熊野古道と小広和田川林道・宇井郷林道

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ライド記録自転車

2日目は中辺路の近露から熊野古道を通って小広峠に登り、そこから小広和田川林道に入って三日森山のピークまで約300m登ります。さらに四辻峠を経て和田川沿いに下って下川下から日置川沿いに近露まで戻ってくる約42kmのコースプランを立てていました。

こういう林道って本当に行けるのかよくわからないのですが、事前にGoogleストリートビューを見て全線映っていることから問題なく通れるだろうと予測していました。しかしそう簡単には行かないのですね(笑)。このあたりの情報は非常に少なく、今後行きたいと考えている方のために現状報告も交えてレポートします。

走行ログはこちら↓


前夜車中泊した近露王子公園から午前8時にスタートします。本当は近露の集落を抜けて行ける道があるのですが、Googleストリートビューによると通行止めになっていました。現在の状況はわかりませんが、リスクを避けていったん国道に出ます。


R311を本宮方面へ走って最初の切り通しを越えたところにある「国道笠松」のバス停が熊野古道への入口です。ここを左折してつづら折れの急坂を登っていきます。


ところがこの道は相当な激坂で、最後はとても乗っては登れず押しました(笑)。


熊野古道に入るとコンクリート舗装された幅2メートルほどの道が続きます。この辺はちょっとややこしいんですが、R311と並行して旧国道とさらに上に熊野古道が通っています。結構激坂があるので32T以上の軽いギアを装備してないと厳しいかもしれません。


熊野古道を走って行くと、よく観光案内などに登場する名所の「とがの木茶屋」が現れます。このあたり継桜王子、秀衡桜といった名所が集中しており、公衆トイレもあります。ちなみに「野中の清水」は旧国道沿いにありますので、熊野古道を通るとパスしてしまいますので注意。


やがて熊野古道は旧国道に合流し、小広峠が近くなってくると、左手にやたらと立派な新高尾トンネルが現れます。この道は龍神本宮林道につながっているんですが、20km先で崩落があり現在は通行止めになっています。紀伊半島の林道はそこら中ズタズタですな。


とりあえず小広峠に着きました。標高535m、近露から250mほど登ってきました。自転車で来るのは1994年以来、二度目やな。


小広峠の三差路を右折して小広和田川林道に入りますよ。とりあえず通行止めの看板はないな。最初の取り付きがちょっと激坂なんですが、そこを越えるとトラバース道となって平坦か緩い上りになります。


ところどころで伐採作業をやってますが、通行には全く問題なし。この道は広域基幹林道なので道幅も割と広く路面はきれいです。山腹に沿ってぐんぐん高度を上げていくとパッと視界が開けました。うーん、いい景色!


下に見えるのは小広峠のあたりでしょうね。もうこんなに登ってきたのか!


なぜかこの一角だけススキの大群落がありました。しょぼくなった最近の曽爾高原よりきれいやで!


最後がちょっと激坂だったんですが、三日森山の肩にあるピークに到着しました。標高850m。ここでもう一本の林道と分岐しています。この時はまさかそっちへ行くとは思わなかったんですが(笑)。


ピークから下っていくと展望の開ける場所がありました。おお、素晴らしい眺め! やっぱり来て良かったぞ、とこの時は素直に喜んだものですが(笑)。


標高710mまで高度を下げると四辻峠と呼ばれる場所に着きます。事前にGoogleストリートビューで予習していたので、あ、見覚えのある風景や!(笑)


ここは峠と名が付いていますが、実際には鞍部であって峠ではありません。まあ尾根を横切ると峠ということになるのでしょうね。小広和田川林道は右折して下っていきますが、直進すると小広静川林道となって本宮町静川へ抜けられます。地図によっては載ってませんが、Googleマップで見る限りはしっかりした舗装林道がつながっているようです。


そして四辻峠から右折して小広和田川林道を下っていきます。基本的にもう上りはなく、あとは和田川沿いに下るだけのはず。そう思ってたんですが、やけに道が荒れてて不穏な雰囲気。そして60m下ったところで信じられない光景が・・。えっ、何ですかこれは? こんなん聞いてないぞ! 崩れてるならもっと早く書いとけや! あまりのショックに崩れ落ちました(笑)。

これはいつかのデジャヴやな。林道走ってたらよくあることです(笑)。ちょっと先の方を見に行きましたが、倒木が塞いでいて通れそうにありません。さらにずっと先の方まで崩落が続いているように見えましたので、これはどう考えても無理と思いました。こういうときは素直に引き返すのが鉄則。馬鹿なことを考えると遭難しますよ。ピークまであと200m登り返しか、しかもかなり激坂やったぞ。しかしなぜかあまり嫌な気はしない。いったん下った道を登り返すって変態ヒルクライマーしかやらんのやけどな、たくさん登れて嬉しいと思ってる時点で変態の仲間入りか?(爆)


