ロードバイクに最適なバッグはこれだ!

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自転車自転車用品

一昨年、ロードバイクを買い替えてからというもの、荷物の積載にずいぶん振り回されてきました。基本的にロードバイクは荷物を積むのに向いていません。純粋なロード練習ならジャージのポケットに入るだけしか持たない人も多いでしょう。ロードバイクの美学としては、何も付けないのが最も美しいのです。

それが理想論ではありますが、ツーリングとなると荷物なしというわけには行かないんですよね。最低限、財布とスマホ、ワイヤーロック、食料(店に入らない場合)、カメラくらいは持たなければなりません。これを全部ジャージのポケットに入れるのは不可能です。特にカメラが余計ですよね(笑)。最近はスマホがあるからカメラを持たない人も増えてるんでしょうけど、カメラ好き人間にはカメラなしのツーリングなんて考えられないでしょ? そうすると必然的に荷物を背負うか、自転車に付けるかどっちかしかないわけですよ。

これまでバックパックやヒップバッグ、サドルバッグ、フロントバッグなど、あらゆる方法を試してきました。しかしどれも一長一短あって、これといった決め手がないんですよね。結局、付けたり外したりの繰り返しで、何度やり直したかわかりません。そのために買ったバッグも数知れず、その全てがゴミになりました(爆)。

ではここで荷物の積載方法について改めて整理してみましょう。対象はあくまでもロードバイクとします。荷物の積載に適したツーリングバイクやクロスバイクは含みません。

バックパック

荷物を持っていくなら、誰もがまず最初に考えるのはこれでしょう。自転車には何も取り付ける必要がないので手軽ですし、市販品が豊富にあるので好きなのを選べます。

長所は何と言っても容量の大きさでしょう。あまり大きいのは身体に負担がかかって辛いですが、10Lくらいの小さいものでも自転車に付けるバッグに比べれば十分な容量があります。これは大変なメリットで、脱いだジャケットなどをしまっておけますし、出先でお土産などを買って荷物が増えても対処できる余裕があります。また自転車から離れる際もいちいち外す必要がないので便利です。

短所は言うまでもなく背中の蒸れです。10Lくらいの小さいものなら背中を覆う面積は最小限で済むのでそれほど気にならないのですが、やっぱり暑くなってくると背中がびっしょり濡れて不快です。まあ寒いとき限定ですね。ドイターのように背中にメッシュパネルが入ったものもありますが、あれはあれでバッグ自体が重い上に意外と物が入らないのであまり役に立たないんですよ・・

もちろん重いものを入れると腰に負担がかかるので辛いです。しかし泊まりのツーリングともなると自転車のバッグだけでは収まり切らないので、どうしてもバックパックを背負う必要は出てきますね。

ヒップバッグ

これもバックパックに準じますが、腰回りに付けるウエストポーチの大型みたいなものです。大きいので腰の横ではなく背中側に付けるのが特徴です。バックパックほどの容量はありませんが、小物ならすぐ取り出しやすいので意外と便利です。

長所はバックパックと違って背中が蒸れないということですね。もちろんそのまま自転車を離れられるのもバックパックと同じです。

短所は重いものを入れると腰に来ることと、腹を圧迫されること、そして背中のポケットが塞がれることです。財布とか食料とか、そんなに重くないものでも意外と腰に来ます。これはバックパックより顕著ですね。特にカメラみたいな重い物を入れるとてきめんです。またバックパックと違ってベルト1本に荷重が集中するため、腰や腹が圧迫されて不快です。腰回りだけですが、意外と蒸れます。せっかくある背中のポケットが塞がれて使えないのも不便ですよね。どっちかというとサイクルジャージより普段着で乗る時に使った方が良いと思います。

バックパックと両方使った実感では、ヒップバッグの方が腰への負担が大きく、不快感が強いです。それでいて容量はあまりないので、背中の蒸れさえ我慢すればバックパックの方が快適だと言えます。

大型サドルバッグ

サドルバッグと言っても工具だけ入れるような小さなものではなく、オルトリーブのLサイズや最近流行りのバイクパッキング用の大型サドルバッグを指します。容量的には3~10Lくらいになります。

長所は容量がそこそこあるので、身体には一切着けずに全部詰め込めるということですね。確かに何も身に着けないのは非常に快適ですから、一度経験するとやめられなくなります。おまけの機能としては、泥除け代わりにもなるということですね。

短所は荷物を取り出しにくいこと、中身が少ないと荷物が暴れること、駐輪時に邪魔になることです。言うまでもなく、サドルバッグの中身を取り出すにはいったん停まって自転車を降りなければなりません。カメラのようにすぐ使いたいものを入れると非常に面倒になるでしょう。また中身も整理されてないので暴れてぐちゃぐちゃになると取り出しが非常に困難になります。これは物凄くイライラします。そして意外と気付かないのですが、駐輪時に壁などに立てかけるときも大きなサドルバッグは出っ張って邪魔になります。

