム
洞川温泉=0:35=母公堂=1:50=山上辻=0:25=稲村ヶ岳=0:35=山上辻=1:00=法力峠=0:40=母公堂=0:35=洞川温泉【total 5:40】

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 自宅を5時半に出発して7時20分頃洞川温泉に到着。意外と早く着いた。洞川温泉の駐車場に車を置いて7時半に出発。さすがにこの時間だとほとんど車はいない。旅館や陀羅尼助の薬屋が建ち並ぶ全く人通りのない町並みをぶらぶらと歩く。町並みが途切れてからもう少し行くと稲村登山口があるが、何と「落石のため通行止」の看板が立っている。そしてその横には稲村登山口まであと1kmの看板がある。地図で確かめてみると、母公堂の横から直登する道が確かにあった。しかたなく車道をもう1km歩く。五代松鍾乳洞の入口があったが、そこには落石のため閉鎖中との看板があった。これが目当てで来た人はがっかりして帰るのだろうか。そこからもう少し行くと「ごろごろ水」と呼ばれる名水が湧き出している。朝早いため汲んでいる人はほとんどいないが、看板には「一人60リットル以上採水禁止」などの注意書きがある。地元では結構迷惑になっているらしい。せっかくなので水筒の水を入れ換えておく。そこからもう少し行くと母公堂があり、稲村登山口の標識があった。早朝は曇りがちだったが、かなり青空が広がってきた。

 登山道は薄暗い杉林の中を登っていく。ほとんど直登気味で結構きつい。おそらくここが全コース中で最も上りらしい上りであろう。10分ほど登ると本来の登山口からの道と合流する。ここからはゆるやかな上りとなり、大変歩きやすい。道の脇にはハガクレツリフネソウがいっぱい咲いている。何度見ても変わった形の花だと思う。やがて4人の青年と初めてすれ違うが、キャンプの装備を持っているのできっと上で泊まっていたのであろう。その後、休憩していた年輩の夫婦を追い抜いたが、他には全く人に会わない。時間が早いせいもあるだろうが、もっと人の多い山だと思っていたので意外であった。傾斜がゆるいのでハイペースでどんどん進む。道もよく整備されており、実に快適である。そして橋の上から山上ヶ岳が見える場所を過ぎるとすぐ法力峠なのだが、実際は上りの時には気づかずに通り過ぎてしまった。峠といってもそこから下りになるわけではないので気づかなかったのだ。

 法力峠を過ぎて少し行くと、杉林が切れて自然林となる。すでにブナやカエデがうっすらと色づき始めている。しかしこの頃から雲が多くなってきて、ほとんど日が差し込まなくなってしまった。やがて木の間越しに大日山の岩峰を望めるようになる。そのあまりにも突出したピークは度肝を抜くほどの異様さだ。まだまだ頂上は遠い。山頂付近には真っ赤な紅葉が見られ、実に美しい。弥山もちらちらと見える。上りは相変わらずゆるやかで、あまり登っている気がしない。やがて水場があるが、水はチョロチョロとしか出ていない。再び薄暗い杉林の中に入っていく。天気が悪く、人通りもないので心細くなってくる。高度を上げるごとに紅葉は進んでいき、カエデの紅葉やブナの黄葉が美しい。最後の方は岩場が多くなり、橋が頻繁に現れる。この辺から風が非常に強くなってきた。木の葉のゴウゴウと鳴る音がものすごい。気温も相当に低くて寒い。いくつも橋を渡ってササが多くなると間もなく山上辻に着く。


法力峠~山上辻にて


山上辻

 山上辻には赤い屋根の稲村小屋がある。上りの時は特に休憩せずに山頂を目指す。この辺からはにわかに人が多くなってきた。ほとんどの人は上着を着て軍手をしているが、不覚にも上に着るものや手袋を持ってこなかったのである。とにかく西風が猛烈で、帽子を吹き飛ばされそうになる。気温は明らかに10度を下回っているであろう。だんだん手が冷えてかじかんでしまった。歩いていなければ寒くていられない。それが東側斜面に入ると嘘のように風が止んで、暖かくなる。やがて大日山の分岐に着く。見上げるような岩峰だが、高さはそれほどでもなさそうだ。そして大日のキレットと呼ばれる場所では、ほぼ垂直に近い岩壁が大日山と向かい合ってスッパリと切れ落ちている。山肌には真っ赤な紅葉があり、まさに今が盛りである。来週ではもう遅いであろう。しかし相変わらずの曇り空。天気が良ければさぞかし素晴らしいだろうと悔やまれる。そこから少し行くと、鎖場が2ヶ所ある。鎖がなくても登れる程度だが、一応鎖につかまって登る。そしてV字型に折り返すようにして、最後の上りが始まる。この上りは大変短く、間もなく稲村ヶ岳山頂に着いた。洞川温泉からちょうど3時間だった。


山上辻~大日キレットにて


大日山の岩峰

 山頂は大変狭く、鉄骨の展望台が組まれている。そこには先客が2人。ここに上がれば360度の展望が得られる。空は厚い雲に覆われているが、まわりの山はすべて見える。山上ヶ岳、大普賢岳、行者還岳と続き、そこから弥山へと一気に盛り上がる稜線が実にダイナミックである。さすがに弥山の山頂だけはガスっていて見えない。その後ろには仏生ヶ岳なども顔を出しているであろう。また大普賢岳の裏には大台ヶ原が見える。さらに北部台高の山々も見えているが、どの山かは同定できなかった。北西の方向には五條の街並みがくっきりと見える。山頂付近の山肌はすっかり色づいて、紅葉の盛りである。山頂は強風が吹き荒れているが、なぜか展望台に上がるとほとんど風が来ないのが不思議だ。また2人の青年が登ってきたが、寒いのでみんな長くはいない。25分ほどで退散し、下山を始める。


紅葉の神童子谷


弥山を望む

 山上辻へ戻る途中で、紅葉がきれいなので写真を撮りたいが、暗すぎて速いシャッターが切れない。ブレを覚悟で低速シャッターを切る。また強風にさらされながら、山上辻まで戻った。そして寒いので稲村小屋の中に入って食事をとる。小屋は休憩所になっていて、たくさんの人が次々と駆け込んでくる。風がガラスを叩く音がものすごい。そして正午ちょうどに下山を開始する。レンゲ辻からの道は悪いと聞いているので、行きと同じ道を戻ることにする。この頃からは少し青空がのぞいて時々日も差すようになった。紅葉を撮りながら下山する。ゆるやかなので下りも全く苦にならない。下りでは法力峠を見つけることができた。そこには10cmほどの小さな板切れに「法力峠」と書かれており、よく見ないと気づかないほどであった。またここは観音峰との分岐点であり、確かにその道も確認できた。そして法力峠から40分ほどで母公堂に出て、再びごろごろ水の前を通る。今度は行列ができていて、路上駐車がいっぱいである。洞川温泉に戻ったのは14時25分頃。ここまで下りてくると青空が広がっていて暑いくらいの陽気である。山頂との気温差がものすごい。例によって温泉で疲れを癒やしてから帰る。温泉はいっぱいであった。帰りは渋滞を避けるため五番関経由で帰った。

 この山は標高差が900mもある割には、距離が長いので勾配がゆるく、楽に登れる山であった。特に山上辻までは大変よく整備された道で、いつの間にか着くという感じである。山頂からの展望も素晴らしく、晴れていればもっと楽しめたのにと思われた。

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