なんか最近ブログがすごく地味になってるような気がしますが(笑)、久しぶりのカラー写真でございます。冷蔵庫に残っていたDNPセンチュリア200の最後の一本を使いました。とっくに有効期限切れてましたけど・・(^^; これはKenko 19-35mmの試し斬りで撮ったカットで、新薬師寺から白毫寺にかけての界隈をぶらっと歩いてみました。まあ写真美術館へ行ったついでなんですけど・・(笑)

最近は「ゆるキャラ」をはじめ、何でも「ゆるい」のが流行りのようです。方や写真の世界でもトイカメとか女子カメラ風の「ゆるフォト」が一部の人たちの間で人気になっております。思うに、これも時代の流れなんではないかと・・
たとえば絵画の分野でも古典派、写実派、ロマン派、印象派・・・など時代によって流行というものがあり、人の価値観というものは時代とともに常に変遷しているものです。写真の世界も初期のダゲレオタイプからゼラチンシルバープリント、カラープリント、そしてデジタルへと技術は目まぐるしく変わっています。今のデジカメは解像度だけで見れば既にフィルムを追い越しており、画質的にはもうこれ以上望めないくらいのところまで来ております。
しかしここまでデジカメの画質が良くなってしまうと、今のデジカメはどれを見ても判で押したようなツルツルのキレイキレイ画像になって、いい加減飽きてきたんじゃないですかね? その反動として「ゆるフォト」のようなものが流行るんじゃないかと思います。最近のデジカメにはアートフィルターみたいな機能を搭載した機種が増えているのはその表れではないかと思いますね。わざと周辺を暗くしてトイカメ風にしたり、淡い色調にして女子カメラ風にしたりするやつね。
一方で解像度だノイズだと騒ぎながら、あまりにもキレイになりすぎるとつまらなくてわざと崩したくなる。人間って何とわがままなのでしょうか?(笑) 言っときますが、僕は写真をいじるのが大嫌いなので、こういうフィルターの類は一切興味ありません。あれはあくまでもシミュレーションですから、いくらトイカメ風と言ってもリアルトイカメとは似て非なるものです。それはそうでしょう、写真を絵画風に変換するフィルターはいくらでもありますが、どういじったところで本物の画家が描いた絵には絶対敵わないのと同じです。
今どきフィルム、特にカラーネガで撮る意味というのは、独特の柔らかいトーンによって「ゆるさ」を醸し出すことにあります。デジカメにもフィルム調のシミュレーションがありますが、当然本物のフィルムで撮るのとはまったく別物です。カラーネガの持つ柔らかいトーンは広大なダイナミックレンジによって生み出されるものであり、もともとデジタルの情報として切り捨てられたものはいくらいじっても出てくるはずがないからです。
現代の画家が写真と同じものを目指しても無意味なように、フィルムを使うということはデジカメと同じものを目指しても意味がないのです。ただキレイに撮りたいだけならデジカメで十分です。フィルムで撮るということは光が描いた「絵」を楽しむことである・・・と思っています。
そういえば昔は牛乳屋さんがカチャカチャ音を立てながら配達してたんですね・・
道端で見かけたお地蔵様。とても大切にされているのがうかがえます。
(写真:奈良市高畑町・白毫寺町)
コメント
何を映像として残すのか…難しいですね。
行き当たりばったりに写真を撮って、ほぼ自己満足で完結している自分ですが…。
自分が納得するものが、必ずしも世間が納得するとは限りませんね。
逆に、自分がいいと思えるものを世間に納得してもらえたらいいと思いますが…これって自己中?
@KAY.T さん
いやいや、写真なんて自己満、自己中でいいんですよ。(笑)