登山

5年ぶりの弥山・八経ヶ岳

投稿日:1998 年 10 月 3 日 更新日:

■コースタイム
トンネル西口=0:50=奥駈出合=0:20=弁天の森=0:25=聖宝宿跡=0:45=弥山小屋=0:25=八経ヶ岳=0:25=弥山小屋=0:05=弥山=0:05=弥山小屋=0:40=聖宝宿跡=0:25=弁天の森=0:15=奥駈出合=0:45=トンネル西口【total 5:25】

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 台風7号の影響で登山道の荒廃が心配されるので、なるべく人の行かない所は避けて5年ぶりに八経ヶ岳に登ることにする。午前6時過ぎに出発し、国道169号経由で上北山方面へ向かう。これなら万一国道309号が通行止めだった場合でも大台ヶ原あるいは大普賢岳へ行けるからである。通行止めが心配された国道309号は倒木や落石もなく順調に通行でき、行者還トンネル西口には8時20分に到着した。珍しく駐車場がまだ空いていた。

 入口にある登山届を記入して8時30分に登山開始する。最初は川沿いの平坦な道を行き、立派な木橋を渡って登りにかかる。すでに一度行っているのでわかっているが、いきなりの急登である。今日は一応長袖を着てきたが、5分も登れば早くも暑くなり、すぐに脱ぐ。結局あとは一度も着ることがなく、余計なお荷物であった。ほぼ同時に登山口に到着した夫婦に追いつき、先に行かせてもらう。やがてヒメシャラの美しい林が現れ、それに見とれているといきなり道を間違えた。苔の生えた岩がたくさんあるところを歩いていたのだが、確かこんなところはなかったように記憶しているので変だとは思っていた。すぐに道は途切れ、間違いに気づいた。さっきの夫婦も道連れにしてしまった。ごめんなさい。本当の道はその少し手前左側にあり、テープもついていて見落とすはずがないのだが、下ばっかり見て歩いていると思わぬところで間違えてしまう。斜面を無理矢理登って本来の道に復帰すると、シャクナゲの群生する急登となった。この辺は5月頃に来ると大変きれいだろう。この坂は十分覚悟しているので一歩一歩ゆっくりと登る。やがて川音が遠のく頃、「この坂あと標高100m」という小さな木のプレートがあった。標高100mといえば、まだかなりのものである。少し登ると続いて「大普賢岳が見えるぞ」と書かれたプレートがある。確かに木の間からは大普賢岳の鋭鋒がちらりと望まれた。やがて明るい雰囲気になり、稜線が近づいてきたことを感じると間もなく奥駈出合に着いた。


大峰奥駈道

 奥駈出合には切り株の腰掛けが置かれていて休憩するにはよい場所である。ここで5分小休止する。空は限りなく青く澄み渡り、明るい稜線は実に心地よい。ここからは緩やかな登りで快適な稜線漫歩を楽しめる。ブナの木が多くて美しい。気分良く歩いていると20分ほどで弁天の森のピークに着いた。この間で今日初めて人にすれ違った。弁天の森からは木の間越しに稲村ヶ岳を望むことができる。バリゴヤ谷ノ頭の鋭いピークがひときわ印象的だ。弁天の森からはゆるやかな下りとなる。前に来たときはこの下りはあまり記憶がなかったが、実は結構長い。帰りに登り返すことを思うとあまり下ってほしくないものである。この下りの途中で正面に弥山と八経ヶ岳が大きく見える場所があった。ここで写真を撮るが、まだあんなに登るのかと思うと結構ぞっとする。また北の方はよく晴れているのだが、南の方にかなり雲が出ており、釈迦ヶ岳あたりはガスってきているのが見えた。山頂に着くまで天気はもってくれるだろうか。このあたりヌタ場のようなところがいくつかあり、台風の影響と思われる根こそぎ倒れた大木があった。いったん鞍部に出たあと、少し登り返して聖宝宿跡に着いた。


弁天の森付近より八経ヶ岳・弥山

 聖宝宿跡で小休止し、いよいよ胸突き八丁の登りに取りかかる。最初はジグザグの登りがかなり長く続き、石が敷かれていて結構歩きやすい。この辺はまだ勾配がきつくなく、大してつらくないのだが、いったん展望が開ける場所に出てからはだいぶ勾配がきつくなり、途端にしんどくなる。弥山の山頂がまだかなり上に見えており、精神的にもつらい。大普賢岳から七曜岳・行者還岳へと続くダイナミックな稜線がくっきりと見えるのだけが救いである。時折ピィーという独特の鹿の鳴き声が静寂に響き渡る。この坂は上へ行くほどきつくなるという実にいやな登りである。勾配は奥駈出合までの登りよりも緩いかもしれないが、疲れがたまってきているだけに余計きつく感じる。それにしてもまだ紅葉は始まっていないのに、すでに葉が落ちてしまっている木が多いのはなぜだろう。まるで初冬のような雰囲気だ。下を見ると茶色く枯れたカエデの葉がいっぱい積もっている。まだ緑の葉がついているカエデもやはり葉の縁が茶色く枯れてしまっている。今年は異常気象で紅葉せずにこのまま終わってしまうのだろうか。最後に短いハシゴの急登を過ぎると弥山小屋が見え、ようやくほっとした。

