2001.5.12 奥瀞峡から十津川・本宮・紀和周遊(1日目)

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自転車

実走日:2001年5月12日(土)
コース:北山~十津川~本宮

 険しい地形のため、かつては奥瀞峡の先で途切れ、十津川へ抜けることができなかった国道169号。しかし近年奥瀞道路の開通により3本のトンネルで結ばれ、周回コースを取ることが可能となった。土日はなかなか予約が取れない河鹿荘YHに電話してみたらあっさり予約が取れたので、五月晴れが期待できそうな週末、久しぶりに一泊ツーリングに出かけてみた。天理から3時間あまりかけて北山村のおくとろ公園に到着。ここにはキャンプ場と温泉を併設した道の駅があって、広い駐車場もあるのでツーリングのベースには最適である。12時頃、車をデポして出発。道幅はすぐに狭くなり、小さなアップダウンを繰り返して行く。小森ダムを過ぎるといよいよ険しい渓谷となり、観光筏の乗り場がある。このあたりは両岸に切り立った岩が迫る激流で、筏はそこを絶妙な舵裁きですり抜けていく。ボートのラフティングにも人気のあるところだ。奥瀞峡を左に見ながらまっすぐ進んでいくと、尾根を乗り越す地点で急に2車線の立派な道と合流する。ここからが新しく開通した奥瀞道路である。その入口のところに展望台があるので上ってみると眼下に奥瀞峡の絶景を望める。

奥瀞峡

 奥瀞道路はほぼ平坦で路面も良く快適だ。1本目の小松トンネルを抜けると2本目の短いトンネルがあり、さらにすぐ最も長い東野トンネルに入る。このトンネルは中でカーブしているのでなかなか出口が見えない。トンネル内は無風のためどんどんスピードが出る。40km/h近い速度で一気に駆け抜ける。そしてトンネルを抜けてすぐのところに葛川方面への分岐点がある。この間10分もかかっただろうか。あっという間に着いてしまった感じであり、ほとんどトンネルの中だったので印象は薄い。この先さらにまっすぐ行けば田戸トンネルを抜けて十津川方面へ出られるのだが、そこから先はまた道が非常に狭いため通行車両はほとんどないようだ。この部分だけ立派な道路になっているのが何とも無駄に思える。

葛川方面への分岐

 葛川方面への分岐を右にとり、川沿いの県道をゆるやかに上っていく。 大渡の集落まではほとんど勾配がないくらいで気持ちよく走れる。こんな山奥にしては路面もよく整備されており快適だ。大渡を過ぎるとやや勾配がきつくなり、次の下葛川の集落まで標高差100mあまりを上ることになる。そして下葛川の少し手前、道が二手に分かれるところから本格的な上りとなり、次の東中の集落までまた100mほど上る。上りといっても勾配は一定ではなく、部分的に一気に上るところがあったり、平坦なところがあったりする。いったん離れた川がまた近づいてくると東中の集落で、この先さらにだらだらと上って上葛川方面との三差路に着く。

上葛川付近

 三差路を左にとり、180度折り返すようにして葛川トンネルへと上っていく。かなりの急勾配だが、あと一息の上りだ。途中で一回休憩したが、意外とあっけなくトンネルに着いた。トンネルはさほど長くないが、中は照明がなく真っ暗だ。バッテリーライトの明かりだけでは数m先の路面しか見えず、何とも心許ない。真っ暗なトンネルというのは平衡感覚が狂いそうで想像以上に怖い。左右の壁にぶつかりそうな恐怖感と闘いながら何とか通り抜けた。

葛川トンネル

 トンネルを抜けても特に展望は開けないが、大峰山脈を越えたという感慨は深い。ここは笠捨山と玉置山の間の最も低くなった部分なのである。一転して急な下り坂を降りていくと、わずか1km足らずで国道425号に出る。国道とはいえ、交通量はほとんどない。ここから急坂をしばらく下ると芦廼瀬川に沿ったほぼ平坦な道となる。多少のアップダウンはあるがとても快適だ。発電所を過ぎて短いトンネルを抜けると国道168号に出る。突き当たりを左にとり、十津川方面へ向かう。それなりに交通量はあって、時々大型車も通る。ほぼ平坦なのだが、結構小さなアップダウンが多くて疲れる。なぜかこのあたりから二輪車の二人組と抜きつ抜かれつの展開となる。淡々と流してきて、猿飼橋の上で写真を撮る。そこからもう少し行くと十津川村で一番にぎやかな十津川温泉郷に着く。一応スーパーなどがあって補給が可能である。

平谷付近の十津川

 温泉郷を抜け、龍神温泉への道を右に見送ると間もなく上り坂にさしかかる。実はこの上りが結構長い。果無トンネルを抜けてもさらにだらだらと上りは続き、桑原の集落を過ぎて次のトンネルの手前まで標高差100mあまりを上らされる。峠越えの疲労が出てきたのか、一気に疲れが溜まっていく。しかも自販機などが全くなく、かなり喉が渇いて脱水しかけている。ボトルの水もとっくに尽きている。先ほど補給してこなかったのが失敗だった。なかなか終わらない上りに疲労はピークに達する。短いトンネルを抜けて下りが見えたとき、ようやくほっとする。ここから二津野ダムを下に見て、ずっと下りだ。ダムの近くというのはこういうアップダウンが結構あるので要注意だ。七色の集落まで来るとやっと自販機があったので水分を補給する。

 七色を過ぎると間もなく和歌山県に入り、十津川は熊野川と名前を変える。川幅はますます広くなって白い砂州の間を悠々と流れるようになる。伏拝の集落には道の駅があるのでまた休憩をとる。先ほどの二輪車二人組もまた追いついてきて休憩していた。ここからまたちょっと上らされて、川沿いにしばらく走ると熊野本宮大社に着く。今日はイベントがあったのか「中辺路ウォーク」の黄色いゼッケンを着けた人がたくさん歩いている。湯峰温泉への道を見送ってもう少し行くと国道311号の標識があって、右折する。すぐトンネルに入って四村川沿いの道に出る。さらに温泉隧道を抜ければそこが今日の宿泊地川湯温泉だ。

 河鹿荘YHは露天風呂のすぐ前にあって一番いい場所にある。YHに着くと国道168号で抜きつ抜かれつしていた二輪車の二人組も入ってきた。何と同じ宿に泊まる予定だったのだ。このYHは何度も泊まっているが、やはり夜は河原の露天風呂に入るのが恒例行事である。夜8時頃に同宿者で露天風呂に入りに行く。かなり熱い風呂に一時間くらい入ってちょっとのぼせ気味。翌日に備えて疲れは十分に取ったのであった。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
58.89km 3:04:00 19.1km/h 46.5km/h 540m
葛川トンネル
480m
片雲の風に誘われて