四国ツーリング2008 5日目レポート

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ライド記録自転車

昨日は宿毛から一気に高知まで移動し、今日はいよいよ最終日となりました。帰るためにはどうしても瀬戸内側へ出る必要があるのですが、どういうルートをとるか昨日から悩んでました。唯一自走が可能であったR33~R194で西条へ抜けるルートはいの町内の新大森トンネル手前で崩落のため全面通行止になっており、この選択肢は消えました。距離的なことを考えるとあとは輪行のお世話にならざるを得ません。候補として考えたのは、

1)大杉駅まで輪行~早明浦ダム~県道17号~R194~西条~東予
2)阿波川口駅まで輪行~R319~県道5号~川之江~新居浜
3)奈半利駅まで輪行~R493~甲浦
4)阿波池田駅まで輪行~吉野川沿いを走って徳島港まで

といったルートですが、まず3)は甲浦からまた輪行しなければならないためボツ。4)はいまいち面白味に欠けるためボツ。残るは1)か2)になりました。なるべく輪行を少なくする方が満足度は高いのですけどね・・。まあ朝起きたときの気分で決めるかということにして、その日は体力的に楽な2)の可能性が高かったのですが・・

朝起きてみたらすごいええ天気! しかも疲労はだいぶ引いてきたように思います。長距離ツーリングでは3日目が一番辛いと言いますが、4日目くらいになると初めの頃の筋肉痛が和らいでいき、かえって足がよく回るようになります。これが超回復というやつなのかと妙に納得。そうなると2)に傾いていた気持ちがだんだん1)に傾いてきました。疲労とかいうことを抜きにして考えると一番走りたいルートはやっぱり1)なんですよね。また今度なんてことを言ってるといつ行けるかもわからないし、こんな良い条件はめったにあるものではない・・。距離が86kmほどあって標高差が500m近くあるので疲労の溜まる最終日に走るのは無謀という考えがありましたが、少し無理したら手が届くくらいのところに目標を置くのが人生の極意ではないか・・と自分に言い聞かせました。(^^; 何でも安全確実にできることしかやらないとそれ以上の進歩はあり得ないのです。

それに走行ログなんてものを取っていると、ログの見栄えを気にするようになるんですよね。(^^; 大きな地図で見たときに四国のど真ん中を突っ切っているのと端っこの方をちょろっとかすめるのとでは見栄えが全然違います。第1ステージも端っこの方を舐めるように走ってるだけだし、どうしても真ん中を突っ切りたいという思いがありました。

そういうことで目標は1)に設定されたわけですが、根曳峠を越える体力がないので大杉までは輪行するしかありません。問題は大杉駅への列車が非常に少ないこと。鈍行は一日数往復しか走ってないし、停まる特急も限られています。時刻表を調べてみると高知10:12発の特急「南風10号」が停まるようです。大杉出発が11時になってしまいますが、夜のフェリーに間に合えばいいので時間はたっぷりあります。よし、それで行きましょう。


高知YHを9時頃出発してGPSを頼りに高知駅まで走って行きます。いつの間にか高知駅がリニューアルされてたんですね。最初気づかずに通り過ぎてしまいました。(^^; 昔は南側だった正面が北側に変わってます。建物もずいぶんモダンな感じに変わりました。


10:12発の特急に乗り、10:45大杉駅で降ります。もちろん無人駅です。第2ステージはここからスタート、自転車を組み立てて11時に出発します。ちなみにここの標高がすでに260mほどあります。

GPSログはこちら↓


大豊町役場から左折してR439に入ります。トンネルを抜けると吉野川に沿ってほぼ平坦な道が続きます。できるだけ時間を稼いでおきたいので本山町までノンストップで走ります。


本山の町中まで30分ほどで着き、土佐本山橋を渡って県道263号に入ります。再び吉野川を渡る橋の上からは早明浦ダムの威容が間近に見えます。あそこまで上らされるわけですね・・


ダムの上りはお約束とはいえ、非常にきついものでした。優に10%は超えているはずです。徐々にスピードが落ちてサイコンを見ると5km/h。ほとんど止まりそうです。(^^; 何とかトンネルまで頑張るともうヘロヘロ。ここの標高が350m、まだ100mしか上ってません。湖畔に出てしばらく行くとベンチがあったのでそこで昼食休憩。


湖の南岸をしばらく走った後、上吉野川橋を渡って対岸に移ります。あとは延々と湖畔のうねうね道を走ります。結構アップダウンはありますが、上ってもすぐ下るだけでまったく標高が上がらないのが嫌になってきます。それにしても何ていい天気なんだろうか・・。昨日までは少し肌寒かったんですが、今日は半袖が気持ちいい陽気。こんな快適な気候は年に数日もあるかどうかですね。こういうのを完全無欠なサイクリング日和と言うんですね。


行けども行けどもあまり進んだ気がしない湖畔を延々と走って、やっと大川村との境を越えます。この道、意外と車が通るのは、おそらくR194の通行止を迂回するためでしょうね。愛媛ナンバーの車が多いです。


そこからまた数キロ走ってやっと大川村役場に着きました。あまりにも山深いところなので人が住んでいるような気配もないんですが、いきなり小さな集落に出ました。恐ろしく前時代的な役場が建っています。この先自販機もなさそうなので、ここで最後の補給をしておきます。