 弥山小屋は5年前に比べてずいぶん立派になっており、前にはなかった展望小屋が作られている。国見八方覗へ行ってみるが、すでにガスっており何も見えなかった。10分休憩した後、気を取り直して八経ヶ岳へ向かう。八経ヶ岳の写真を撮りたかったのだが、やはりガスに覆われており、写真も撮れない。石の多い急坂を下り、鞍部に出る手前でようやくガスが晴れ、八経ヶ岳を撮ることができた。鞍部に出るとオオヤマレンゲ保護のための鹿よけネットがある。これも5年前にはなかった。扉を開けてくぐり抜けるようになっているが、計4回も通り抜けなければならないのが結構わずらわしい。最後の扉を抜けるとまたかなりの急登となり、やっとの思いで八経ヶ岳山頂に着いた。時刻は11時35分であった。


八経ヶ岳を望む

 山頂には3人ほどがいて、意外と人は少なかった。しかし東側が完全にガスっており、大台ヶ原方面は全く見えず、釈迦ヶ岳も見えない。対照的に西側は青空が広がっており、五條の街や金剛山がはっきりと見えた。北側の弥山はガスから出たり隠れたりしている。立ち枯れの多い森が何とも美しい。いつかガスが晴れてくれることを期待して昼食にする。すると北の山上ヶ岳や大普賢岳も時々姿を見せた。また南の釈迦ヶ岳から仏生ヶ岳も一瞬だけ見えた。しかしそれ以後いっこうにガスが晴れる気配はなく、ますます視界は悪くなった。これでは苦労して登った喜びも半減である。前回は大台ヶ原までよく見えただけに残念だ。それでも曇っているのはここだけで、きっと下界はよく晴れているのだろう。秋晴れを期待していたのにこれでは夏の天気と大して変わらない。2000mに近い割には全く寒くない。下はよほど暑いのだろう。1時間粘ったが結局晴れる気配はなく、少し物足りない気分で12時35分に山頂を後にした。


弥山の森

 帰りにゆっくり写真を撮ろうと思っていたのに、完全にガスっていて八経ヶ岳は何も見えない。やっぱり見えているうちに撮っておくべきだった。弥山までの登りはかなりきつく、このピストンはなかなかつらいものがある。再び弥山小屋に戻り、まだ山頂を踏んだことがなかった弥山へ往復してみる。鳥居が二つあり、狼平への道を左に見送ってものの5分もしないうちに山頂の広場に出る。山頂には立派な弥山神社が建っている。残念ながら樹林に覆われて展望はない。一応山頂を踏んで弥山小屋に戻り、再び国見八方覗に行ってみるが、やはり何も見えなかった。少し休憩して仕方なく午後1時 20分に下山を始める。


弥山山頂

 聖宝宿跡に下るまではまだガスに覆われていたが、白いヴェールに包まれた原生林もまた幻想的で美しい。聖宝宿跡からの稜線ではガスを抜け、また展望がきくようになった。ここでは大台ヶ原方面も見えた。大普賢岳も山頂がガスに覆われている。この時間になってもまだ登ってくる人はいる。また弁天の森まではだらだらとかなり長い登りである。やっぱりここへ来て登り返しはつらい。弁天の森からせっかく登ったものを100m近く下っており、実は弥山のしんどさの秘密はここにあったのである。

 奥駈出合ではたくさんの人が休憩しており、いっせいに下り始めた。やっぱりこの下りは登り以上にきつい。ここまで来てまだ登ってくるグループがいた。弥山小屋で泊まるのだろうか。後ろから来た若い女性1名を含む中年3人組がものすごい勢いで抜いて行った。最後の女性もよくついて行っているものだと感心する。自分はもう膝がガクガクでとてもそんな元気はない。山と高原地図のコースタイムでは下り30分となっているが、そんなペースで下ったら絶対膝をこわすであろう。はじめはペースが速かったものの、下へ行くほどだんだんつらくなり、登りよりも遅いペースとなった。もう膝が限界である。そして午後3時35分ようやく登山口に着いた。やっぱり最高にしんどかった。これであと5年は行く気が起こらないだろう。帰りは大台ヶ原渋滞を心配して天川経由で帰ったが、高取町内の国道169号で大渋滞につかまり失敗だった。渋滞の原因は町内の秋祭りであった。

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