トップチューブバッグ

文字通りトップチューブの上にベルクロで付けられる小さなバッグのことで、これは他のバッグと組み合わせて使う補助的なものです。これだけでは大した荷物は入りません。本来は補給食を入れるためのものですが、実際にはスマホとかコンデジ、工具などを入れている人も多いでしょう。

この位置は非常にアクセスが良いので、カメラのような頻繁に取り出したいものを入れるには最適です。そのため僕はカメラ専用のケースとして使ってきました。

これの短所は、あまり大きいのを付けるとペダリング時に膝に当たることです。立ち漕ぎするとほぼ確実に当たります。これは物凄く不快なので横幅の大きいのはNGです。また取り付け方法によってはフラフラ左右に揺れるのも鬱陶しいです。

フレームバッグ

最近バイクパッキングが人気であることから、フレームの前三角に取り付けるフレームバッグというものも注目されてきました。この場所というのはロードバイクのデッドスペースですから、無駄なスペースを有効に活かせます。比較的アクセスもしやすいことからストレージとしてはかなり有効に使えると思います。

フレームバッグの有用性
雨で全然自転車乗ってませんが、また性懲りもなくバッグを買いました(笑)。何個目だと言われそうですが、今回はフレームバッグ2個目です。以前紹介したイベラのフレームバッグのレビューはこちら。 フレームバッグはこれが初めてだったのでしばらく...

ただこれの最大の欠点はボトルケージと干渉しやすいことなんですよね。比較的大きいフレームでホリゾンタルならボトルを2つ付けても大丈夫だと思いますが、小さいフレームやスローピングだとシートチューブ側のボトルケージはまず使えません。極端に小さいフレームサイズだとダウンチューブ側のボトルケージも使えない可能性がありますので、購入にあたってはサイズ確認が必要です。

ボトルが1本しか付けられないと夏場の給水で不安になるかもしれませんが、実際のところシートチューブ側のボトルケージはツールボトル用に使っている人が多いのではないでしょうか? 自分は夏場でもボトル2本使ったことはありません。よほどのことがない限り、ボトルは1本で十分です。したがってダブルボトルをあきらめればフレームバッグは検討の価値があります。自分も最近導入しましたが、補給食などを入れるには使い勝手が良く重宝しています。ただ厚みが薄くて容量はそれほど大きくないので、単独で使うよりは他のバッグと組み合わせて使うのが良いでしょう。

フロントバッグ

自転車に付けるバッグの中で最強なのはやはりフロントバッグでしょう。何と言ってもアクセスの良さは一番ですし、常に視界に入る場所にあるので安心感もあります。ただロードバイクとフロントバッグは非常に相性が悪いです。昔のSTIでシフトワイヤーが横に出ている場合はまず付けられませんし、そうでなくてもタイヤとの距離が近いため、あまり大きなバッグは付けられません。何よりもフロントバッグを付けると見た目が非常にダサくなります(笑)。ロードバイクの美観をぶち壊すこと間違いなしです。

また重心が高くなるため、あまり重いものを入れるとハンドルが重くなってふらつきます。ハンドルバーより上に飛び出すタイプだと、サイコンやライトの行き場がなくなるという問題もあります。

これまで比較的小型のフロントバッグを買ってきましたが、あまり小さいと結局何も入らないので役に立たないんですよね。本当にバッグ選びは難しいです。

オルトリーブのサドルバッグL

ブルベライダーの間では定番となっているオルトリーブのサドルバッグL。大容量であることから自分も長い間使ってきました。今のところサドルバッグとしてはこれを超えるものはないと思っています。

オルトリーブのサドルバッグもリニューアルされ、現在は新型のサドルバッグ2となっています。若干容量がアップした反面、バックルが1ヶ所から2ヶ所に増えたため、開閉がかなり面倒になると思います。旧型はすでに入手困難で、未だに旧型の愛用者が多いようです。

ここが良い!

容量が大きいためバッグ1つで全て収まります。特にハンドルに何も付けないのは快適。荷物が増えても対応できる収容力が安心です。

ワンタッチで着脱できるので自転車から離れるときも便利。

アタッチメントでしっかり固定されるため、走行中にグラグラ揺れることがありません。安定感は抜群。

ここがダメ!

