激安中華GPSサイコン XOSS G+のレビュー

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GPS自転車自転車用品

ひさびさにガジェットネタです(笑)。最近話題の?中華GPSサイコンを買ってみましたのでレビューします。もともとGarminを持ってるので全く必要ないんですけど、そこは物欲ですよ(笑)。これまでGPSサイコンと言えば安くても1万円近くしましたが、5千円もしないんならお試しで買ってみてもいいんじゃないですか? ネタですよ、ネタ。アクセスを伸ばすには投資が必要です(爆)。

最近ハブ軸に巻くタイプの格安スピードケイデンスセンサーなどで人気が出てきたXOSSという謎の中華メーカーが出しているGPSサイコンなんですけど、Amazonの通常価格は4,650円程度です。不定期にタイムセールで値下げしてることがあるので、こまめにチェックしておくと良いことがあるかもしれませんよ。自分が買ったときは何と2,507円でしたが、この値段では二度と買えないと思います。

買った理由

もともとGarminのeTrex 30xを持っていて、IDIOMとロードバイクの両方で使い回してました。いわゆるマグネット式の従来型サイコンというものは取り付けてません。GPSがあれば要らないからです。ただロードバイクはそれで良いとして、IDIOMは普段乗りにも使っているので、ちょっと外出するときにいちいちGarminを取り付けたりはしません。ログを取ったりする必要性も全くないですからね。でも走った距離とかは当然カウントされないわけで、月間何キロくらい走ってるかは不明です。毎月何キロ走るとかそんなくだらん目標は一切ないですが(笑)、たとえばタイヤの交換時期とか、メンテナンスをする上で積算の走行距離って結構重要な情報なんですよね。常時計測が可能なサイコンを付けてないとそういうのが全くわからないわけです。

そういう目的に適しているのはやはり従来からあるCATEYEのサイコンが一番です。それも有線式のものがベストです。電池が一ヶ所で済みますし、寿命も長いですからね。それに何と言っても安いのが魅力。ただ有線式は折り畳み車にはあまり付けたくないんですよね(IDIOMは一応ハンドルが畳めます)。かといって無線式はまた別の問題がありまして、ミニベロだと電波が届かない可能性が高くなります。無線式のサイコンはたいがい本体とセンサーの距離を60cm以内にせよと書いてあります。IDIOMの場合、ホイールからハンドルまで70cm以上ありますので、電波が届かないか、届いても不安定になる可能性が高いです。それにセンサーやマグネットを取り付けるのもやっぱり煩わしいんですよね・・

そうなると残るはGPS式しかありません。これならセンサーは不要だし、取付場所の制約も受けません。見た目も非常にスッキリ。良いことずくめですが、最大のネックは価格と電池寿命です。サイコン代わりに付けっぱなしにすることが前提なので、高価なものは盗難の恐れがあり絶対にNGです。Garminなどは論外ですが、最近出てきたiGPSSPORTでも1万円近くしていました。個人的には付けっぱなしにするにはCATEYEのサイコンと同程度、せめて5千円以下でないとだめですね。それにGPS式の場合は電池寿命が短く、いちいち充電しなければならないのがネックになります。従来型サイコンのように、一度電池交換すれば年単位でメンテフリーというわけにはいかないのが難点です。

そこでこのXOSS G+に注目したわけですよ。まず最大の魅力は安さ。4,650円でも十分安いと思いますが、たまに4千円を切ることもあります。タイムセールをやってたら迷わず買いです(笑)。最悪盗まれたとしてもこのくらいの値段なら諦めもつきます。機能的にはシンプルですが、最低限スピードと距離がわかればいいのでそれで十分です。サイコン以上のものは求めていません。あと電池寿命は公称25時間ということですが、そんなに長時間乗るわけではないので、たまに充電する程度なら我慢できると思いました。

パッケージ内容


こんな感じのパッケージで届きました。簡素ですが、これで十分。パッケージに印刷されているQRコードをスマホで読み取ると専用アプリがインストールできます。


内容物はこれだけです。本体の他に、簡易マウントとゴムパッド、ゴムバンド、それにマイクロUSBケーブルが入ってます。説明書すら入ってません(笑)。


付属のゴムパッドはマウントの裏にはめて使います。4ヶ所丸くカットされていますので、ハンドルバーやステムに合わせて取り付けることができます。


早速IDIOMに取り付けてみました。このようにマウントのフック4ヶ所に付属のゴムバンド2本をたすき掛けにします。25.4φのハンドルバーには緩いかなと思いましたが、別に回ったりすることなくしっかり取り付けられました。これなら簡単に取り外しできるので、複数の自転車に使い回すのも楽です。なおこのマウントはGarminと互換性があるので市販のレックマウントなども利用できます。もっとスマートに取り付けたい方は別売のアウトフロントマウントを購入すると良いかもしれません。

