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おっさん向けのポジションを考える

投稿日:2019 年 12 月 20 日 更新日:

ロードバイクってポジションが大事ですよね。どんな高性能バイクもポジションが出てないと本来の性能を活かすことができません。バイクを生かすも殺すもポジション次第。走っててスピードが出ない、すぐ疲れると感じるのはどこかポジションが間違っていると考えるべきでしょう。

ただこのポジションっていうのが結構厄介なものでして、厳密にフィッティングしている人なんてあまりいないだろうと思います。自分も含めてですが、一般的に言われている説を信じて「だいたいこんなもんだろう」で決めちゃってることが多いんだろうと思います。

一般的にロードバイクのポジションで正しいと信じられているのはだいたいこんなところじゃないでしょうか? もちろん適正の範囲内でということですが。

・サドルは高いほど良い
・サドルは後ろに引くほど良い
・ハンドルは低いほど良い
・ハンドルは遠いほど良い

これってよく考えると全て前傾を深くする方向へ行くんですよね。初心者はこれと逆のことをしたがります。でもロードバイクに慣れるにつれて前傾を深くする方向へ持って行こうとします。それはまあ、その方がスピードが出ると信じられているからです。そして見た目が良いんですよね。ハンドルがサドルより思いっきり低い状態、俗に「落差」と呼んでいますが、これが10センチくらいあるとかっこ良く見えます。逆はダサいです(笑)。つまりロードバイクのポジションを見ればおおよそ初心者か熟練者かはわかっちゃうわけです。だから初心者に見られまいと見栄で前傾を深くする傾向があるんですよね。

でもこれって本当は「レースで勝つためには」という前置きが抜けてるんですよね。およそロードバイクで言われている常識みたいなものは全て「レースで勝つためには」という大前提があるんです。軽量化もしかり、ビンディングペダルもしかり。ロードバイクはもともと競技機材ですからそうなるのも仕方ありません。でも自分も含め、大多数のおっさんはレースに出るわけじゃありません。しかも体力が衰えています。競技者と同じことをやるのが必ずしも正しいとは限りません。

おっさんは体の柔軟性や体幹力が衰えているため、無理な前傾姿勢をとると疲労が溜まるし、腰を痛める原因にもなります。おっさんが若者と同じことをやってはいけません。おっさんにはおっさんにふさわしいポジションがあるはずでしょう? そこで「ロードバイクの常識を疑う」シリーズ第3弾はポジションですよ(笑)。

そもそもポジションを考えるきっかけは?

これまで自分もポジションなんて深く考えることはなかったんですよ。まあ適当です(笑)。ただロードバイクとミニベロを両方乗ってみて、なぜかミニベロの方が長距離走っても疲れが少ない、それどころかロードより良く走るような気がしてたんですよね。普通に考えたらロードの方が絶対楽なはずなんですが、それが逆なんです。これはもしかしたらポジションに原因があるのかもしれないと思い始めました。

今乗っているミニベロIDIOM、あるいは前に乗っていたMR-4もそうなんですが、ロードほど深い前傾姿勢ではありません。ママチャリ並みとまでは行きませんが、ある程度アップライトな姿勢で乗ります。スポーツバイクの常識から言いますと前傾を深くして乗った方が上体の力が使えて楽になるということなんですが、どうも前傾姿勢が疲労の原因になっている気がしました。確かにグイグイ踏み込んでスピードを出すなら前傾姿勢が有利なのでしょうが、おっさんにそんな無茶な走りをする体力はありません。ポタリングペースでへろへろと走っている限り、アップライトな姿勢の方が腰への負担が少なく、結果的に長時間乗り続けられるのではないか?という結論に至りました。

ポジションを決める要素

ポジションを決める大前提としてフレームのジオメトリーがありますが、これは後から変えることができません。サイズ選びについては後述しますが、まず適正なサイズのフレームを選んでいることが前提になります。後から調整可能な範囲を超えているような場合は明らかにフレームサイズ自体が合ってないということになります。

ポジションを決める要素というのは非常に多くあり、思いつくだけでも次のようなものがあります。

・サドルの高さ
・サドルの前後位置
・サドルの角度
・ハンドルの高さ
・ステムの長さ
・ハンドルの角度
・クランクの長さ

あまりにもパラメータが多すぎて、これらを同時にいじっちゃうとわけがわからなくなりますから、一つずつ試行錯誤しながら最もしっくりするポジションを見つけていくしかありません。今も試行錯誤の最中です。

ポジションの決め方

サドルの高さ

すべての基準になるのはやはりサドルの高さでしょう。これが合ってないと話になりません。ところが意外と間違っていることが多いのです。というか、自分も間違っていました(笑)。

多くの場合、高すぎになる傾向があります。それは「サドルは高いほど良い」という思い込みがあるからで、乗ってみてペダリングに支障のない範囲でできるだけ高くしようとするからでしょう。たぶん見栄もかなり入ってると思いますね(笑)。

サドルの高さというのは正確にはBB軸からシートチューブに沿ってサドル上面までの長さを測ります。IDIOMは何となく乗ってて楽だと感じていたので、測ってみたらサドル高は67cmでした。ところがロードバイクで測ってみると69cmもありました。あれ、2センチも高いぞ?

