夏の西大台周遊

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登山

■コースタイム
大台駐車場=1:25=開拓=0:10=開拓分岐点=0:15=展望台=0:15=開拓分岐点=1:10=大台駐車場【total 3:15】


 予定より1時間寝過ごして大台駐車場に着いたのが9時過ぎになってしまった。さすがにこの時間だと駐車場はかなり埋まっている。早朝はよく晴れていたが、この時間になって少し雲が出てきた。9時30分に駐車場を出発。駐車場入口付近に「西大台」の道標がある。大台教会と「たたら亭」を右に見て、筏場方面との分岐に着く。ここを左にとり、歩き始めて10分ほどで北回り・南回りコースの分岐点がある。往路は七ツ池を経由する北回りコースで行くことにする。ゆるやかに下っていくと明るい河原に出る。このあたりからトリカブトの群落が非常に多い。付近には松浦武四郎の碑もある。再び樹林の中に入り、小さなアップダウンの道を行く。樹木の香りが漂い、奈良の猛暑が嘘のように涼しい。出会う人はまったくないが、車の音が近い。時々ガードレールが見え隠れし、走っている車まで見える。木の間を登っていけば簡単にドライブウェイに出られそうな感じだ。やがて車の音が遠のき、中ノ谷を渡って「七ツ池15分」の道標を見る。鬱蒼とした樹海の中を通り、倒木に生えた苔の緑が美しい。そして15分たってそろそろ七ツ池かなと思ったが、いつまでたっても池らしきものはない。少し開けた場所に出て、道がややわかりにくいところもあるが、要所には道標があるので迷うことはない。そうこうしているうちに「七ツ池」の道標の向きが反対になっていた。いつの間にか通り過ぎてしまっていたのである。池とは名ばかりで実際は水などないのであろう。そして飛び石伝いに高野谷を渡ったところで初めて人に出会った。もう一つワサビ谷を渡って「開拓」と書かれた広場に出る。


トリカブト


ブナの原生林


開拓

 ここから川沿いの平坦で歩きやすい道が続く。カエデやブナの大樹が茂る素晴らしい原始林である。今は緑一色だが、紅葉の頃はさぞ美しいであろう。ここが一番感じのいいところだった。開拓から10分ほどで南回りの道と合流する。ここに「展望台0.7km・40分」「逆峠 1.2km・1時間」の道標があったが、わずか0.7kmで40分もかかるのだろうか。とりあえず展望台までは行ってみることにする。階段の続くだらだら坂を15分ほど登ると展望台と書かれた場所に着いてしまった。展望台というほどの場所でもないが、わずかに樹林が切れていて日出ヶ岳方面を望むことができる。大蛇嵓を反対側から見るのが目的だったのでさっそく探してみるが、かなり雲が多く、霞がかかっていてすっきりとは見えない。地図とよく見比べてみると、一番右側の台形状のピーク直下に見える岩がどうもそうらしい。そのすぐ下には大蛇嵓の直下に見えるコブのような突起があった。しかし望遠レンズで覗いてみても人が立っているのはわからなかった。その他、蒸篭嵓や中ノ滝の方面も見えるが、やはり天気が悪くてすっきりしない。ここで昼食をとり、40分ほど休憩する。逆峠へはここから直角に右に折れ曲がるようにして続いているが、そこまで行っても何もなさそうなので今回はここから引き返すことにする。


東大台を望む

 12時過ぎに帰ろうとしたところに人がたくさんやってきて、展望台はにわかににぎやかになった。15分で開拓分岐点に戻り、今度は南回りコースに入る。入ってすぐのところに赤い鉄製の吊り橋がある。この橋が結構揺れる。下は網状の鉄板であり、歩くと少々たわむのが気になる。強度は大丈夫なのだろうか。そしてもう一つ連続して同じような構造の吊り橋があった。そこを過ぎてからは溝状の長い上り坂が続く。勾配はさほどきつくないが、石が多くて歩きにくい。やはり帰りが上りになるコースはつらいものがある。そこを過ぎるとほぼ平坦になってナゴヤ谷をトラバース気味にさかのぼっていく。しかしだんだん天気が悪くなってきて、森の中は不気味なほどの薄暗さになった。一雨来そうな雰囲気である。先を急ぐが、道はなかなか長い。途中また一組のグループに出会った。こんなところでも結構来る人はいるようである。地図には載っていないが「たたら力水」という水場があり、水量は少ないものの味はなかなか良い。やがて空がまた少し明るくなってきた頃、道は再び上りに転じた。道が輻輳していてわかりにくいところがあるが、赤テープを見失わないようにしてミヤコザサの茂る斜面を登っていく。疲れた頃のこの急登はなかなかつらい。そしてコスナ谷を登り詰めて、最初に通った分岐点に出た。ここから10 分で大台駐車場に戻る。時間は午後1時30分。ちょうど駐車場に着いたときにポツポツと雨が落ちてきた。さすがは大台ヶ原である。そのうち本降りになってきた。駐車場は満杯であり、ドライブウェイには数100mに渡って路上駐車の列が続いていた。まだまだ夏の行楽シーズンである。

片雲の風に誘われて