使い方


説明書がないと思ったら、パッケージの裏に印刷されているのが説明書みたいです(笑)。これは大まかな画面の説明です。左上のGPSアイコンが点滅中は衛星探索中、点灯に変わると捕捉が完了したことを示します。同時に電波強度も3段階のバーで表示されます。またメイン数字の左側には平均速度よりペースが速いか遅いかを示す三角アイコンが表示されます。これはCATEYEと同じですね。


操作説明はいたってシンプル、これだけしかありません(笑)。主な操作は下記の通りです。

電源ON/OFF→右ボタンを長押し
記録開始→左ボタンを短く押す
ポーズ・再開→左ボタンをもう一度短く押す
記録終了→左ボタンを長押し
ページ切替→右ボタンを短く押す

左右のボタンを同時に長押しすると、センサーアイコンが点滅し、センサーの検出モードになります。センサーはANT+にだけ対応しています。Bluetoothには対応しないので注意。心拍センサー、スピードセンサー、ケイデンスセンサーが使えます。


実際の画面です。電源投入後はメインにスピードが表示され、その下に走行時間と走行距離が表示されます。あと外部のセンサーがあれば心拍数とケイデンスも表示されます。


右ボタンを1回押すと平均速度・高度・斜度の表示に変わります。センサーがあれば平均心拍数と平均ケイデンスも表示されます。


さらに右ボタンをもう一度押すと最高速度・現在時刻・積算距離に変わります。センサーがあれば最大心拍数と最大ケイデンスも表示されます。

スマホとの接続と初期設定

このサイコンは単体でも使えますが、設定は一切できないので細かい設定はスマホのアプリを経由して行うことになります。まず最初にXOSSのアプリをインストールしておく必要があります。

インストールする際にメールアドレスを入力してアカウントを作成する必要があります。パスコードの欄がありますので、そんなもん持ってないぞ?と思われるでしょうが、とりあえずメールアドレスを入力してSendボタンを押しますとパスコードがメールで送付されますので、それを入力すればOKです。ただ1分以内にしないと無効になるので、なかなか忙しいです(笑)。アカウント名とパスワードはあらかじめ考えておきましょう。


アプリをインストールできたら最初にすることは機種の選択です。左上にあるアバターアイコンを押すと機種一覧が表示されますので、この中からXOSS G+を選びます。


機種を選んだらサイコンとの接続を行いますが、スマホとの通信はBluetoothで行いますのでスマホ側でBluetoothを有効にしておかなければなりません。当然サイコン側の電源も入れます。そしてConnectボタンを押すと接続が始まりますが、起動直後にやると失敗するので数十秒待ってから押して下さい。サイコンが検出されるとXOSS G+に続いてシリアルナンバーが表示されます。それをタップすると接続を試みます。


接続に成功するとConnectedと緑色で表示されます。この状態でSettingsボタンを押しますと詳細設定に入ります。


これが詳細設定の画面。とりあえず設定すべきはTimeZoneだけです。これはタップすると自動的にスマホの地域設定から読み取られて+9.0になりました。設定が終わったら必ず右上のSaveボタンを押すのを忘れないように。あとバックライトやオートポーズ、ビープ音の設定はお好みでと言いたいところですが、どうもバグがあってオートポーズとビープ音はオフにできないようです(笑)。Bike Settingsはタイヤ周長などスピードセンサーを使用する場合にのみ必要な設定です。User Settingsは自分の身長・体重・年齢を入力しますが、これはたぶんアプリ内で最大心拍数を求めるために使うのでしょう。

ファームのアップデートは不具合あり

最大の難関はファームのアップデートです。上の画面でVersionを押すと現在のバージョンが表示されて、新しいバージョンがある場合はアップデートを促されます。うちに来た個体は初期状態でV0.11でしたが、V0.12へのアップデートがありました。実はアップデートに関する不具合がAmazonのレビューでも報告されており、うちの個体ももれなく発生しました(笑)。