サドル高の設定は簡易的にはペダルを一番下にしたときにかかとが軽く触れるくらいとされていますが、正しく設定するには自分の股下寸法を測る方法が推奨されています。股下寸法の測り方は下の動画が参考になります。

この方法で測ってみたら股下寸法はシューズの厚みを1cmとして合計76cmでした。そこからサドル高を割り出すにはいろんな理論があって、股下寸法-105mmとする説や、股下寸法×0.87とする説もあります。一応両方計算してみますと、それぞれ65.5cm、66.1cmとなりました。いずれの方法にしても69cmというのは明らかに高すぎることがわかりました。あまりサドルが高すぎると膝が伸び切ってしまってペダルに力が入らないんですよね。

そこでとりあえず2cm下げてIDIOMと同じ67cmにしてみました。これでもまだ高いくらいなんですが、あまり一気に下げるのも極端すぎるんで、しばらくこれで様子を見てみます。この高さで乗ってみますと明らかにペダルに力が入る感じがわかりました。またペダルにしっかり体重がかかるので結果的にお尻の痛みも軽減されたように思います。やっぱりサドルの高さって大事なんですよね。おそらくほとんどの人は高すぎになってるので、もう一度確認した方がいいですよ。

サドルの前後位置

サドルの高さだけでなく、前後位置も重要な要素です。これを変えるとペダルを漕ぐ位置が前後します。基本的には大腿部の長さで決まるのでしょう。正しい設定方法としては、膝の窪みから重りを付けた糸を垂らして、クランクを水平にした時に糸がペダルの中心軸を通るのが適正とされています。

でも実際にそれをやるのはめんどくさいので、簡易的には実際にペダルを漕いでみて一番しっくりする位置を探るのが良いと思います。試しにサドルの上で少しずつお尻をずらしながら乗ってみると、ペダルに力が入る感覚が変わるのがわかると思います。前過ぎても後ろ過ぎても全く力が入りません。ペダルに最も体重がかかるポイントを探るのがコツです。そのようなポイントは非常に狭いことに気付くでしょう。おそらく2センチとかそのくらいの範囲しかありません。ですからこの設定もすごく重要です。

一応、基本はサドルレールのセンターでOKです。もともとフレームがそのように設計されているからです。でもそれでしっくり来ない場合は前後に1センチくらいずらして様子を見てみるのが良いでしょう。あまり極端に動かすのはダメで、2センチ以上動かさないといけない場合はフレームサイズが合ってないと考えるべきでしょう。

ちなみに初心者がやりがちなのは、ハンドルが遠いからと言ってサドルを前に出しちゃうケース。これをやるとペダルを漕ぐ位置が変わってしまうのでダメです。あくまでもハンドルの遠さはステム交換で調整しなければなりません。恥ずかしながら自分もやってました(笑)。

サドルの角度

サドルの角度はポジションには直接影響しませんが、長時間乗ったときにお尻の痛みに効いてきます。基本的にはサドル上面が水平になるセッティングで良いのですが、やや前下がりにした方がお尻の痛みは軽減される場合もあります。これは個人差がありますから一概には言えません。僕の場合はわずかに前下がり、角度にして3度くらい下げるのが好みです。お尻が痛くて我慢できない人はこれを調整するだけでかなり緩和されます。ただし極端に前下がりにすると座る位置が前にずり落ちて来ますのでやり過ぎはダメです。

ハンドルの高さ

初心者のうちはなるべく高くしたがりますが、慣れるにつれて低く低くしていくのが通常のパターン。ガチで乗ってる人はサドルとハンドルの落差が10センチくらいあったりしますね。でもおっさんが真似をしてはいけません。それをやるといずれ腰を痛めます(笑)。

ハンドルを下げるほど空気抵抗が低くなり、上体の力も有効に使えるようになりますが、おっさんの場合は疲労の悪影響の方が大きいです。疲れて走れなくなっては元も子もありません。おっさんは腰への負担を最小限にするため、サドルとハンドルは同じくらいの高さでいいと思います。フレームによってはハンドルをあまり上げられない場合もあるでしょうね。とにかく限界まで上げちゃいましょう。僕もステム下のスペーサーを全部入れて一番高い位置にしてあります。これで落差は2センチくらいですが、実際に乗ってみてちょうど良いくらいに感じます。これ以上、下げない方がいいと思いますけど、サドルをさらに低くするのであればもう1段は下げてもいいでしょうね。

ステムの長さ

ステムは長い方がかっこ良く見えるので、つい見栄で長くしがちですが、あまりにハンドルが遠すぎると腕が伸び切って上体を支えるのがしんどくなります。おっさんは体幹が弱ってるので無理をしてはいけません。肘が軽く曲がるくらいの長さにしましょう。自分の場合、完成車には100mmのステムが付いてきましたが、ハンドル近い方が好みなので90mmに交換しました。このくらいの方が上体がゆったりした感じになって楽です。別にレース出るわけじゃないので無理な前傾は不要。

