30年来の悲願達成!水呑峠へ行ってきた!

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ライド記録自転車

三重県に水呑峠というのがありまして、サイクリストなら一度は行ってみたいと考えたことがある憧れの場所なんです。自分もサイクリングを始めた30年前くらいからずっと行きたいと思ってたんですが、「そのうちに」と思っているうちにすぐ通行止めになってしまい、何十年も通行止めのままで永遠に行けそうな気がしませんでした。去年も一時は開通したみたいですが、その直後にまた土砂崩れが発生して通行止めになってしまいました。

これはもう生きてるうちには行けないかも?と思っていたのですが(笑)、今年の2月に再開通したとのニュースがあり、これは千載一遇のチャンスだと思いました。今なら間違いなく通れます。でも梅雨や台風でどうなるかはわかりません。今行っとかないとまた何十年も行けないかもしれないのです。

先のことは誰にもわからんのです。人生は短いのです。「そのうちに」は絶対タブーです。それが口癖になっている人は結局何もできません。やりたいことは先延ばしにするな! これ人生の鉄則です。というわけで、最高の天気を狙って速攻で行ってきました(笑)。

水呑峠とは?

三重県道603号線・大杉谷海山線にある峠で標高660m。全線舗装されているが、険しい地形のためたびたび土砂崩れが発生し、通行できることが極めて稀な「幻の峠」である。あまりに山深い大杉谷は一見行き止まりのように思えるが、そこから峠を越えて海へ抜けられる意外性にロマンを感じる人が多い。

水呑峠の行き方

水呑峠はそれほど高いわけでもないので、行くだけなら大したことはないんです。ただ峠は反対側に越えないと味わいが半減するんですよね。越えてしまうと当然戻ってこなければなりません。大変不便な場所にあるため、それが非常に困難なのです。だからこそ今まで行けなかったわけです。戻ることまで考えると次のようなコースが考えられます。

①一般コース:三瀬谷駅~船津駅/約61km/約790m

一般的に最もよく考えられるのが輪行を利用して戻る方法でしょう。自分も最初はこれを考えていました。ただ時刻表を調べてみると、これはそう簡単ではありません。帰りの列車が14時台と17時台にしかありません。14時台は非常に接続が悪く時間がかかります。14時台に間に合わせようとすると朝9時には出発する必要があり、車を持ってない人だと前泊が必須になりますね。次の17時台だと帰りがかなり遅くなってしまうので、翌日に疲れが残りそうです。本数が極めて少ないローカル線で輪行は現実的でないので、自分は早々に諦めました。

②変態コース:荷坂峠を越えて周回/約104km/約1210m

水呑峠を越えて海山へ下った後、R42で紀伊長島から荷坂峠を越えて三瀬谷へ戻るコースです。かなりの距離と獲得標高になるため、脚力に自信のある方はどうぞという感じです。脚が売り切れた後の荷坂峠は地獄でしょう(笑)。

③ド変態コース:千石越を越えて周回/約88km/約1590m

もっと変態な方は、大内山から千石越林道を越えて宮川へショートカットする人もいます(笑)。距離は若干短くなりますが、実は水呑峠より千石越の方が標高が高いため、もっと大変です。登りたくて仕方ない人はどうぞって感じです(笑)。

④貧脚コース:大杉から水呑峠ピストン/約24.6km/約450m

単純に大杉から水呑峠までピストンするだけのお気楽コースです。帰りは下りだけなので楽勝。これなら貧脚でも短時間で行けるでしょう。ただ車の運転が長くだるい。物足りない人はフォレストピア奥伊勢あたりにデポしてピストンすると宮川渓谷の風景も楽しめて印象深いと思いますよ。

⑤ヒルクライマー向けコース:大杉から海山ピストン/約46.1km/約1100m

サイクルツーリストは同じ道を戻るピストンコースを極度に嫌う傾向があります。特に峠だと一度下った道をもう一度登り返すというのが精神的に辛いからです。しかしこれはヒルクライマーにとっては最高のご馳走(笑)。彼らは当たり前のようにど~んと下って嬉々としてもう一度登っていきます。ヒルクライマーはツーリストとは思考回路が根本的に違うのです。考えてみればこれが一番合理的なんですよね。わざわざ周回するのに比べて距離は最短だし、獲得標高も少なくて済みます。これなら日帰りで十分行って帰れるんですよね。

採用したのは④と⑤の折衷案

⑤ができれば言うことないんですが、僕はそこまで変態じゃないので(笑)、④と⑤の中間をとって海山側に少しだけ下って引き返す案を採用しました。いかにも中途半端ではありますが(笑)、これなら海山側の風景も一応は楽しめるわけです。

路面状況について

実走した感想ですが、路面は想像以上にきれいでロードバイクでも十分行けるくらいでした。若干の落石はありますが、それさえ気をつければ全く問題はありません。ただし今後の降雨状況によってはまた荒れる可能性もあるので、最新の情報を手に入れるようにして下さい。

実走レポート

GPSログはこちら↓


県道沿いに駐車スペースはたくさんあるので困ることはありませんが、問題はスタート地点をどこにするか?です。宮川の渓谷自体が美しいので、本当ならもっと手前からスタートして風景を堪能した方が良いのですが、宮川ダムへの登りが結構しんどいのです。貧脚は少しでも脚を節約しなければなりません。かといってあまり奥まで進んでしまうと面白味がなくなるので、大杉にある登山センターの手前約500mの道が広くなった場所に停めました。消えかかってますが、一応白線が引いてあるので駐車場のようです。ここがギリギリ絶妙なスタート位置でしょうね(笑)。ここまで2時間半かかりました。午前10時40分に出発。


これが大杉の登山センターで、大台ヶ原への登山案内所になっています。隣に公衆トイレもあり。この日はたまたま近くにある大杉神社の神事が執り行われていて、付近は関係者の車両で一杯でした。手前に駐車しておいてよかった!