役場近くの小松川橋から。まだ水は流れておらず、いっこうに上る気配を見せません。


役場から5kmほど先の小金滝橋の近くに小金滝があり、道路から見ることができます。


うの滝橋を渡ったあたりからようやく待望の?上りになります。しかし川沿いなのに結構きつい! 荷物さえなければどうってことはないんだけど、フロントに3kg、背中に3.5kg、リアに1kg、合計7.5kgもの荷物を積んでは思うように上れません。特にバックパックを背負うのは腰に来るので良くないですな。足の方はまだ大丈夫なんだけど、腰の痛みとの闘いです。ずっと乗ってるとどうにも腰が痛くなってくるので、時々止まって休めなければなりません。


四国最大の大河・吉野川もこの辺まで来ると幅も狭く、かなりの急流です。いったん緩くなるところもあるのですが、いの町に入ったあたりからまたきつくなってきます。R194まであと1kmというところからなかなか進みません。


何度か腰を休めながら、どうにかR194との合流点まで来ました。ここで標高580m。すぐ南の本川トンネル手前には警備員が立っていて通行止めをしています。高知側からはまったく車が来ないのでR194はほとんど交通量がなく、気持ち悪いほど静かでした。


2kmほど先に道の駅があるのでちょっと休憩していきます。通行止のおかげで閑散としてました。そしていよいよ寒風山が正面に見えてきました。自動車道特有の勾配の一定した上りが続きますが、勾配は5%程度ときつくないので割といいペースで上ることができます。


そしてついに新寒風山トンネルの東口に着きました。ここが最高地点で標高は710mあります。トンネルの中は寒そうなのでウインドブレーカーを着て突入します。新寒風山トンネルは長さが5432mもあり、一般道としては日本最長のトンネルになります。トンネルの両端で高低差が170mもあり、愛媛側に向かっては下り勾配になるので非常にスピードが出ます。


トンネルの中は想像以上に寒く、指切りグローブでは指先が冷えてきます。真冬並みの寒さです。もちろん歩道なんかはありませんが、交通量は少なく凶悪度は低いです。まあR166高見トンネルと同じレベルですね。しかしほんまに長いです。もう半分過ぎたかなと思ったら「出口まで3km」の標識があって「うへ~」となります。GPSログによると平均速度37.6km/h、9分で抜けました。抜けるまで何と1台の車にも追い越されませんでした。でもこれは逆方向からだと大変ですね。ずーっと上りで永遠に長く感じられるでしょう。


トンネルを抜けると愛媛県、あとは長い下りが待っています。こちら側は勾配がきつく、嫌な感じの坂が長く続きます。やっぱり愛媛側から上るのはしんどそうですね。わずか30分ほどで加茂川の畔にある休憩所まで下りてきました。ここでやっとPHSが通じたのでブログを更新。まもなく加茂川橋でR11を横断します。


東予港まであと10kmほどですが、R11を避けて並行する旧讃岐街道を走ります。この道は車も少なく、雰囲気も良くて快適です。石鎚山駅の近くに休憩所があったので休んでたら地元の方に「遍路ですか?」と声をかけられました。そういう土地柄なんですね。全然意識してなかったんですが、すぐ近くに第64番札所・前神寺があったので納得。


伊予氷見駅で讃岐街道から分かれ、新兵衛橋を渡って東予港へラストスパート。なぜか今回の旅では向かい風にやられたことが一度もありません。今日も順風満帆、うまく行き過ぎて怖いくらいです。そして18時ちょっと前に無事東予港にゴールしました。今回の旅はこれにて終了です。


出航まで4時間半もあるので暇ですが、幸いPHSが通じるのでブログ更新などして暇つぶしします。22:30発大阪南港行き、二等船室を取ります。JAFの会員証を見せると1割引になります。\4500。行きの学習効果で自転車は輪行状態で客室に持ち込みます。(^^; 船会社によっては手荷物料金を取られる場合もあるようですが、オレンジフェリーは無料でした。阪神と四国を結ぶフェリーではオレンジフェリーが一番好きなので、なるべくオレンジフェリーに乗りたかったのです。超豪華だし、安いし、サービスはいいし、非常に快適です。さすがに疲れで朝まで爆睡しまして、定刻より遅れて6時に大阪南港に着きました。ニュートラムまで輪行袋を担いで歩くのが大変ですが、オレンジフェリーは一番近いのでまだいいです。下船待ちや輪行準備の時間を考えるとしんどくても担ぐべきですね。

走行距離:85.5km
平均速度:17.5km/h

片雲の風に誘われて

コメント

  1. Choko より:

    ほんと完全無欠のサイクリング日和でしたね?^^
    少々のトラブルや辛い坂があっても、天気さえ完璧なら許される…っていうものでしょう?
    心なしか風景も紀伊半島の山々に似てませんか?
    いつの日か、ぜひトライしたいものです。
    お疲れ様でした。

  2. 完全無欠なサイクリング日和なんてなかなか経験出来ません。
    車もそれほど多くないようで、正に自転車天国ですね。
    余裕が出来たら、是非走りたいコースですね。
    但し、長いトンネルは避けたいです。

  3. SORA より:

    >Chokoさん
    こんな天気じゃなかったらたぶん行かなかったでしょうね。
    吉野川は地形的にも紀ノ川の続きですからね、ほんとよく似てますよ。
    池原ダムのあたりとそっくりです。きっとR425もこんな感じでしょ?

  4. SORA より:

    >中町ATIKさん
    いくら天気が良くても暑かったら嫌になってきますが、こんな爽やかな日はめったにないですね。
    四国の山の中は車も少ないしええとこですよ。
    長いトンネルが嫌ならあと400m登れば旧道がありますよ。1100mを一気に登るグランフォンドどうですか?(笑)