NESTO GAVELのスペック

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グラベルロード自転車

グラベルロード買っても寒くて全く乗れませんが(笑)、とりあえずレビューだけしときます。今回はスペック編です。

自転車買う時に田舎だと店舗で現車を見ることができないので、自分もカタログだけを見て買っています。個人のブログやYouTubeなどである程度わかる部分もありますが、やはり詳細なところまではよくわかりません。特にカタログスペックに表れない部分は想像でしかないですね。

そこでこれから購入を考えている方のために、できるだけ写真を多く交えてカタログスペックに表れない部分を詳細に解説していきたいと思います。

GAVELの2024年モデルはどうなる?

具体的なレビューに移る前に、2024年モデルはどうなるのか?ということをお話ししたいと思います。というのも、このモデルがなくなってしまうのならレビューしてもあまり意味がないからです。

まず初めに僕が買ったのは2023年モデルです。正確に言うと、2022年から現在のカラーリングに変わったので、2022-2023年モデルということになります。

NESTOのサイトからダウンロードできる2024年モデルカタログには2023年モデルと全く同じカラーのものがラインナップされています。つまりGAVELは2024年も継続モデルと考えられる根拠です。

ただ気になるのは、2024年春に発売が予定されているMIXTUREというモデルの存在です。

これはスペックをよく見ると、フレームはGAVELと全く同じでフォークがアルミに変わり、コンポがクラリスに格下げになっています。つまりGAVELの廉価版と考えることもできますね。

ただよく似たモデルを二つ併売したり、同じモデルを3年も引っ張るのは少し不自然な気がします。これは何の根拠もない僕の勝手な推測ですが、もしかすると今春にMIXTUREが発売された後はMIXTUREが実質的な後継モデルになり、GAVELは在庫がなくなり次第フェードアウトするのではないかと思っています。

この物価高の最中にGAVELは昨年何と値下げを行っており、MIXTUREとの価格差が小さくなっています。おそらくGAVELを今の価格で販売するのは相当厳しいんじゃないかというのが率直な感想です。

GAVELのメーカーサイト

メーカーが公表している詳細なスペック一覧はこちらからご覧下さい。

ジオメトリー

メーカーサイトからジオメトリー表を引用します。この中で僕が買ったのは500サイズ(身長165~175cm)ですから、500の列を中心に見て下さい。

実はKhodaaBloomも同じホダカ株式会社の兄弟ブランドですから、以前乗っていたFARNA 700 Tiagraと前三角のジオメトリーが非常に似通っているのです。というかうり二つです。したがってサイズ感はそれと同じになるだろうということが容易に想像できました。

サイズを選ぶときに最も重要な仮想トップチューブ長は535mmであり、身長170cmくらいを想定しています。自分の身長なら5mmほど長めですが、まあ何とかなる範囲。ステムも換えてませんが、特に違和感はありません。

シートチューブは500mmありますので、比較的スローピングは緩めです。自分のこだわりはここで、スローピングがきついとカッコ悪いだけでなく、大型のフレームバッグが付かないという問題があります。そのため少々見栄を張っても大きめのサイズを選んだのです。その代わりシートピラーの出しろは短くなります。

特徴的なのはこのサイズにしてはヘッドチューブが長めで135mmもあります。そのためスタックハイトが563.6mmとかなり高めになっています。つまり比較的アップライトな姿勢で乗れるということで、前傾姿勢がきつい自分には好都合。

リアセンターはグラベルロードらしく430mmと長めになっています。一方、フロントセンターは584.4mmとグラベルロードにしては短めで、コーナリングを重視しているのがわかります。BB下がりはやや低めの72mm。これはグラベルロードとしては一般的です。NESTOはホイールベースを公表していませんが、BB下がり、フロントセンター、リアセンターの3つがわかっていれば三平方の定理により計算可能です。それによると約1004mmと計算され、グラベルロードにしては短い方です。