基本的にはブラケットポジションで合わせますが、人によってはほとんど上ハンしか使わないということもあるでしょう。その場合は少し長めにしても良いかもしれません。

ハンドルの角度

ブラケット部が水平になるのが基本とされていますが、自分の場合、手首を少し前にひねるような感じになってしんどいので、わずかに上向きにするのが好みです。これなら手のひらがほぼ真っ直ぐブラケットに当たって楽です。若干ですが、ハンドルも近くなりますしね・・

初心者にありがちなのですが、ハンドルを極端に上向きにしてる人いますよね。俗に「しゃくる」と言うんですが、あれはハンドルを少しでも近くしたいという気持ちの表れなんでしょうか? あそこまで上げちゃうと下ハンは完全に無視したセッティングになりますね。初心者は下ハン使わない人も多いんでしょうけど、下りや向かい風は下ハン持った方が楽ですよ。下ハン使わないんならドロップハンドルの意味ないですから・・

クランクの長さ

理想的なクランクの長さは身長の10分の1とされていますが、最近はもっと短い方が良いという理論もありますね。自分の場合、身長から考えると165mmが適切なんですが、完成車だと必ず170mmが付いてくるんですよね。これって長すぎじゃないんですかね?

クランクが長すぎると膝が回りにくくなるので良くないとされてますが、逆に長い方がテコの原理でトルクは出せるわけで一長一短があります。クランク長の選び方には諸説あって今でも意見は分かれています。結局は両方試してみてしっくりする方を選ぶしかないのでしょう。まあ回転重視なら短い方が良く、トルク重視なら長い方が良いってことでしょうか?

ただクランクって結構高価なパーツなのでそう簡単に交換できないのが悩ましいところですね。これはもう最後の手段として取っておくしかないですね。

フレームサイズの選び方

すでに買ってしまった場合は仕方ないんですけど、これから買うならフレームサイズの選び方がとても重要です。間違ったサイズを選んでしまうといくらいじっても正しいポジションは出せません。自分も今のロードバイクを買うときにサイズ選びでものすごく迷いました。

フレームサイズって身長によってきっちり分かれているわけじゃなくて、ある程度オーバーラップしているのが普通です。つまり適応身長から言えば少し小さめと少し大きめのどちらでも選ぶことができます。この場合、どっちを選ぶかは悩ましいところで、自分も非常に微妙なラインだったので最後まで迷いに迷いました。

一般論ですが、適合するフレームサイズが二つある場合は小さめのサイズを選んだ方が良いというのが最近のセオリーみたいです。理由は後から調整可能な範囲が広く、より深い前傾姿勢を取れるからです。しかしここでも「レースで勝つためには」という前置きが抜けていることを忘れてはいけません。瞬発的にスピードを出すためには確かに前傾を深くした方がいいでしょう。でもレースなんか出ないおっさんには極端な前傾姿勢はしんどいだけです。

そこでサイズ選びの考え方としては、自分がどういう乗り方をしたいのかを基準にすれば良いと思います。レーシーな走りを求めるなら小さめのサイズを、ファンライドが目的なら大きめのサイズを選ぶのが適しています。その理由は、小さいフレームではヘッドチューブが短いため、より深い前傾姿勢が取れるからです。サドルの高さは常に変わりませんから、相対的にハンドルが低くなるわけです。逆にハンドルを高くすることができませんので、窮屈な前傾姿勢を強いられます。ですからレースを目的としないおっさんの場合は大きめのフレームを選ぶことを提唱します。自分も迷った末に大きめのフレームを選びました。狙い通りハンドルを高くすることができて正解だったと思っています。結果的にハンドルが遠くなったとしても、それはステムを短くすることで対応すればいいだけです。

おっさんは見栄を捨てよ!

むやみにサドルを高くしたり、ハンドルを低くしたりするのはほとんど見栄なんですよね(笑)。その方がかっこ良いですから。でも別におっさんはレースで優勝を狙っているわけじゃないでしょう? ほとんどのおっさんはレースなんか出ないファンライド専門ですよ。それなのに無理な前傾ポジションにする必要はありません。楽に乗れるのが一番。もう人生終わってるおっさんは見栄を捨てましょう(笑)。

ロードバイクってポジションがバッチリ決まればどこまでも走り続けられると言われています。自分は未だそのような境地に達したことはないですね(笑)。ロードバイクって何か疲れるし、ミニベロの方が楽だと思っているくらいですから。それって絶対ポジションがメチャクチャだからなんですよね。自分も含めて、ロードバイクに乗っててすぐ疲れる人はいま一度ポジションを見直した方がいいよってことです。特におっさんは無理してはいけません(笑)。未だ試行錯誤の途上ですが、自分もいつか人馬一体の境地を味わってみたいものです(笑)。

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