荷物が少ないと中で暴れてぐちゃぐちゃになります。

蓋の開閉はくるくる巻く方式なので、荷物の出し入れが面倒です。

乗り降りの際に足に当たることがあります。

サドルより横に出っ張るため、壁などに立てかけるとき邪魔になります。

カーボンシートポストの場合、樹脂製の部品が擦れてシートポストを削る恐れがあります。

バッグの存在感が大きすぎ、見た目がダサいです。写真映えは最悪(笑)。

そして最大の欠点はポジションを制約されることです。もともと足の長い欧米人向けに設計されているからだと思いますが、サドルをかなり後ろに下げないと水平に取り付けられません。サドルを前に出すには無理やり傾斜を付けるしかありません。そうすると荷物が奥の方に偏って不快です。バッグに合わせてポジションを決めるのは本末転倒ですね。

モンベルのドラム型フロントバッグ

ロード乗りの間では人気のあるモンベルのドラム型フロントバッグです。もう10年以上前に買ったものです。やっぱりフロントバッグはアクセス性が抜群であることから、これも長い間使ってました。

2019.11.9追記:
Amazonではモンベル製品の取り扱いがなくなったため、同等品に差し替えました。サイズ・デザインともほぼ同じもので、機能的には全く同じように使えます。モンベル製が欲しい方は直営サイトまたは実店舗でお求め下さい。

ここが良い!

ロードバイクのハンドル下に取り付けるのに絶妙なサイズ感です。これより大きいとブレーキと接触しますし、小さすぎると物が入らなくて役に立ちません。特にシフトワイヤーが横に出ているタイプのSTIにはこれ以外の選択肢がありません。

ハンドルバーより上に飛び出さないので、サイコンやライトと共存することができます。

日帰りツーリングに必要な荷物を入れるのに過不足ない容量です。財布、カメラ、食料、ワイヤーロックなど全部入ります。

3気室に分かれているので、荷物をすっきり整理して入れられます。中でぐちゃぐちゃになることがありません。

ストラップで固定するだけなので、バッグ自体が非常に軽いです。アタッチメントを使わないため、外したときに何も残らないのが美点です。

ここがダメ!

中央の開口部が狭いため、荷物の出し入れがしにくいです。だいたい10センチ程度が限界で、それより大きい物は入りません。また中に仕切りがあるため、ポンプのような長い物は入りません。

ラダーストラップで取り付けるため、着脱が結構面倒です。走行中の振動でストラップが緩んで垂れ下がってくることもあります。人によってはリクセンカウルとバジルのアタッチメントを使ってワンタッチ着脱できるようにしているようです。こうすれば着脱の不便さは解消できます。

あまり重いものを入れると垂れ下がってタイヤに接触する恐れがあります。特にハンドルをギリギリまで下げている人は要注意です。

ハンドルのフラット部が多少握りにくくなるので、上ハンを多用する人には不快かもしれません。

レックマウントなどハンドル前に突き出すタイプのサイコンアタッチメントは使えません。

デザインが超カッコ悪いです。ハンドルはロードバイクの顔ですから、こんなものを付けると美観が台無しになります。これが最大の欠点かもしれません(笑)。

良さげなフロントバッグを見つけた!

今でも生き残っているのはオルトリーブのサドルバッグLとモンベルのフロントバッグだけです。これまで何度も取っ替え引っ替えしながら使ってましたが、どちらも一長一短あってなかなか決め手がありませんでした。本当にこれしかないから仕方なく使っていただけで、とても満足の行くものではありませんでした。

ところが最近になって理想的なバッグを発見してしまったのです。中華ブランドのフロントバッグなんですが、これはロードバイクとも相性が良く、ほぼ完璧とも言えるものです。


これの何が良いかと言いますと、まずしっかりした素材でできているため、荷物を入れても入れなくても型崩れしません。柔らかいタイプのバッグはだらしなく垂れ下がるのがカッコ悪いだけでなく、重い物を入れるとタイヤに接触する恐れがあります。そして装着したときにハンドルバーより上に出っ張りません。これは非常に重要なポイントで、サイコンと共存させるには不可欠な条件です。この条件を満たすフロントバッグというものはほとんど存在しないのです。


装着はベルクロで引っかけるだけですので、着脱が簡単で外すと後には何も残りません。このベルクロが非常に良くできてまして、固定力が強く重い物を入れてもビクともしません。

直方体なので容量がフルに使え、ミラーレス一眼なども十分入ります。その他、財布やスマホなどすぐ取り出したい物を入れるのに最適でしょう。完全防水ですので突然の雨にも安心です。サイドのフックに付属のショルダーベルトを取り付ければショルダーバッグとしても使えます。