したがって、このバイクの性格としては比較的ロードバイクに近い乗り味だと言えます。ギリギリ、エンデュランスロードと言えなくもないですね。実際、シクロクロスが趣味の社員が設計したと言われるだけあって、かなりレーシーなジオメトリーに仕上がっています。それは舗装路を犠牲にしないということでもあり、自分の使い方には合っているのです。

実測重量

一番気になる(?)重量ですが、納車直後の素の状態で測定したところ、約11.15kgでした。公称11kgより若干重いですが、まあ誤差の範囲でしょう。持ち上げた感じは思ったほど重くなかったです。

フレーム


フレームは最も一般的な6061アルミを使用しており、溶接痕を目立たなくするスムースウェルディング加工が施されているのを特徴とします。以下、細部を見ていきましょう。


ヘッドチューブは1-1/8~1-1/2インチのテーパー形状になっています。シルバーのヘッドマーク付き。コラムスペーサーは10mmが2枚、5mmが3枚、3mm?が1枚入っており、かなり調整の幅が広くなっています。


フォークはカーボンですが、コラムはアルミになっています。ブレーキケーブルは内装されています。


これがスムースウェルディング加工ですが、多少凹凸が目立ちますね。メーカーによってはカーボンと見間違うくらいきれいなのもあるので、あまりきれいとは言えないですね。


シートチューブ周りもそれなりです。


むしろ手抜きされがちなBB周りの方がきれいに処理されています。なおこのフレームで一番気に入らないのは、プレスフィットBBであることです。グラベルロードはメンテナンス性を重視してネジ切りであることが割と多いのですが、なぜプレスフィットにする必然性があるのでしょう? 本当にやめてほしい。まあBB86規格なので、互換性に困ることはないんですけどね。


チェーンステーにはNESTO独自の振動吸収機構FLEXORが装備されています。チェーンステーを横扁平に加工することによって縦方向のしなりを生み、振動を効果的に吸収するのが狙いです。まあキャノンデールのパクリと言えなくもないですが(笑)。


トップチューブにはトップチューブバック等を取り付けるためのダボ穴があります。ただボルトオン式はあまり市販されていないので、かえって邪魔になりそうな気もします。


ダウンチューブのボトルケージ台座も3つあり、フレームバッグを取り付けるときなど下方に移動させることができます。ダブルボトルにするには上側の穴を使う必要があります。


フォークの両サイドにもダボ穴があり、ボトルケージやラック類を取り付けることができます。フロントキャリアの取り付けにも使えますね。


シートステー上部にはダボ穴があって、リアキャリアを取り付けることができます。


そしてダウンチューブ裏にもしっかりボトルケージ台座が用意され、ツールボトル等を取り付けるのに便利です。僕はここにエアポンプを取り付けています。


シートチューブ下部には何とドロッパーシートポストを内装するための穴まで用意されています。まあ僕は使わないでしょうけど(笑)。

ハンドル


ハンドルバーはグラベルロードでは一般的なフレア形状で、500サイズの場合は上部が400mm、下部が470mmになっています。実際乗ってみると、下ハンを握ったときに普通のドロップハンドルより楽だと思いました。ただ壁に立てかける時に出っ張って邪魔になるのがちょっと難点かもしれません。


バーテープは黒で、割と握り心地の良いものが巻かれています。


ステム長はサイズによって異なり、500サイズの場合は90mmが付いています。僕の身長でもそのままで問題ありませんでした。コラムキャップはNESTOオリジナルのものが付いています。

サドル


サドルはNESTOオリジナルですが、クロモリレールではないのであまり軽くはなさそうですね。割と固めなので、やっぱり尻が痛くなりそうです(笑)。これはとりあえず余っているサドルに換えようと思います。なおシートピラーはφ30.9mmで、ロードバイク系で一般的な27.2mmより太いです。これはMTB規格なんでしょうか? グラベルロードでもあまり見かけないですね。シートピラーを交換しようと思ったときにちょっと苦労するかもしれません。

ホイール


タイヤは中国メーカーのCST C1894 700x38Cというものが付いています。このタイヤは現在市販されていないようです。比較的低めのノブで、センターは直線的に配置され、舗装路での接地抵抗を小さくするように配慮されています。重量はカタログスペックでは400g強ですが、おそらくワイヤービードだと思いますのでもう少し重い可能性があります。