大杉を過ぎると一軒の民家もなく、携帯の電波も入らなくなります。よってTwitterはお預け! しばらく走ると新大杉橋が見えてきました。


新大杉橋までは県道53号となっています。県道沿いにはなぜか石仏や道祖神がたくさん並んでいます。ダムに沈んだ寺から持ってきたのか?とも思いましたが、それにしては数が多いんですよね。七福神やらタヌキの置物まであるし、意味がわからん(笑)。


これが新大杉橋です。県道53号は橋を渡って大台ヶ原登山口まで続いていますが、水呑峠方面は渡らず直進します。ここまでは何度か来たことがありますが、この先は全く未知のエリアです。


新大杉橋のたもとにある謎の二宮金次郎像(笑)


新大杉橋より先は県道603号に変わります。宮川貯水池の奥へ進んでいくと、東の山から下ってくる沢を越えるたびに道が大きくカーブします。向こうの山がすごく険しい!


展望所という看板があって、こんな休憩所もありました。


宮川貯水池の奥の方までずっと平坦でなかなか登りにならないのですが、支流の桑木谷川と分かれるところからようやく登りが始まります。


あまり多くはない県道603号のヘキサです。谷筋は若干落ち葉や流水がありますが、上へ行くほど道がきれいになります。


谷を詰めてだいぶ標高が上がってきました。向こうに見えるのは古ヶ丸山から池木屋山まで続く台高支稜線ですね。


こういう場所があると無駄に写真を撮ってしまう(笑)。これをやってるから時間かかるんですよね。昔は速かった理由がわかりました。昔は自転車の写真を撮らなかったからです(笑)。サドルに跨がったまま景色を撮るだけならそんなにかからないんですよね。


道が大きくカーブし出すと峠は近いです。あのガードレールの先を右に曲がったところが峠です。


峠の近くからは先ほど登ってきた道が見下ろせます。うーん、かっこいい!


12時20分頃、ついに水呑峠に到着しました。これが憧れ続けた峠なのか(笑)。道はきれいだし、勾配も最大で10%程度で全然大したことなかったですね。拍子抜けするくらい楽勝でした(笑)。


水呑トンネル。この景色が見たかったんだよ!(笑)


ここまで400m登りましたが、これだけではあまりにも物足りないのでもっと登りたい(笑)。峠の向こう側の世界を見てみたい。トンネルを抜けて海山側へ行きます。トンネルはそんなに長くないですが、当然真っ暗です。


トンネルの海山側から東方面を見たところ。下に見える砂利地は宮川第一水力発電所のあたりです。行き止まりだけどちゃんとした県道なので、一度探索に行ってみたいなぁ。


50mほど下ると菅ノ峠という場所があります。切り通しで尾根を乗り越えてはいますが、別に峠ではありません。ただの下り坂です。


さて、どこまで下りましょうか? ヒルクライマーなら当然のように一番下まで下ってもう一度登り返しますが、貧脚がそんな真似をすれば憤死してしまいます(笑)。どこか適当な場所で引き返さなければなりません。そこであらかじめストリートビューで展望の良さそうな場所を調べておき、そこまで下ることにしました。この場所を選んだのは何のためにあるのかわからない木組みがあるからです。これを覚えておけばいつか反対側から登ってきて道をつなげることができるでしょう? ここの標高が495m。峠から200m下ってますが、このくらい登り返すのはどうってことないでしょ。先に下るだけ下って、もう一度登りながらじっくり写真を撮ることにします。


海山側は山が大きく開けて雄大ですね。やっぱりこっちまで来て良かった。


向こうに見えるのが大台ヶ原ですね。三重県側から見るのは新鮮です。穏やかな奈良県側とは違って、かなり急峻な山容になっています。


峠を下った先にある河内の集落が遠くに見えます。霞んで見えにくいですが、その向こうに海がかすかに見えました! あの奥深い大杉谷を越えて初めて海が見えるところが感慨深いんですよ。


もう一度、菅ノ峠を通りました。ここにもミツバチの巣箱あり。さて、あとは水呑峠を越えて帰りましょう。下りは早いですが、平坦になってからが結構長いんですよね。午後2時30分に駐車地に帰ってきました。行動時間3時間50分、往復5時間以上で、車を運転している時間の方がはるかに長いサイクリングでした(笑)。

片雲の風に誘われて

コメント

  1. nonki より:

    レポ見ましたよ!
    いいなぁ〜、水呑峠。もう行ったのは随分前でした。自転車ではまだ越えたことがありません。
    道の駅奥伊勢おおだいにデポですかね。
    しかし、帰りがSORAさんが言うように問題。輪行がいいんだけど、ダイヤがねぇ。(´・ω・`)
    ま、行けるときに行かないととは思います。はい。

  2. SORA より:

    今なら拍子抜けするくらい道がきれいです。ごく普通の県道みたいな(笑)。
    ダイヤを調べると絶望的に接続が悪いですね。もう一度登り返した方が間違いなく早く帰れます(笑)。
    逆方向からだと割とうまく行くんですけどね。
    もしくは海山で一泊(宿はあるのか?)して、翌日荷坂峠を越えて帰るかですね。