蓋の開閉は袋状になっていて、入口をベルクロで留めた上でクルクルと巻き、さらに両サイドにあるバックルでパチンと固定します。荷物が多いときは高さ方向に拡張することもできます。一つだけ難点を言いますと、この蓋の開閉が結構面倒なことです。両サイドにバックルがあるので手間がかかりますね。しかも本体と密着しているので作業性が悪い。ただベルクロで留めるだけでも中身が飛び出すようなことはないので、頻繁に開け閉めするのであればいちいちバックルは締めなくて大丈夫です。

ハンドルバー付近にケーブル類がゴチャゴチャしていると取り付けに苦労することがあります。完全内装でない限り、多少前後に傾くのはやむを得ないと思いましょう。逆にケーブルが一切ないと下側のベルトを固定する場所がなくなります。

フロントバッグを付けたときの問題点として、ハンドルバーのフラット部が握りにくくなってしまう問題があります。これが気になるならストラップを緩めにして少し下げてやるとハンドルバーとの間に隙間ができて握りやすくなります。


ライトはハンドルバーに取り付けることも可能ですが、角度によっては光線が遮られてしまいますので、ハブ軸に取り付けるタイプのライトホルダーを利用して下に移動させた方がベターです。

非常に理想に近いフロントバッグなのですが、残念ながらすべてのロードバイクに取り付けられるわけではありません。装着可能かどうかはハンドルの高さによります。


目安としては、ハンドル下端からタイヤまでの距離が20センチ以上あれば大丈夫です。この状態でタイヤまで4センチほど余裕があります。僕はハンドルを目いっぱい上げているので問題ありませんが、ハンドルを低めにしている人はたぶんタイヤと接触してしまいますのでおすすめしません。

というわけで、ようやく理想のフロントバッグに巡り会えたという感じです。値段もそんなに高くないし、もし条件さえ合えばこれはかなり優れものですよ。さらに詳細な記事も書きましたので、こちらもお読みいただければ幸いです。

理想的なフロントバッグを発見
この前もフレームバッグを買ったばかりなんですが、バッグ沼にはまってますのでまた新しいフロントバッグを買ってしまいました(笑)。といっても今度はミニベロ用です。

ステムポーチという新たな選択肢

フロントバッグはこれで決まりかなと思っていたのですが、その後新たな選択肢が出てきました。それはステムポーチ(ステムサイドポーチ、フードポーチなどと呼ぶこともあります)と呼ばれる円筒形の小型バッグです。これはフロントバッグと違ってハンドルの後ろ側、ステムの横のスペースに取り付けます。

この場所はロードバイク最後のデッドスペースと言われており、ここに注目した発想は秀逸ですね。容量的には1~1.5L程度でそんなにたくさん入るわけではありませんが、非常にアクセスしやすい場所にあるため、頻繁に取り出したいものには最適です。

僕も気になったので早速購入して試してみました。本来は補給食やボトルを入れるのに適しているんでしょうけど、自分はスマホとカメラを入れています。この場所ならすぐに取り出せるし、フロントバッグと違って蓋を閉める必要がないので非常に便利です。長年の懸案であったカメラの行き場所がようやく落ち着きました。トップチューブバッグに比べて容量があるし、膝に当たらないのでとても快適に使えています。何よりハンドルの前がフリーになるので邪魔にならないし、上ハンも握りやすいので気に入っています。

僕はPOTABIKEというブランドの商品を購入しましたが、他にもいろんなメーカーから同様の製品が発売されています。下の記事でレビューしましたので気になる方はご覧下さい。

POTA BIKEステムポーチ2を買ってみた
以前紹介したこちらのステムポーチなんですけど、もう一年以上使ってまして、その便利さはよくわかってました。とにかくアクセス性が良く、フロントバッグよりはるかに便利! 一度使うと手放せなくなりました。 ただ使っているうちにちょっと不満点も...

バッグは複数に分散させるのがおすすめ

バッグにはそれぞれ特性というものがあるので、一つで全て済ませようとするとどうしても不都合が出てきます。それよりは収容物の性格に合わせて複数のバッグを使い分けた方が使い勝手は良くなります。自分は現在、フロントバッグの使用はやめステムポーチを使用しています。それだけでは収容力が足りないのでフレームバッグと小型サドルバッグを組み合わせて3バッグ体制で運用しています。

ステムポーチにはカメラ、スマホを入れ、フレームバッグには財布と食料を入れ、小型サドルバッグには工具類と予備チューブを入れています。これはバッグの特性から考えると非常に合理的な収納法だと思います。カメラはすぐ取り出せるし、サドルバッグなんてパンクしない限り、まず開けることはないですからね。

オルトリーブのサドルバッグ1個に全部入れていた時から考えると、これで非常に使い勝手が良くなりました。多少重くなるのはあきらめましょう(笑)。

片雲の風に誘われて