リムはグラベルロードとしては細めの内幅19mmのものが付いています。したがって理論上は28Cから45Cまで装着可能です。リムテープとバルブを交換すればチューブレスレディにも対応。GLMのリムはIDIOMにも使われてましたが、GIANT系のメーカーのようです。


ハブには全く刻印がなく、完全なノーブランドですね。この辺でかなりコストダウンしている気がします。ただ回転は悪くなく、よく回るホイールです。スポークは前後28本、フリーは11速まで対応します。

ドライブトレイン


STIはソラ9速が付いています。この価格帯なら普通はクラリスなので、かなりコスパは高いと言えます。ちなみにロードバイクもミニベロも全部9速に揃えているので、パーツの使い回しができて便利(笑)。


クランクはシマノではないものが付いています。もちろんコストダウンが目的なんでしょうけど、僕としてはシマノにはない48x32Tが付いているのでむしろプラス要素と捉えています。ソラの50x34Tでは大きすぎますからね。スクエアテーパーではなく、ちゃんとしたホローテックIIの2ピースクランクです。スペックにはメーカーが書かれていませんが、刻印を見るとPROWHEEL RPL-421-TTという型番のようです。完成車にはよく使われているメーカーですね。同じものはGIOS MITOやBASSO FANGOにも使われています。

これはよく見るとアウターとインナーが独立したボルトで固定されていました。アウターは一般的なBCD 110mmですが、インナーはBCD 80mmという特殊なものが付いています。おそらくGRXの46x30Tと同じ規格でしょうね。心配なのはチェーンリングが摩耗したときに補修パーツが入手できるかということです。4アームでBCD 80mmなんてほぼないですからね。そこまで使うかどうかはわかりませんけど、もし摩耗したらGRXに交換するのが手っ取り早いでしょうね。


フロントディレイラーはFD-R3000が付いています。バンド式なのでディレイラーの位置を自由に変えることができます。と思ったら、ボトルケージの台座があるのであまり下げられなさそうですね。46Tが限界か?

チェーンはシマノではなく、KMCのX9が使われています。


リアディレイラーはRD-R3000-GSが付いています。もちろんロングケージなので34Tまで対応します。一説によると36Tまで行けるらしい。ムフフ(笑)。


スプロケは貧脚御用達の11-34Tが標準装備されています。フロントが32Tだからギア比は最小0.94まで行けます。これが欲しかったんだよ!(笑)

ブレーキ

ブレーキはテクトロのMD-C510という型番の機械式キャリパーが付いてます。これは片押し式と呼ばれる機械式では一般的なものになります。完成車には両押し式のMD-C550が付いていることが割と多いのですが、この辺はコストダウンでしょうか。残念なポイントです。


フロントのブレーキキャリパー。最新のフラットマウント式です。ローター径は160mm。スルーアクスルは取り外し式のレバーも付属しますが、単にはめるだけなので走ったらすぐ落ちます。あくまでも携帯工具として使用し、通常は6mmアーレンキーで締め付けます。


リアのブレーキキャリパーもフラットマウント式です。ローター径は160mm。もちろんエンド幅142mmのスルーアクスルなので互換性に問題なし。

タイヤのクリアランス

初期状態では38Cのタイヤが装着されていますが、どこまで太いタイヤを履けるでしょうか?


