仁柿峠栗又登山口から局ヶ岳へ

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登山

■コースタイム
登山口=0:30=中間点=0:15=局の大木=0:10=合流点=0:15=局ヶ岳=0:10=合流点=0:10=局の大木=0:10=中間点=0:20=登山口【total 2:00】


 局ヶ岳の登山道としては飯高側の局ヶ岳神社からのコースが一般的だが、実は飯南側の仁柿峠からもっと楽に登れるコースがある。どんな登山ガイドにもこの道は載っていないが、3月の初めに国道を走行中に偶然発見した。登山口は国道368号線の仁柿峠(峠の廃村)から舗装された林道を2kmほど入ったところにある。5万図には点線の記述があるので、飯南側では昔からの登山道であることには違いない。しかしこの道はごく最近整備されたようで、駐車場には真新しい案内板やテーブル・ベンチが設置されている。


登山口

 午前8時過ぎに出発して、登山口には10時に到着する。先客は1台。ちょうど同時に着いたもう1台の車の男性と話していると、この道が新しくできたということで2~3日前に新聞に載ったらしい。午前10時10分に登山口を出発。新しい案内板には「山頂まで1時間45分」と書かれている。登山口には大きな標識があり、親切に山頂までの詳しい地図まで取り付けられている。それによると一丁(約109m)ごとに標示があり、山頂までは十八丁とのこと。林道から丸太の橋を渡って登山道に入り、少し登ればすぐ一丁の標示がある。ここを右に行けば一の宮がある。またここで一般向けの「本コース」と「健脚コース」の2本に分岐する。どちらからでも登れるが、「健脚コース」は少し距離が長い。登山口で出会った単独男性は右の健脚コースの方へ行った。自分は軟弱に「本コース」へ進む。

 一丁を過ぎてすぐ結構急な上りとなる。一丁というのは約109mだから3~5分おきくらいに標示が現れて励みにはなる。五丁くらいまで順調に進む。ここからはずっと尾根通しの道なので、植林帯ながら結構展望はよい。時々急な上りもあるが、登り始めて30分で中間点(九丁)に着いた。ここにも地図があり、ベンチも設置されていて休憩できる。ずいぶん整備の行き届いたコースである。ここからはなかなか展望がよく、吹き抜ける風も爽やかだ。

 中間点を過ぎるといよいよ急な上りとなる。特に十丁から十一丁にかけては非常にきつい。あえぎ登る坂が一段落して平坦になったところが十二丁半であり、ここに局の大木がある。植林の中にあって目立たないが、幹の直径が50cm以上はある大木だ。説明によるとネムノキらしい。しかし背が高すぎて本当にネムノキなのか確認できなかった。局の大木を過ぎるとまた十四丁まで息もつかせぬ急登が続く。そして十四丁半でもう一つの「健脚コース」と合流し、稜線に出る。


局の大木

 ここにもベンチがあって小休止する。ここまで来ればもう楽勝と思っていたが、実はここからがきつかった。いきなり今までで最高の急坂が現れる。木の根などをつかまないと登れないくらい。そしてやっとのことでプレハブの小屋が建つ小ピークに着く。そこを下るとすぐ十六丁があり、いよいよ頂上のマイクロウェーブ反射板が見え始める。そして十七丁あたりからようやく自然林となる。ところがここからの上りが非常にきつく、木の根をつかみながらの急登が続く。鋭鋒であることを実感させる急坂である。久々の山行なのでだいぶ体にこたえる。あえぎながらも最後の十八丁の標示とマイクロウェーブ反射板が見えて一気に頂上に飛び出す。ここまで1時間10分だった。登山口の標高が500mあるので、局ヶ岳神社からの上りに比べれば短いことは確かだが、決して楽に登らせてくれる山ではない。

 山頂は意外に人が少なく、先客は単独の男性が1人と反射板の下の展望台にいるグループが3人だけ。一年前に登ったときにはなかったはずのベンチが二つと栗又登山口への標識・地図が設置されている。やはりこのコースはごく最近整備されたものらしい。これも飯南町の山岳会の努力によるものである。とりあえずベンチに腰掛けて昼食をとる。20分ほどすると登山口で出会った単独男性が登ってきた。思ったより早い到着である。今日は春霞が濃く、遠望は全くきかない。遠くは倶留尊山がかすかに見える程度である。それにしても今日は日差しが強くて風が全くなく、とにかく暑い。じっとしていても汗が引かない。春を通り過ぎてもう初夏の陽気である。とても3月の山とは信じられない暑さだ。


マンサクの花

 山頂ではマンサクの黄色い花が見頃になっている。アセビはまだつぼみが小さいが、中には膨らみかけているものもある。 12時半頃になって飯高側から団体が登ってきてにわかににぎやかになる。狭い山頂は人でいっぱいになり、12時40分あまりの暑さに退散する。下山は50 分と早かった。ちょうど往復2時間のお手軽な山行であった。


アセビのつぼみ

片雲の風に誘われて