これがアップデート画面で、Update Nowボタンを押すとアップデートが始まるのですが、ここからが問題です。サイコン本体にはdFUの文字が表示されてアップデート中であることを示しますが、なぜかいつまで経っても終わりません。そのうちスマホ側の制御が戻って、いったん終わったように見えます。しかし相変わらずサイコンはdFUを表示したままです。もしかして「詰んだ?」と焦ることでしょう(笑)。

これはどうも途中で接続が切れてしまうのが原因のようですね。この場合、もう一度アプリのトップ画面に戻ってConnectからやり直し、改めてUpdate Nowを押します。すると今度は進行状況を示す円グラフが表示されて、アップデートが完了したことを示します。そしてサイコン側もリセットがかかって再起動します。これでめでたくアップデート完了ですが、こんなの知らなかったら絶対焦りますよね(笑)。

Stravaとの同期

このサイコンはXOSSアプリで軌跡ログや走行データを閲覧できるようになっており、普通に使うならそれだけでも十分でしょう。ただUSBでPCと接続してもGPXなどでログを取り出す手段は用意されていませんので、せっかくのGPSなのに外部にログをアップロードすることができません。

でも安心して下さい。実はStravaと同期する機能が用意されていますので、いったんStravaにアップロードすればGPXをダウンロードすることも可能です。ただ問題はStrava連携に関して非常に多くのトラブルが報告されているということです。Amazonのレビューでもこの件に関して不満を述べている人が多いです。特にiPhoneの場合は相性が良くないようですが、自分はAndroidなので特に問題なくすんなり同期できました。どうも自分のやり方が間違ってるのにうまく行かないと文句を言って星1つ付けてる人も多い気がします。ここでは一つだけ確認すべき重要なポイントについて押さえておきましょう。


トップ画面左上のアバターアイコンを押し、さらに次の画面でもう一度アバターアイコンを押しますと上のようなプロフィール画面になります。ここでStravaのアカウント情報を登録しておく必要があります。当然ながらStravaのアカウントを持っていることが前提になります。

まだ一度もログインしていない場合はStravaアイコンがグレーになっています。いったんStravaを押すとブラウザに制御が移ってStravaのログイン画面になります。ここでログインに成功すると再びXOSSアプリに制御が戻り、今度はStravaアイコンがオレンジ色に変わります。そして右側にアカウント名が表示されるはずです。これでStravaとの紐付けが完了した状態です。

その状態でトップ画面に戻ってアクティビティーのSyncAllボタンを押すと未アップロードのログが順次アップロードされて同期が完了します。ここまで何の問題もなく進みました。Strava公式サイトを開くと確かにログがアップロードされていました。いくらやっても同期できないと騒いでいる人はまずStravaアイコンがオレンジ色になっているか確認しましょう。ちゃんと紐付けができてないといくらやっても同期できませんよ。

またStravaアカウントはいったん登録すればアプリに記憶され、次回からは何もしなくて良いはずですが、何かの拍子に紐付けが切れてしまうこともあるようです。もしうまく行かなくなった時はStravaアイコンがオレンジ色になっているか再確認した方がいいでしょう。

衛星の捕捉能力

このサイコンは低価格ながら何とGPS, GLONASS, Galileo, 北斗の4システムに対応しています。そのため衛星の捕捉能力は高いと思われます。ただその割に初期の測位確立はあまり速くなく、開けた場所でも記録スタートしてから1分少々待たされます。長期間使ってないと3分くらいかかることもあります。常用するにはちょっと煩わしい感じですね。同じ日に連続して使った場合は速いです。

深い谷間や林間のような悪条件では感度はあまり良くありません。たまに衛星をロストすることがありました。4システムに対応しているにもかかわらず、捕捉性能はGarminに比べると落ちます。といってもまあ一瞬ですから、実用上問題になることはほとんどありません。値段を考えれば十分な性能と言えます。

精度について

GPSなので当然ですが、Garminと比較してもスピードや距離の精度は遜色ないように思います。Garminと同時計測し、2km走って距離の誤差は10m以内だったので、十分正確と言えるでしょう。スピードの追従はGarminよりやや遅く、5秒ほどタイムラグが感じられますが、まあ許容範囲でしょう。