フロントフォークは十分余裕があります。


シートステーも余裕がありますね。


一番狭いのはチェーンステーの部分です。実測したところ、38Cタイヤで左右9mmの余裕がありました。左右6mmの余裕を残すとすると、43Cくらいは入りそうですね。ただし泥が詰まったりするとアウトなので、走る状況を選ぶでしょう。

なお650Bへの換装(いわゆるロードプラス)はメーカーでは非推奨となっています。FLEXORの関係で700Cタイヤに合わせてチェーンステーがえぐれた形になっていますので、650Bの太いタイヤを装着すると干渉してしまいます。もちろん38mmくらいなら入るでしょうけど、それでは650Bにする意味があまりないですよね。まあ太くしたければ700x43Cくらいまでと思って下さい。

ケーブルルーティング


グラベルロードではメンテナンス性を考慮してケーブル外装が割と多いのですが、残念ながら(?)ブレーキ・シフトともにフレーム内装されています。はっきり言ってケーブル内装は百害あって一利なしなので大キライです。


ただBB側には大きな穴が開いていますので、シフトワイヤー交換は比較的楽そうです。ブレーキはフルアウターなので問題ありません。


チェーンステー部はブレーキ・シフトともに外装されていますので、まだ救われます。ブレーキケーブルは油圧式への変更を考慮した取り回しでしょうね。上位のKING GAVELは同じフレームで油圧式が付いているわけですし。

カスタムしたいところ

GAVELは初期状態でかなり完成度が高いのであまりいじるところはないのですが、やはりいくつか不満な点はあります。

まず軽量化ですが、一番重いのは間違いなくホイールでしょう。ただこれを換えるのは相当お金がかかるので当分はできません。そこでタイヤを軽くすることを考えます。どういう使い方をするかによりますが、舗装路メインなら38Cは太すぎるので32C~35Cのスリックに変更すれば前後で200gは軽くできるでしょう。あとはシートポストをカーボンにし、サドルを軽いものにするくらいでしょうね。

そして真っ先に換えたいのがブレーキキャリパーです。機械式ディスクは効かないと言われますが、噂通り全然効きません。105のリムブレーキの方がはるかに良く効きます。まあ新品のうちは当たりが出てないからで、しばらく乗ってればマシになってくるんでしょうけど。

機械式ディスクといえば定評のあるEQUALが最高らしいですが、さすがにブレーキに3万円以上は高すぎます。そこで同じテクトロで両押し式のMD-C550に交換したいと思います。両押し式にしても効きは変わらないと言われますが、調整が楽になったり、パッドの片減りがなくなるという利点もあるので、それだけでも交換する意味はあると思います。

片雲の風に誘われて

コメント

  1. たこさん より:

    有難うございます。参考にさせて頂きます。

  2. きんなん より:

    詳細なスペックレビューありがたいです。
    自分はグラベルロードというか現代のスポーツ自転車の知識に乏しいですが、レーシー寄りの実用性重視設計でもし自分が買ったとしてもちゃんと楽しめる自転車になってそうだなと思いました。
    しかし紐ディスクは効かないというのは初めて知って少し驚きました。自分はディスク車に乗ったことがないのですが、ディスクは効きの遊びがない代わりにとにかく良く効くみたいなイメージを持っていました。

    あとは読み進めながら「自分ならタイヤは替えたいな」と思いましたが、最後まで読んで「やっぱそこは思うよね」と思いました笑
    今より細いスリックとかにしたら確実に舗装路は快適になると思うので、ロードとの比較や今後の運用上の棲み分けなどどうするか気になりますね。

  3. SORA より:

    コメントありがとうございます。

  4. SORA より:

    紐ディスクはある程度当たりが出るまで全く効かないです(笑)。初動がシュルシュルシュルという感じでまったりと減速します。
    油圧でも新品の時は効かないと言います。ただ油圧は手の力を増幅しているので結果的に効くだけです。
    原理的にはホイールの内周で止めるのと外周で止めるのとでは、圧倒的に外周で止めるリムブレーキの方が効率は良いのです。
    ディスクそのものの制動力というよりは、実際には油圧の恩恵であるところが大きいです。

    タイヤの選択は悩ましいですね。実際の運用方法によって方向性が全く違ってきます。
    グラベルロード買ったらタイヤを細くしたがる人が多いんですが、あまりやり過ぎるとロードバイクと変わらなくなってしまうんですよね(笑)。
    もし廃道化している旧道の峠などを走るんなら、最低限今くらいのタイヤは必要です。
    そこは目的が曖昧にならないように一線は越えないようにする必要があります。