四辻峠まで戻ってきたところでこの看板を発見。往きは倒れてて見えなかったんだよ。おいおい、どこ見とったんや! これに気付いてれば60m無駄に下らなくて済んだのに。


四辻峠から脇目も振らず登ってピークの分岐まで戻ってきました。これで30分のタイムロスか。さてこれからどうするか葛藤が始まります。そのまま小広峠まで引き返せばもちろん何の問題もなく帰れます。しかし昨日も通行止めにやられてるしなぁ、それじゃ二日連続で不完全燃焼になってしまう。こんなに良い天気なのになぁ、ここで引き返すのはあまりにも惜しいと欲が出てきたのです。

そこで思いついたのが、この分岐から伸びるもう一本の林道を通ることです。一応、国土地理院の地図では道がつながっていて、最終的には宇井郷という場所で小広和田川林道に合流します。つまり、当初の目的はほぼ達成できるわけです。ただ情報が全くないので、道の状況や、そもそも通れるのかどうかさえわかりません。入口からしてヤバそうな感じ(笑)。万が一、また崩れてたら登り返すのが大変やぞ。しかし入口に通行止めの看板がないということは行けるということやろ? 判断には悩みましたが、とりあえずちょっとだけ様子を見に行って道が悪そうなら引き返そうということになったのです。


分岐からもう少し登りましたが、すぐ平坦になって林道宇井郷線の看板が現れました。意外ときれいな道やん。合流点まで7kmちょっとか。この時点でもう行くしかないと思いました(笑)。こういう判断ができたのは、まだ10時40分と時間が早かったからです。万が一、下の方で崩れてたとしても、とにかくこのピークまで戻れば確実に帰れることはわかってます。あとは体力の問題だけ。食料もあるし、遭難することはないやろ(笑)。


尾根上の道を進んでいくと、突然視界が開けて絶景が飛び込んできました。うぉぉ~、これはすごい! しかしここからまた道が悪くなり、酷く荒れたコンクリート舗装。しかも下るのが怖いくらいの超激坂。これを登り返すのは絶対嫌やな(笑)。とにかく後戻りはできん!


尾根をぐるっと回り込んで北向きに進行方向が変わると、また道がきれいになり、空が大きく開ける開放的な雰囲気。まさに天空の道! これはやっぱり来て正解やったな(笑)。


谷を詰めたところの大カーブで折り返して、川沿いの下りに変わります。道はところどころ荒れてますが、行けないことはない。と思ってたら、標高470m付近で突然ダートに変わりました。どうせ100mくらいで終わるんでしょ?と思ってたら、行けども行けども終わらない。これはまさか終点までダートのパターンか? 林道の工事って割と上から進むことが多いので、麓の方だけ未舗装ということはよくあるんですね。もうだいぶ下ったはずだから、あと2~3kmというところか? まあ歩いても大したことはない。あの激坂を登り返すなんて考えたくもないよ(笑)。よく締まったダートならロードバイクでも走れないことはないんですが、大きな石も多く、かなりガレています。これは無理に走ったらパンク間違いなしなので、乗れそうな所は乗り、無理なところは押す、を繰り返しながらひたすら歩きました。ああ、SPDシューズで良かった(笑)。


そして2kmちょっと歩いたみたいですが、道が舗装に変わり、宇井郷に出てきました。一応、人の気配のある民家が一軒だけあります。あの心細い道をトボトボと歩いていた時から比べるとまさに救われた気分になります。ともかく、これで本来のコースに復帰できました!


宇井郷から下川上まで続く和田川沿いの道はとても気持ちよくて、写真を撮るのも忘れてました(笑)。


下川上から安川沿いに走って、下川下からR371を北上します。


そして平瀬に入ったところで「乙女の寝顔」の展望ポイントがあります。向こうの山の稜線が女性の寝顔に見えるってことで、髪の毛っぽいのもありますよね。言われなければわからない人も多いんでしょうが、一度気付いてしまうとそのようにしか見えないという心理トリックなんですな(笑)。


平瀬から県道217号に入り、近露まであと10kmくらい。この道は過去に一度だけ走ったことがあります。日置川沿いでほぼ平坦か緩い上りが続きます。たびたび通行止めになってますが、道路は改良されて舗装がきれいになってました。しかし水が切れた、ヤバい! 近露まで意外と遠かったですね。自販機も何もないのでとにかく我慢。


そして午後1時頃、やっと近露のAコープに着きました。この辺では貴重な補給ポイントですよ。ジュースを飲んで生き返ります。そこからすぐ近くの近露王子公園に戻って、本日のライド終了! 久々に獲得標高1000m超え! ハプニングはあったが、とにかく無事に帰れてよかった。まあ林道走ってたらこんなのは日常茶飯事ですよ(笑)。過去に痛い目に遭ってるしなぁ(爆)。

というわけで、もしこの辺行こうと思っている人がいたら道路状況には十分ご注意下さい。ロードバイクで行くのは決しておすすめしませんが(笑)、グラベルロードやMTBなら楽しめるコースだと思いますよ。

片雲の風に誘われて