デフォルトでオートポーズが効きますので、停止すると自動的に計測がストップします。したがって表示される平均速度はネット値となります。Garminよりもポーズの効きが速いようなので、平均速度は高めに出ました。たぶんCATEYEのサイコンと同じレベルでしょう。個人的には嬉しいです(笑)。

ただし高度の精度は全然ダメです。パッケージには気圧高度計内蔵と書いてあり、裏に小さな空気穴が2つ開いているので確かに気圧センサーは搭載しているようです。しかし初期の校正がうまく行っていないためか、高度は常に30~40mくらい高めに出るクセがあります。逆にそのくらい差し引けば正しい高度ということになります。勾配表示というのもできるんですが、傾斜センサーのようなものは入ってなくて高度差から計算しているものと思われます。そのため静止状態では測定できません。そもそも高度自体がいい加減なので勾配も当てにはなりません。あまり期待しない方がいいでしょう(笑)。

ログの精度比較を掲載しました。興味のある方はこちらもご覧下さい。
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総評

他のレビューで見ておおよそわかっていたのですが、この値段でここまでできれば不満はないと思います。自分の使い方としてはスピードと走行距離、それに積算距離がわかれば十分なのですが、それに加えてログが取得できたり、心拍数が表示できたり、Stravaにまでアップロードできるとなると出来過ぎと言えるくらいです(笑)。

多くの方が指摘しているように、バグがてんこ盛りとか時々変な動作をするとか、いろいろクセが多いのは確かですが(笑)、この値段ならすべてが許せるという感じです。これはもう価格破壊ですよ。

ただ当初の目的であったサイコン代わりに使うのはちょっと微妙ですね。いちいち電源をONにして記録をスタートし、衛星を捕捉するまで数分待たなければならないので非常に煩わしいのです。もちろんたまに充電もしなければなりません。たとえば日常の買い物などにはとても常用できないと思いました。ですから純粋なサイコンとして積算距離などをカウントするには、やはりCATEYEの有線式に勝るものはないと思います。

向いている人と向いていない人

このサイコンは価格の割には性能が高く、非常にお買い得なのですが、残念ながらいろいろクセが多いため安心して万人に薦められるとは言えないようです。

こんな人に向いている

・とにかく安ければいい人
・サイコン+αの機能で満足できる人
・寛容さのある人(笑)
・デジタルリテラシーの高い人

機能は最小限でいいから、とにかく安いのが欲しいという人にはおすすめです。特にStravaとの連携などはしないで単体で使えれば十分という人にはストレスは少ないと思います。自分のように付けっぱなしでサイコン代わりに使いたい人であればベストな選択でしょう。この値段ですから多くを求めてはいけないのです。とにかくクセが多すぎですから、何かトラブってもまあ中華だから仕方がないと笑って許せるくらいの大らかさが必要です(笑)。

こんな人には向いていない

・価格に見合わない価値を求める人
・寛容さがない人
・英語が怖い人
・デジタルリテラシーのない人

この値段で多くを求めるのは間違っています。日本製品のような完璧さを求める寛容力のない人には絶対に向いていません。そういう人は素直にGarminを買いましょう(笑)。それとアプリは英語版しかありませんので、何かトラブったときもメッセージは全て英語で表示されます。英語を見ただけで逃げ出す人には絶対に向いていません。それからスマホをはじめデジタル物に弱い人には絶対に向いていません。まともなマニュアルというものが存在しないため、何かうまく行かないときはネットで情報収集したり、試行錯誤でいろいろやってみる根気が必要です。ちょっとでもつまづくと自力で対処せず、すぐ他人に泣きつくような人はやめて下さい。他人に迷惑をかけるのは論外です(笑)。

2020.1.27追記:
スマホアプリは最近のバージョンでは日本語化されています。ただし変な日本語が多いので、英語のままにしておいてくれた方が良かった気がします(笑)。
XOSS G+の廉価版でXOSS Gという製品もあります。こちらはANT+センサーが使えないだけの違いです。単体でしか使う予定がなければそちらでも良いでしょう。
最近、iGPSPORTのiGS50Sというサイコンを新たに買いました。下の記事でレビューしてますが、ナビなどが不要で基本的な機能で十分ならなかなか使えます。今ではXOSS G+の価格的なメリットはほとんどなくなっているので、どうせ買うなら1000円ほど高くてもiGS50Sをおすすめします。製品の使いやすさやアプリの完成度が全然違います。
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