車中泊の目的地に着いて実際に寝る準備を始める前に、まず確かめておくこと、注意すべきポイントをまとめておきましょう。これらは快適に車中泊を楽しむために欠かせないポイントです。場合によってはその場所での車中泊をあきらめ、他に移動した方が良いケースもあります。
1. 宿泊地には明るいうちに到着する
道の駅など場所がわかっている場合は暗くなってからでも問題ありませんが、地図に載っていない公園や休憩所を探そうと思うと暗くなってからでは難しいものです。また真っ暗では全体の状況を把握することも難しくなります。
それに車内を車中泊仕様にセッティングするのも暗くなってからではやりづらいので、明るいうちに着いておくに越したことはありません。
2. 駐車場の利用時間に注意
公共の駐車場でも夜間閉鎖されるところがあるので、事前に確認しておきましょう。入口に必ず注意書きがあります。特に市街地の近くにある運動公園などは夜間閉鎖される場合がほとんどです。観光地の駐車場などでもたまにそういうケースがあります。普通は係員に注意されると思いますが、もし閉鎖されたら開場時間まで出られなくなってしまいます。
3. 車を停めるべきポイント
駐車場に入って車をどこに停めるかによって、車中泊の快適さが左右されるケースが往々にしてあります。基本的に交通量が少なく、車の出入りがほとんどない場所ではあまり気にする必要はないのですが、そうでない場所では駐車位置が最も重要なポイントになります。
駐車場の出入口に近い場所は避ける
これは基本中の基本です。出入口の近くは車が頻繁に通りますし、ヘッドライトに照らされて起こされる可能性が高いからです。
トイレに近い場所は避ける
トイレに近いと何かと便利ですが、あまり近すぎる場所は人が頻繁に通るので落ち着きません。夜間は横着してトイレの横に車を乗り付ける人も多いので、車の騒音も気になります。ですからトイレのすぐ近くは避けるべきですが、あまり遠すぎても不便なものです。できるだけトイレから30mくらい離れた場所を確保できればベストでしょう。
大型車駐車場の近くは避ける
道の駅にはたいてい大型車用の駐車場が数台分確保されていて、夜間は長距離トラックのドライバーが入ってきて仮眠することがあります。なぜか大型車はアイドリングしたまま何時間も停まっていることが多いので、非常にうるさいです。横に大型車が停まってしまったら寝られません。ですから、できるだけ大型車駐車場から離れた場所に停めるようにしましょう。
できるだけ道路から離れた場所に停める
交通量の多い幹線国道では、深夜も長距離トラックの騒音が気になって寝られないことが多いものです。しかし、同じ駐車場であっても道路に近い側と遠い側とでは騒音にかなりの差があります。たとえ数十メートルでも道路から離れるだけで騒音はかなり和らぎます。ですから駐車場がある程度広い場合は、なるべく道路と反対側の方に停めた方が比較的騒音が気になりません。
過密地帯は避ける
週末の道の駅など、車中泊をする人で混み合っている場合があります。特にトイレの近くなどの人気ポイントはかなり過密になっていることが多いものです。すぐ隣に車がいるとドアの開け閉めやアイドリング音が気になって寝られません。そういう場合はなるべく空いている方へ移動しましょう。
たまに駐車場がガラガラに空いているのになぜかすぐ隣に停めて長時間アイドリングする車がいます。こういうのは非常に腹立たしいですが、待っていても時間の無駄なので、さっさと自分から移動しましょう。
それでも空きがないくらいに駐車場が混んでいる場合は、もうその場所での車中泊はあきらめて他へ移動した方が賢明です。だいたい道の駅というのは誰もが利用するため混雑しやすく、他の場所ならいくらでも空いている可能性があります。
4. 駐車場の傾きに注意
坂道の途中に作られたような駐車場では明らかに傾いているのがわかる場合があります。あまりに傾きが強いと非常に寝心地が悪くなりますので、そのような場所しかなければあきらめて他に移動した方が賢明です。
また一見平坦に見える駐車場でも、水はけを良くするために必ず傾いています。こういうのはなかなか気付きにくいのですが、頭が低くなる方向に停めてしまうと何となく寝心地が悪いのがわかります。頭を低くすると血が上ってしまうため寝付きも悪くなります。ですから車を停める前に、駐車場の傾きはチェックしておきましょう。水準器があればベストですが、なくても排水溝のある方向を見ればだいたいわかります。排水溝のある方が必ず低くなっているからです。
5. 土曜の夜は要注意
まず土曜の夜は混雑するという問題がありますが、それとは別の問題がもう一つあります。それはヤンキーやドリフト族の存在です。彼らは基本的に土曜の夜に活動する習性があります。私も実際に遭遇したのですが、昼間は良さそうな場所に思えても、夜はドリフト走行のタイヤ音に叩き起こされて寝られなかったことがあります。
道の駅でも駐車場がやたらと広く、その割に人気がないところは要注意と思った方がいいでしょう。深夜は格好のサーキット場になります。駐車場内をタイヤを軋ませながらグルグル周回されると、突っ込んでこないか心配で車中泊どころではなくなります。道の駅だけでなく、峠道などでも同様でしょう。こういうのはアスファルトにタイヤ痕が残っていないかチェックするとおおよそわかります。タイヤ痕がくっきり残っているようなところは土曜の夜に泊まるのはやめて他へ移動した方が賢明です。